HBC3/14(木) 19:42配信
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10日、札幌市で開かれたアイヌをテーマにした講演会を巡り、市民団体が「ヘイトスピーチ」だと主張し、抗議しています。
札幌市中央区の「かでる2.7」。今月10日、市民らが横断幕やプラカードを掲げて、抗議のスタンディングをしました。
市民団体クラックノース 青木陽子さん
「アイヌ民族が“先住民族ではない”ということを主張する講演会をするということで、問題だということで抗議に来た」
講演会とは「改めて問う!アイヌはなぜ先住民族にこだわるのか!?」。
保守系の団体・日本会議北海道本部などが主催し、アイヌが先住民族であることを疑問視する元道議会議員などが、講師に名を連ねました。
抗議中の市民に対して、講演会の参加者とみられる男性が威圧する場面も…。
警察官
「危ないですよ、危ないですよ」
警察官が止めに入ります。「差別でメシを食うな」というプラカードを笑う人物も…。
講演会に参加する男性
「ブーメラン、ブーメラン、ブーメラン、ブーメラン」
市民団体クラックノース 青木陽子さん
「“差別で食っている”のは、お前らだ」
2019年に施行されたアイヌ施策推進法では、アイヌを先住民族と位置づけ、「何人もアイヌの人々に対して、アイヌであることを理由として、差別すること」を禁止しています。
「かでる2・7」は、アイヌ協会が入る公共施設で、今回の講演会自体が問題だと、市民団体は指摘します。
抗議に参加した男性(29)
「自分たちは“アイヌの人たちの味方だよ”と表明する意味でも、差別に反対するっていう立場を明確にしたい」
やむにやまれず抗議に参加したアイヌの男女は…。
アイヌ民族の女性(50代)
「ヘイトスピーチを見た瞬間に、体中の血が沸騰するような感じ。私だけじゃなくて、私の先祖も傷つけているわけだし。本当は、アイヌがもっとやらなきゃいけないけれども、いろいろと危険なので、できない人が多い」
アイヌ民族の男性(20代)
「一緒に戦ってくれる存在は、やっぱり当事者になってみたらとても心強い味方」
差別は人権問題であり、今後も抗議を続けると、市民団体は話します。
HBCは、講演会を主催した日本会議北海道本部に取材を申し込みましたが、「応じられない」と回答がありました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9e5d99d2039faf04392ef1ded2630c62b3646615