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グロいのに…『ゴールデンカムイ』に女子がなぜハマる?個性的すぎる男前軍人が大渋滞!

2020-08-31 | アイヌ民族関連
excite.co.jp 2020年8月30日 17:00
数々のマンガ賞を受賞し、10月からはアニメ第三期の放映が予定されている『ゴールデンカムイ』に今、ハマる女子が続出……!? その理由は?
男性向けバトルマンガであっても、女性ファンを多く獲得する作品があります。
『週刊ヤングジャンプ』で2014年から連載されている『ゴールデンカムイ』(著:野田サトル先生)もその一つ。
ファンは男女半々と言われており、女性によるSNSでのイラスト投稿なども目立つ人気作品です。
今回は、軍人、元新撰組……とバラエティに富んだキャラクター達とストーリーを軸に、『ゴールデンカムイ』が女子に人気の理由は?

『ゴールデンカムイ』にハマる女子が続出する理由は? 画像
via ゴールデンカムイ 23 アニメDVD同梱版 (ヤングジャンプコミックス)
現代では出会えない?強靭な軍人たち
本作の舞台は、明治時代末期の北海道と樺太。
日露戦争を生き抜いた元陸軍“不死身の杉元”とアイヌの少女・アシㇼパを中心に、陸軍第七師団、元新撰組一派らの金塊をめぐるバトルと、アイヌの文化を描いた“和風闇鍋ウェスタン”です。
キャラクターたちは、金塊の地図となる入れ墨が掘られた脱獄囚らを探し、地図を完成させるため競い合っています。
2020年10月にはアニメ第三期の放映を控える『週刊ヤングジャンプ』の看板作品のひとつで、作者の野田先生による徹底したアイヌ文化や狩猟の取材も評価され、2018年「手塚治虫文化賞」マンガ大賞、「マンガ大賞2016」大賞など多くの賞を受賞しました。まず特筆すべきは、「とにかく男らしい!」と言われる軍人のキャラクターたち。
「殺してみろッ 俺は不死身の杉本だッ!!」
「人間を殺せば地獄行きだと? それなら俺は特等席だ」
主人公の杉元佐一(CV.小林親弘さん)を含む軍人or元軍人キャラたちは、過酷な戦争を生き抜いた強靭な猛者で、敵と出会えば迷わず殺します。
『ゴールデンカムイ』に女子がハマる理由は? 画像
主人公の杉元佐一(すぎもと さいち)(CV.小林親弘さん)via 『ゴールデンカムイ』1巻(集英社)しかし、彼らを構築しているのは肉体の強さよりも「絶対に生き抜いてやる」という精神力。
杉元の場合、戦死した幼なじみの寅次から寅次の妻で目が見えない梅ちゃんを託されており、どこかにある金塊を見つけて、そのお金で梅ちゃんに手術を受けさせるまで死ぬわけにいきません。
「絶対に死なない」という強い決意で数々の修羅場を生きのびたことが、“不死身の杉元”と呼ばれるようになった所以でもあるのです。
私利私欲でなく、ただ幼なじみとの誓いを守るために金塊を探すぶれない姿勢も、読者にはまさに“男の中の男”に映るのでしょう。
脇役まで個性的で人気が高い
また、杉本をはじめラスボス的存在の鶴見中尉や、鶴見中尉の部下でストイックな月島軍曹(本誌人気投票3位)らは皆、戦争により自分の中で“何かが変わってしまった”男たち。
「以前の自分には戻れない」という苦悩や哀愁も、女性をキュンとさせるようです。
現代の日常では出会うことが難しい男性達だからこそ、その生きざまがかっこよく映り、多くの女性が惹きつけられるのではないでしょうか。杉本以外で特に人気なのが、“孤高の山猫スナイパー”尾形百之助(CV.津田健次郎さん)。
本誌人気投票では1位の杉本に次いで2位にランクインし、土方歳三一派と戦った『茨戸の用心棒編』はコミックス15巻の特典DVDにもなっています。
『ゴールデンカムイ』に女子がハマる理由は? 画像
尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)(CV.津田健次郎さん)via 『ゴールデンカムイ』8巻(集英社)「親殺しってのは、巣立ちのための通過儀礼だぜ」
未だに何が目的で誰の味方なのかも不明で、生い立ちの闇深さも半端ないミステリアスなキャラクター。
一方で、意外と冗談好きな一面も。
凄腕スナイパーという設定自体かっこいいのですが、猫のような気まぐれさも魅力です。
アニメ版での声優が色気たっぷりの津田健次郎さんというのも、はまり役ですね。そして、今どんどん株を上げているのが、尾形を敵視する若きエリート・鯉登少尉(CV.小西克幸さん)。
「おぉおのれよくも…私の部下たちをッ」
鯉登少尉は、『ゴールデンカムイ』では唯一と言えるほど“邪気が無い”軍人。
鶴見中尉が大好きなあまり写真を持ち歩く、興奮すると早口の薩摩弁になるなど最初は「また濃いキャラが増えたな」と言われていたのですが、貴公子と呼ばれる見た目や優れた身体能力、恐れず敵に斬りかかる勇敢さなどでカリスマ性を発揮。
『ゴールデンカムイ』に女子がハマる理由は? 画像
鯉登(こいと)少尉(CV.小西克幸さん)via 『ゴールデンカムイ』16巻(集英社)特に『樺太編』で月島軍曹を負傷させた相手を「待ってろ!」とばかりにやっつけに行ったシーンは、「本気になるとかっこいい」と評判を爆上げしました。
鯉登少尉のまっすぐさは“闇を背負った”月島軍曹らを救っており、「将来はこの人が生き残って軍を引っ張る存在になる」という声も。
脱走した尾形といつか対峙する時が来るのか?についても読者はわくわくしているようです。また、『ゴールデンカムイ』には、温泉で全裸でバトルなど筋肉をさらけ出す男性向けのギャグシーンも多いのですが、野田先生の絵は男性がごつすぎないのが特徴ともされているので、そこも女性がとっつきやすい理由でしょう。
バトル×ほっこり、考察要素の多さで飽きないストーリー
そして、ひとりひとりの魅力はもちろんですが、男達が集まってわいわい旅をする様子も『ゴールデンカムイ』の見どころ。
敵同士であるキャラクター達のコントのような掛け合いや、皆でアイヌの食事を囲むほっこりシーンが挟まれることで、女性も楽しみやすいストーリーになっていると思われます。
https://www.excite.co.jp/news/article/Numan_KiVJp/

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択捉出身アイヌ女性の生涯を紹介 択捉島水産会が講演会

2020-08-31 | アイヌ民族関連
2020年8月30日 3時00分
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https://digital.hakoshin.jp/news/national/65523

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【米大統領選2020】学者や政治家らの意見から解き明かす、カマラ・ハリスの歴史的な「副大統領候補指名」の意義

2020-08-31 | 先住民族関連
ハーパーズ バザー・オンライン 8/30(日) 11:41配信
「これは、とんでもなく(fucking)でかい政策だ」と、ジョー・バイデンは2010年、医療費負担適正化法成立の署名式でバラク・オバマ大統領を紹介した直後に、彼に囁こうとした。それは個人的なヒソヒソ話に終わらず、多くのメディアのカメラやマイクが4文字言葉を拾って、生放送された。意表をつくfワードを発したのはいかにもバイデンらしかった。荒削りで向こう見ず、だが、正直。医療費負担適正化法は不完全で物議を醸した法案だったが、実際、まさにとんでもなく大きな政策だった。
2020年8月12日(現地時間)、初めて揃って人前に姿を見せ、バイデンが副大統領候補のカリフォルニア州上院議員のカマラ・ハリスを紹介した際、私は彼がまたフィルターを外して、ありのままの真実を漏らしてくれないかと秘かに期待した。これもまた、とんでもなく大きなディールなのだから。
ハリスを指名したことは、バイデンのキャンペーンに待望の命を吹き込み、結果的に寄付金が急増し、数えきれないほどの記事に見出しが踊り、前例のないバーチャル党大会を前に熱狂が生まれた。今や国民は、主要政党公認の副大統領候補に選ばれた初の黒人女性である彼女の影響力は、歴史的に重大だと見ている。
バイデンがハリスを選んだというニュースに、私は勇気づけられ、葛藤を覚え、疲れ果てた。私は自分のことを、民主党が黒人女性を選挙で勝つための中心かつ基盤であるととらえるように声をあげてきた一人だと考えている。バイデンがハリス上院議員を選んだことは、そのメッセージが受け止められたという励みになるサインだ。それでも、メイソン=ディクソン線(ペンシルベニア州、デラウェア州と、メリーランド州、ウェストバージニア州との間の州境の一部を定める境界線)より南に支持者を獲得しようとしたステイシー・エイブラムス(2018年のジョージア州知事選挙で善戦し、民主党内で急速に頭角を現したため、一時、大統領選への出馬も検討していた黒人女性政治家)の努力に献身した南部人のひとりとして、私は、手堅い西海岸の上院議員を選んだことには葛藤を覚える。
それに、今後数カ月、人種差別的で性差別的なイジメがハリスを待ち受けていることを想像するとぐったりしてしまう 。ハリス本人はこうしたさまざまな攻撃に立ち向かうだけの厚顔さと筋の通ったしぶとさを持っていることは実証済みだが、トランプ政権下で耐えざるを得ないことが多かったように、人種差別的で性差別的な暴力性を見るのは、私の精神を確実に蝕んだ 。“カマラ”を正確に発音するようソーシャルメディアで言わなければならないという、一見悪気がないことにすら、疲れ切った。
何より、他の黒人女性は今この時、何を考え、どう感じているのかが気になる。そこで、私より若い女性たちの見方を探るために、女性グループを集めて、この件についての考え方を聞いてみた。まず私は、Next100の政策起業家で、社会正義と教育の平等の支持者で活動家のロケル・クラッチャーと、カリフォルニア生まれで現在はNY市立大学クレイグ・ニューマーク・ジャーナリズム大学院のアイダ・B・ウエルズ(ジャーナリストで教育者、公民権運動の初期リーダー、全米有色人種振興協会の創設者のひとり)奨学生のNoelle D. Lilley(ノエル・D・ライリー)に声をかけた。
次に、ベイエリアの学者で活動家、「Grantmakers for Girls of Colo(有色人種の少女たちを支援するチャリティ)」のエグゼクティブディレクターで「National Black Women’s Justice Institute」の創設者モニーク・モリス、カリフォルニア大学サンフランススコ校のモニカ・マクルモアにも、ハリスの選挙区民という長年の立場から得た洞察を探った。
また、私の古くからの友人で同僚であり、ノースカロライナ州立大学の歴史学准教授ブレア・ケリーと、ハワード大学神学校で初の女性学部長になったヨランダ・ピアスにも声をかけた。どちらも黒人女性の歴史を研究する学者で、ハリスの出身校であるハワード大学と個人的なつながりがある。
さらに、「Girls for Gender Equity」の創設会長でCEOのジョーン・スミス、社会学者で「GrassROOTS Foundation」の会長、ジャニス・ジョンソン・ディアスも加えた。ふたりとも黒人移民第一世代だ。ジョーン・スミスはハイチ人とアメリカ人のミックスで、ジョンソン・ディアスはジャマイカ人、黒人の少女たちのために活動するNPO組織を率いている。
そして、コミュニケーション戦略家で、2020年大統領選の民主党候補指名争いを闘っていたピート・ブティジェッジの元広報官を務めていたニーナ・スミスと、「Ms. Foundation」 のコミュニケーションディレクターで『Out Magazine』の元エグゼクティブディレクターとして、ハリスが指名されたことに鋭い洞察ができるラケル・ウィリスも。最後に、「Planned Parenthood Action Fund」会長で CEOのアレクシス・マクギル・ジョンソンにも、ハリスに今後待ち受けている道のりについて貴重な考えを聞いた。
私たちの会話は、あくまでひと 握りの黒人女性の懸念と希望の一例である 。一致するポイントがあれば、異なるポイントもある。が、私たちの誰もが、この節目が持つパワーと可能性を生かそうとしている。私たちは一緒になって懸念も表したが、興奮と可能性にも言及した 。我を忘れて喜ぶというより、過度の防衛意識と相まった慎重な楽観主義というのが私たちの見方だ。ピアスとマクルモア を除いては。彼女たちはふたりともハリスと同じく、1908年にハワード大学で創設されたアメリカ初の黒人女子学生の社交クラブ、「アルファ・カッパ・アルファ(AKA)」のメンバーだ。Black Twitter(特に米国の黒人たちにとって関心の高い問題を活発に議論し、仮想コミュニティ的に機能するアフリカ系アメリカ人のツイッターユーザーの集合体)をチラリと見ただけでも、今回の歴史的な候補指名に対する「AKA」のメンバーの誰はばかることのない熱狂ぶりがわかる。
とは言え、私たちのグループのほとんどは、ニーナ・スミスが「私は恐怖と希望が入り混じった気持ち。それを一言で表す言葉ってある?」と言った心情をシェアしている。それは、ある。勇気だ。
1988年、大統領候補指名争いをかけたジェシー・ジャクソン牧師の歴史的な闘いは、4人の黒人女性活動家、ドナ・ブラジル、ヨランダ・キャラウェイ、リア・ドートリー、ミニョン・ムーアによってまとめられ、指揮されたものだった。彼女たちは、マサチューセッツ州知事のマイケル・デュカキスが民主党候補に指名されると彼の支持に回ったが、デュカキスの選挙チームは彼女たちを除外しようとした。それに対してドナ・ブラジルとミニョン・ムーアは会議室を占拠 し、ドアに手書きの文字で『COLORED GIRLS…WE SHALL NOT BE MOVED』(有色人種の女性たち……私たちは決して動じない)と書いた紙をテープで貼った。
2018年、こうした“埋もれていた人々” は、40年にわたる自分たちの党活動とリーダーシップのストーリーを『For Colored Girls Who Have Considered Politics』に書いた。2016年のヒラリー・クリントンの大統領選を闘った新しい世代の黒人女性スタッフは、自分たちは「元祖Colored Girls」の精神を受け継ぎ、彼女たちのレガシーを広めていると理解していた。彼女たちこそ、不屈の戦略を持ったチームの元祖だった。
会話の中で最初にそのことを引き合いに出したのはニーナ・スミスだ。
「この候補者指名は、長年、民主党の活動をしてきた有色人種の女性にとっては純粋な喜びです」。マクギル・ジョンソンもその心情に同意する。「これは、今年は黒人女性が必ず関与するという戦略です。元祖Colored Girlsから今日の活動家まで、バイデンはこの基盤を頼りにすることを選んでいるのです」。
2008年と2012年の大統領選において、黒人女性の有権者 からの圧倒的支持と歴史的な得票数を得たおかげでオバマ大統領が勝利した民主党にとって、ハリスの指名が戦略的チョイスであるのは間違いない。が、ジャマイカ人の父親とインド人の母親の娘であるハリスの黒人としての具体的な経験と、彼女が黒人コミュニティ にどのように受け止められてきたかには複雑なところがある。ハリスは、2008年にオバマ上院議員を苦しめた「十分に“黒人” といえるのか?」という不安にはつきまとわれていない。その代わり、ハリスの信頼性につきまとう疑問は、カルチャーと経験、政策のチョイスに根ざしたものだ。
学者でオーガナイザーのジョンソン・ディアスは、ハリスについて、慎重な読みを提示する。「私たちがカースト制度を基盤とするふたつの文化システムから生まれた黒人女性の副大統領候補が出てきたのと同じように、イザベル・ウィルカーソンが新著『Caste: the Origins of Our Discontents』(カースト制度:私たちの不満の源泉)を出版したのは時宜を得ています」と、彼女。ジョンソン・ディアスは、ハリスの父親と同じジャマイカ出身で、「ジャマイカ人として私は、アメリカには先住民族の黒人を特定の憎悪に根ざした反黒人主義に染まっていることを認めることが極めて重要だと理解しています。これはハリスの過ちでも私の過ちでもありませんが、認識する責任はあります。私たちは声のトーンや食べ物の好み、ルーツについての議論などで 『私はこういう黒人とは違う。私は別の人間だ』という、ある種のシグナルを送るために使っているすべての方法について正直になるべきです。彼女は、反黒人に傾いていくべきではありません。他の人が自分のアイデンティティを使って、自分の反黒人性を正当化し隠すことを許してはいけないのです」
ジョンソン・ディアスが自分の分析で触れた箇所は脆弱な部分で、ほんの少しプレッシャーを加えただけでも痛みを伴う。ハリスは黒人のアメリカ人奴隷の子孫ではない。彼女はシスジェンダーでヘテロセクシュアル(異性愛者)だ。彼女の肌の色は明るく、髪は直毛だ。彼女は白人女性による主流の基準では美しい。彼女が体現しているこうしたリアリティは彼女がコントロールできることではないし、彼女のアイデンティティや忠誠を何ら示唆するものではない。同時に、黒人女性は、こうした具体的に体現された特徴を他者がどう解釈するかを知っている。肌の色が明るく、多人種のルーツを持つ “きれいな ”女の子は、学校や仕事、ヘルスケア制度ですら、恵まれた条件で歩んでいけるのだ。
ライリーは、「彼女は痩せていて、普通に見て美人で、容認できる“ブラックネス”の代表です。だからと言って、彼女が黒人であることを否定するものではありません。が、私は、ステイシー・エイブラムスに浴びせられた辛辣な言葉を考えないわけにはいかず、彼女には太った人に対する嫌悪やミソジニーのヴェールが薄くかけられていたのを見なかったことにするのは難しい」と述べる。
「私は長年、鏡を見なさいと言ってきた」と、何十年にもわたる私の親友で同僚のケリーはジョークを言って、私の多人種的なバッググラウンドと肌の白さを指摘する。それはもっともな批評で、おそらく、だからこそ私は自分が有効な支持者であると主張し、恵まれていることは認識すべきで、その立場から努力せずに利益を受けることを拒否するのだ。私はハリスが世間に対して、私やハリスが持つ “バージョン”の黒さは、なんとなく安全で世間体がよく、許容できるものであると仮定する反黒人層に公衆の目を向けてほしいのだ。
一方ライリーは、ハリスのアイデンティティはまったく問題にならないのではないかと考えている。
「今は2008年ではありません。2012年でもありません。アイデンティティ・ポリティクス(特定のアイデンティティを持つ集団が社会的地位向上を目指して行う活動)は重要ですが、『肌の色が同じ人だからといって親類とは限らない』という諺があります。黒人の女性候補者を指名したからといって、特に有色人種の若者たちの間では投票を保証するものではないのです」と、彼女。
「カリフォルニア生まれの私は、ハリスが行った刑事司法の経歴を懸念します。特に、彼女は地方検事や州検事だった当時、不登校者を厳しく処罰しました。私はこの歴史を懸念しているので、適切に対処したり説明責任が果たされなかったりしたら、左派が結集することが重要である時に、他の進歩的な人々からのサポートの欠如につながることを懸念しています」
ハリスを副大統領候補に指名したことで、バイデンは、黒人の政治史の中心に身を置いたことになる。アメリカ初の黒人大統領の副大統領を務め、初の黒人女性副大統領候補の上に立つ大統領として。1年のうちに大統領の弾劾やグローバルなパンデミック、スズメバチ襲来の可能性があった2020年には、驚きの連続だ 。
バイデンがこの主に象徴的な空間を占めている時でさえ、第2波のパワフルなブラック・ライヴズ・マター運動(Black Lives Matter)は、アメリカの刑事司法制度が実質的に変化することを余儀なくしている。現場では、ムーブメントは勝利を収めていて、何が可能かという私たちの理解を変えつつある。刑務所の廃止や警官への資金援助の打ち切りが今や市議会のアジェンダになっている。こうした壊れやすい変化はどちらに転ぶかわからず、ハリスの副大統領としての役割にかかっているのではないかと考える人は多い。
ハリスがサンフランシスコ地方検事やカリフォルニア検事総長であった時代が、彼女が民主党の大統領候補予備選で支持を得られなかった大きな理由だと見る人たちがいる。黒人有権者は、ハリスやコリー・ブッカー上院議員、フリアン・カストロ元住宅都市開発長官が予備選から去った後、白人だけが候補者として残ったことを嘆き悲しんだ。
「The Ms. Foundation」のウィリスは、黒人女性が警戒する原因を明かし、「刑務所の有り様を解体することが主要な話になるのは初めてのことで、キャリアを通してその刑務所の有り様を支持してきた人をバイデンは副大統領候補に選んでいるのです。ワクワクしたいところですが、ハリスはキャリアのほとんどで弱い立場に置かれている黒人女性を仕事の中心に据えなかったことを思うと、難しいですね」と、嘆く。
モリスは、市警長官だった当時のハリスと直接、ベイエリアの活動家として仕事をした自身の経験から、彼女について別な見方をする。
「今、私たちは、数十年前に推し進めていた改革ではなく、(正当に)構造改革や抜本的変革について話をしています」と、彼女。「が、それをするには、話を聞いたり学んだりすることにオープンなリーダーシップのあるチームが必要です。私からすれば、彼女はその能力があることを示しました。彼女はサンフランシスコに、元服役者が再びコミュニティに戻る手助けをする“Back on Track Initiative”や、アメリカ中の政治演説に広がっていた“Tough on Crimes(犯罪を厳しく取り締まる)”という発言に挑んだ“Smart on Crime Initiative”(犯罪を賢明に取り締まるイニシアチブ)を立ち上げています」
『Pushout, the Criminalization of Black Girls in Schools』の著者であるモリスと彼女の研究に刺激を受け、アヤンナ・プレスリー下院議員は黒人の少女たちのための学校の規律にトラウマに基づいたアプローチをする法案を提案した。ハリスとのモリスの個人的な記憶は特に注目を集める。
「私は個人的に、彼女が少女たちの商業的性的搾取を止める助けがしたいという意欲があったのを覚えています」と、プレスリー。「約20年前、私は、ベイエリアで少女たちを性的搾取する人身売買が増える傾向にあるのを懸念する女性たちの小さな会合に出席していました。ほとんど誰もそんな話をしていませんでした。ほとんどの政治家は私たちの懸念などニッチなものだと片付けました。しかし、カマラ・ハリスは自分に何か手伝えることはないかと純粋に関心を示してミーティングに参加してきたのです。彼女は被害者たちとその問題について議論もしましたが、そのほとんどは黒人の少女たちでした」
だが、皆がその話に納得したわけではない。
「彼女が検事として、学校に行かない子供の親たちを収監すると脅したことを忘れることはできません」と、ジョーン・スミスは振り返る。「彼女が(そしてバイデンも)害を及ぼし、収監という解決策からこの国の組織的人種差別へいかに方向転換したかを認めることは、大いに役立つでしょうね。権力を持つ人は、謝罪を弱さだと考えるのですが、そこがバイデン+ハリスが自分たちをこれまでの体制、最も大事なのは現政権から、切り離すポイントなのです」
サンフランシスコ在住の医療専門家で主には黒人の母親と子供たちとの仕事をするマクルモアは、ハリスの全経歴を考慮するよう促す。
「彼女は2019年に『Maternal CARE Act(母子保健法)』を導入し、健康の平等に向けた重要な第一歩になりましたが、 その時も、私はその法案が助産婦とドゥーラ(医療スタッフではないが出産のアドバイスやサポートをする女性)を優先するよう変わるのを見たいと思いました」。
マクルモアはハリスの仕事の全体的な方向性を称賛しつつも、彼女の漸進主義的アプローチがこの会話の中の何人の心を捉えるかには批判を残す。
「彼女を解放者として見ることはできません」と、ジョンソン・ディアス。「時間をかけて彼女の経歴を研究しましたが、彼女はまるで精霊のような存在だと思いますね 。ランプを掲げてくれている人に代わって自分のパワーを使うのです。黒人コミュニティが間違いなくランプを掲げていてくれるようにすることが鍵ですね」。
ブラック・ライヴズ・マター運動の桁外れのデモと政策活動は、ハリスが確かに黒人コミュニティの懸念に応えられるようにするポジションにうまく置いたように見える。「彼女が司法長官時代にきちんとやったことを憶えておくことが重要です」と、マクギル・ジョンソンは言う。「彼女は、警察のデータを収集し、公表するように求めてきたという点で、非常に先見の明がありました。ブラック・ライヴズ・マター運動は、彼女とバイデンが政権についたら、パワフルなツールになると信じています」
ハリスにとってもっとも手強い制約は、コミュニティの関心というよりは、バイデンと、ふたりが選挙に勝利した場合にハリスが自主的に活動するスペースをバイデンがどの程度作れるかということのほうにありそうだ。
「まず、バイデンから始めましょう」と、スミスは主張する。「ハリスが政権内で意味あるパワーを持たない限り、彼女には何も期待できません。彼女はシンボル以上の存在になるべきです。ポートフォリオを作る必要があります。もし私がアドバイスするとしたら、彼女が堂々と戦うことができる余裕を持ち、政権の目玉である『The BREATHE Act』を進めることが重要だと強調したいですね」
ジャクリーン・ウッドソンが2014年に書いた回想記『Brown Girl Dreaming』は、黒人の少女時代と成人女性の無限の可能性を思い起こさせる。そのおおらかで楽観的な可能性に満ちたスペクトラムに、ハリスが指名されたことについて語り合い、喜びを感じながら、黒人女性の仲間たちは常に回帰していく。私たちは一緒になって、ハリスのために黒人女性の夢をシェアしているのだ。
私たちの夢は全員で共有するものであって個人的なものでもあり、実質的であって象徴的なものだ。そしてもちろん、私たちの夢の中には少し楽しいこともある。ピアスは、「大統領就任舞踏会でAKAの団体が歩くのを見たらかなり幸せ」だと言う。
「私は、カマラ・ハリスが草の根組織と会話をすることで人々が求めるリーダーになるのを夢見ています 」と、ウィリス。「彼女がパワーの輪を広げて移民や障害者、服役者、トランスやの人々、クィアーの人々、そしてすべての黒人が自分たちについて話すことができるように影響力の輪を広げていくことを夢見ている」。ウィリスの夢を私たちは皆、シェアする。
ジョーン・スミスはハリス副大統領が“Black Girls Bill of Rights”(黒人少女の権利)を採用するのを夢見る。ジョンソン・ディアスの夢は、ハリスが、奴隷状態から逃れてブルーマウンテンに黒人の自由なコミュニティを設立した18世紀のジャマイカ人リーダー、クィーン・ナニーから戦略的な知恵を学ぶことだ。
「彼女が、クィーン・ナニーが『彼らがあなたの人々を苦しめることができないようにしなさい。彼らにあなたと戦わせなさい』と言う声を聞くのが私の夢」。マクギル・ジョンソンは「私は彼女が私たちみんなに自由な黒人女性とはどんな風に見えるものかを示してくれるのを夢見る」と、言う。
ハリスが黒人女性の自主的な行動や自由の可能性のシンボルになるかもしれないことは、副大統領候補に求める私たちの政策的野心を補強するものだ。政策起業家のクラッチャーは自分のもっとも大胆な夢は、ハリスが「本物で堂々とした存在になる」ことだと言う一方で、『この国の黒人女性について話し、働き、考え、保護し、関与する方法を変えること』を夢見る。
非常に多くの黒人女性が、本当の自分を隠しながら、ひっそりと、自由も認められず労働してきたからこそ、この歴史的な節目でハリスが注目を集めている。私たちの多くが副大統領候補に対して持つ夢は、自分たち自身に対して持つ夢なのではないかと私は思う。先祖に敬意を表する仕事をし、子供たちにインスピレーションを与え、自分たちのコミュニティを築き、そしてなおかつ、完全に自分自身になるための余裕も残す。
シャーリー・チザム(1968年末の米下院選挙に当選し、アフリカ系アメリカ人女性として初の米連邦議会下院議員となった。1972年に民主党の大統領指名候補者予備選挙に出馬)は「私は、自分を憶えていてくれる歴史が欲しい。アメリカの黒人女性として初めて大統領選に出馬した人としてではなく、20世紀に生き、堂々と自分自身であろうとした黒人女性として。“アメリカの変革の触媒”として私は記憶に残りたい」と、書いた。それは、ハリスにとっても価値のある夢だ。
Translation: Mitsuko Kanno from Harper's BAZAAR.com
https://news.yahoo.co.jp/articles/8fcb1f179252b91a18feca7067f76e4060f74ec8

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