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首相がいう「ヘイトスピーチない国」は実現できるか? 対策法案の審議がヤマ場

2016-04-25 | アイヌ民族関連
BuzzFeed Japan 2016/04/23 17:33
与党案は「最低限もカバーできない」と識者

東京・新宿でおこなわれた排外デモ(2015年12月20日撮影) Kazuki Watanabe / BuzzFeed
「日本から出て行け」「ゴキブリを殺せ」などと排外主義や差別を煽るヘイトスピーチ。いま、自民・公明による対策法案が、国会で議論されている。どのような内容で、何が争点になっているのか。
安倍首相「ヘイトスピーチは断じてあってはならない」
安倍首相はヘイトスピーチについて、2015年4月、参議院予算委員会でこう語った。
他の国や、あるいは民族、文化に対して、そうした国々あるいは人々に対して憎悪をあおるような、そういうヘイトスピーチは断じてあってはならないし、日本の国内において行われることのないような国にしていきたいと、このように考えております。
「殺せ」「日本から追い出せ」。街頭で繰り返されたヘイトスピーチは、動画サイトなどで拡散し、大きな社会問題となった。与党は2014年にプロジェクトチームを発足させて対策を話し合っていた。
では、ようやく提出された自公の法案の内容はどのようなものか。ヘイトスピーチ問題に取り組む社会学者明戸隆浩さんと、表現の自由に詳しい山口貴士弁護士に聞いた。
2人が共に指摘するのは、ヘイトスピーチの定義が極めて限定的ということだ。そこには、規制が不十分になる問題と表現の自由の範囲との兼ね合いがあるという。
対象が「本邦外出身者」であること
法案は次の条件を満たすものを「ヘイトスピーチ」と定義している。
1.対象が「本邦外出身者」であること
2.差別的意識を助長・誘発する目的があること
3.公然と生命、身体、自由、名誉、財産に危害を加える旨を告知するなど
4.出身を理由に、地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動
独特なのが、対象を「本邦外出身者」に限定している点だ。これは、外国出身者とその子孫で、適法に居住している人のことだとされている。
山口弁護士は「本邦外出身者なんて聞いたこともない言葉。これでは狭すぎて、最低限のところもカバーできません」と指摘する。
「居住」が要件となっているため、旅行者が除外される可能性があるという。「旅行者が差別的な言葉を投げかけられるのは、問題じゃないのでしょうか」
明戸さんは「この定義では、アイヌの人が対象に入りません。先日の審議では付帯決議で対応するという答弁もありましたが、どういう形になるのかはまだ不透明です」
「適法に居住している」という点も問題だという。
2009年、オーバーステイで両親が強制退去となったフィリピン人一家にヘイトスピーチが向けられたことを例にあげ、「オーバーステイの人なら、差別的言動を受けてもいいということはありえません。さらに言えば、『在日は不法入国者の子孫だ』というのは、テンプレ的な差別的言動の一つです」
このままだと、ヘイトスピーチをする人たちに、「これ以外の差別発言ならOKだという間違ったメッセージ」を送ってしまう危険性があるという。
差別的意識を助長・誘発する目的があること
自公法案は「差別を助長・誘発する目的」や「地域社会から排除することを煽動」などがなければ、ヘイトスピーチとは考えないという定義だ。
山口弁護士は「表現の自由に対する配慮」を感じるという。「こうした主観的要件を入れておかないと、フィクションや小説で差別シーンを描くことが規制されかねない」
一方、明戸さんは「罰則をもうけるなら、対象行為の限定は一定の理解ができます。しかし、理念的な法案でここまで限定する必要があるのでしょうか」と疑念を呈する。
禁止規定や罰則がない
そもそも、この法案はヘイトスピーチを禁止していないし、罰則も設けていない。
「不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進」を目的としたもので、明戸さんが指摘する通り、理念的なものだ。
山口弁護士「特定人を相手にしたヘイトスピーチは現行法でも対応可能なので、あえて規定しなかったのでしょう。表現への萎縮効果を懸念したのかも知れません」
明戸さん「野党案にも罰則はありませんが、『ヘイトスピーチの禁止規定』があります。たとえ罰則がなくても、『禁止』があるのとないのでは違いが大きい」
国の義務は?
法案は国に対して、差別解消の施策を実施するよう義務を課している。具体的には相談体制の整備、教育の充実、啓発活動。これらの義務にはどんな意味があるのだろう。
山口弁護士「国や自治体が、人員・予算をつけやすくなるという点で、意味はあるでしょう」
明戸さん「法案前文には、不当な差別的言動は許されない、という宣言があります。それと組み合わせれば、ヘイト団体に公民館を使わせないようにするといったプレッシャーをかけていく手段にはなるでしょう」
「毒にも薬にもならない」
2人の専門家は、共に法案の内容に疑問を投げかける。
山口弁護士「毒にも薬にもならない。本腰を入れてヘイトスピーチ規制に取り組んでいるようにはみえません。政策ではなく、政局の中で出てきた法案に思えます」
明戸さん「一定の意味はありますが、このままでいいとは言えません。ヘイトスピーチを禁止もしない、罰則もないのに、対象範囲をここまで狭めるのは変です」
https://www.buzzfeed.com/kazukiwatanabe/can-the-bill-stop-hate-speech-in-japan#.uhVOWrngN


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国立民族共生公園基本計画を策定 体験交流施設500~600人収容

2016-04-25 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 (2016年 4/23)

国立民族共生公園の基本計画で示された施設配置図
 北海道開発局は22日、2020年に白老町のポロト湖畔に開設する「民族共生の象徴空間」の国立民族共生公園(仮称)基本計画を策定した。公園の計画区域は、国立アイヌ文化博物館(仮称)とポロト温泉施設の建設予定地を除いた約10ヘクタール。北海道アイヌ協会などが要望していた体験交流施設の位置や具体的内容も盛り込んだ。道開発局は「16年度は施設設計の業務委託と、(計画区域設定に向けて)都市計画法に基づく白老町との協議などを進めていく」としている。
 計画によると、公園は(1)アイヌの伝統的な生活を体感する空間(2)アイヌ文化の理解と交流を促す空間(3)アイヌの自然観に触れる空間―で構成。それに基づき、▽伝統的コタン▽体験交流施設▽工房▽芝生広場▽エントランス▽駐車場の各施設を整備する。
 伝統的コタンは、チセ(家屋)や畑などアイヌ民族の集落、生活空間を再現し、体感できる場とする。体験交流施設は、500~600人程度収容の屋内施設で、アイヌ語や舞踏、音楽、口承文芸などを体験できる「体験交流ホール」と、伝統の狩猟や料理、工芸が学べる「体験交流学習館」を整備する。工房は、木彫や刺しゅう、織物などの制作を見学したり、体験できたりする施設として配置する。
 芝生広場は、ポロト湖畔の自然空間を活用した憩いの場として配置。屋外で古式舞踊など、さまざまな体験交流活動やイベントに対応できる場として活用する。
 入り口となるエントランスは、博物館の近くに整備。バスなどの車寄せや身体障害者用駐車場を設ける。駐車場は普通乗用車300台程度を収容できる広さを確保。駐車場運営は、白老町が民間委託を目指している。
 計画は、基本構想に基づき、基本計画検討会(委員長・淺川昭一郎北大名誉教授)が昨年11月から3回にわたり内容を審議。21日に東京で開かれた政府のアイヌ政策推進会議・政策推進作業部会に報告され、正式に了承された。
 国の整備スケジュールによると、国立アイヌ文化博物館と国立共生公園は共に17年度に着工。アイヌ民族の遺骨を集約する慰霊管理施設は、象徴空間開設前に整備する。
http://www.tomamin.co.jp/20160437725

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7月に北海道子どもの本のつどい、登別で初開催

2016-04-25 | アイヌ民族関連
室蘭民報 【2016年4月23日(土)朝刊】
 第39回北海道子どもの本のつどい登別大会(地元実行委、北海道子どもの本連絡会主催)が今夏、登別市富士町の市民会館で初開催される。「わにわに」シリーズなどが人気を集める絵本作家、小風さちさんが基調講演する。一般参加も歓迎で、来場を呼び掛けている。
 同連絡会は図書ボランティアや教員などの「読み手」、作家などの「書き手」、図書館職員や本屋などの「渡し手」が集まる団体で、道内外に約210人の会員を抱える。
 毎年「すべての子らに本のたのしさを」をテーマにした「北海道子どもの本のつどい」を各地で開催するほか、合宿、会報発行などを通じて、子どもたちに本の楽しさを伝える取り組みの研さんを図っている。
 「つどい」は1978年(昭和53年)に札幌で第1回大会を開催。88年には室蘭市でも行われている。今回は登別市の会員で読み聞かせ団体「おはなしぽけっと」の須藤和恵さん(56)が手を挙げ、登別で開催されることになった。
 開催日は7月30、31の両日。初日は午後1時に開会。同1時半から小風さんが「おはなしが生まれるまで」をテーマに講演する。「わにわにのおふろ」など「わにわに」シリーズなどで知られる人気絵本作家で、同3時からはサイン会も行う。
 2日目は午前10時から、学校図書館・公共図書館、読み聞かせ講座、おはなしとわらべうたの部屋―などをテーマにした六つの分科会を開催する。「登別らしさ」を意識し「アイヌ文学」の分科会も設けた。交流会なども行い、午後1時半閉会式の予定。
 大会実行委員長を務める須藤さんは「有名作家の講演を地方で聞くことができる貴重な機会。『言葉』を大切にしている小風さんの話を多くのお母さんたちや市民に聞いてほしい。子育てを楽しむヒントにもなるはず」と話している。
 参加費は1500円(講演+分科会費)で、高校生以下は無料。託児も行う。参加要項は現在調整中で、近く募集開始の予定。問い合わせは事務局の高森さん(携帯電話090・9436・3587)へ。
(鞠子理人)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2016/04/23/20160423m_04.html

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大学研究者によるアイヌの遺骨持ち去り問題 経緯まとめ出版

2016-04-25 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2016.4.21
「アイヌの遺骨はコタンの土へ」北大開示文書研究会
駒沢大の植木教授も寄稿
北海道大学を中心とする全国の大学の研究者がアイヌの遺骨を墓から持ち去り、遺族らが北大への遺骨資料の文書開示請求や遺骨返還訴訟を起こした問題で、これまでの経緯やアイヌの思いなどをまとめた「アイヌの遺骨はコタンの土へ北大に対する遺骨返還請求と先住権」(北大開示文書研究会繍藷〉が緑風出版から初日出版された。苫小牧駒沢大学問際文化学部教授(哲学、科学技術社会論)の植木哲也氏も寄稿しており、植木氏は「多くの人にこの間題に関心を持っていただければ」と話している。
「この問題に関心持って」
 アイヌの遺骨をめぐっては、19世紀後半から1970年代まで、全国の大学の研究者たちが墓から遺骨を大学に持ち帰った。遺骨は12大学に1636体保管され、このほか特定できない515箱分もあり、多くは北大に保管されている。国は2014年5月、遺骨返還のガイドラインを策定し、身元不明遺骨は白老町に建設される「民族共生の象徴となる空間」内の慰霊施設に集約し、身元判明遺骨は遺族(祭祀=さいし=継承者)に返還すると定めたが、身元がが判明しているのはわずか23体。99%が事実上戻らない内容となり、遺族らは身元が判明していない遺骨についても、アイヌがコタンで先祖供養していたことを踏まえ、コタンへの返還を求めて2012年に訴訟を起こしていた。
今著では、北大への遺骨資料の文書開示請求に動いた小川隆吉さん、小川さんと共に遺骨返還訴訟を起こした故城野口ユリさんらが、アイヌの立場からこの問題に対する憤りや苦しみを訴えている。有識者らが、この問題から見えるアイヌへの差別、人権問題などを浮き彫りにしながら、日本政府が進めるアイヌ政策を「名ばかり」と告発。植木氏は第2部「発掘遺骨『白老再集約』の人権侵害を告発する」の第7章「アイヌ民族の遺骨を欲しがる研究者」などを執筆。研究者がなぜ遺骨を欲しがるのかや、政府が14年に策定したガイドラインや白老に整備される「象徴空間」への遺骨再集約方針の問題点などを指摘した。
植木氏はこれまで「学問の暴力 アイヌ墓地はなぜあばかれたか」(2008年、春風社)などを執筆。長年この間題と向き合っており、出版された書籍について「ここに至
るまでの当事者のアイヌの方たちの気持ちや大学側の対応などが分かりゃすくまとまっている。多くの人にこういう問題があることを知つてもらい、特にアイヌの方たちの思いの部分を多くの方に理解してもらうことにつながれば」と話している。
訴訟をめぐっては今年3月下旬、札幌地裁が一部の身元不明の遺骨に関してコタンに返還するように求める和解勧
告を出し北大が同意。この動きに植木氏は「これまでは事実上返還できないガイドラインだったため、新たな可能性
が出てきた意味で勧告を評価したい」とするが、一方で同様の問題を抱えるイギリスなど世界各国では、研究者側か
積極的に問題解決に動いており、「そもそも裁判になる前に北大が自主的に動かねばならなかった問題」と指摘している。
書籍は市内の書店などで販売中。B6判、300ページ。税抜き2400円。

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『アイヌの遺骨はコタンの土へ 北大に対する遺骨返還請求と先住権』 /北海道

2016-04-25 | アイヌ民族関連
毎日新聞2016年4月23日 地方版
(北大開示文書研究会、編著)
 北海道大学がアイヌ民族の墓から掘り出した遺骨を保管し続けているのは供養の侵害だとして、アイヌ民族が北大に遺骨の返還などを求めた訴訟は3月末、札幌地裁で和解が成立した。本書は、その裁判を支えた「北大開示文書研究会」が、現時点での活動の成果をまとめたものだ。
 19世紀後半から1970年代まで、北大を中心に全国の大学の研究者が、北海道やサハリン、千島列島など各地でアイヌ・コタンの墓地を掘り返し、大量の人骨と副葬品を持ち去った。頭蓋骨(ずがいこつ)計測研究のブームが去り、残された人骨は学内にしまい込まれ、忘れ去られていた。このことに憤り、立ち上がった浦河町出身のアイヌ民族の闘いが、2012年9月に起こされたアイヌ遺骨返還請求訴訟だ。原告はそれまで再三にわたって返還交渉に応じるよう求めてきたが、大学側は「北海道アイヌ協会を通してしか話さない」と拒否。もはや法廷で争うしか選択肢はなかった。
 文書研は宗教家や弁護士、ジャーナリストらで構成。08年、情報開示請求に対して北大が公開した文書を精査し、アイヌ墳墓「発掘」の実態を解明するために結成された。訴訟は第3次提訴まであり、和解したのは第1次分だけ。国は多くの遺骨を白老町に集約するとの方針を示しているが、それは名ばかりの返還にすぎない。今後もこの問題を考えてゆくためにも、極めてタイムリーな刊行となった。(筑)(300ページ、2400円税別)
http://mainichi.jp/articles/20160423/ddl/k01/040/076000c

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アイヌ民族遺骨 全国大学に依然1600体 大半は身元分からず

2016-04-25 | アイヌ民族関連
北海道新聞 03/26 05:00、04/23 09:18 更新
 「きょうは私にとって、とてもうれしい」。アイヌ民族の遺骨返還訴訟が25日に和解した後、原告団の1人、小川隆吉さん(80)=札幌市=は札幌市内で行われた記者会見で笑顔を見せた。ただ、返還に至った経過はあいまいなままで、他のアイヌ民族からは戸惑いの声も漏れる。
 北大が3年前にまとめた収蔵遺骨の報告書によると、返還されることになった16体は、1931年(昭和6年)に医学部教授が発掘したとの一部記録がある。
 国は、北大を含め全国12大学に保管されている計1600体以上の遺骨について、返還の求めがなければ、身元判明の可否にかかわらず、2020年に胆振管内白老町に開設する「民族共生の象徴となる空間」(象徴空間)の慰霊施設に保管する方針を示している。今回、原告団は「これに待ったを掛けた」と意義を語った。
 今回返還される16体のうち1体は、小川さんの伯父海一郎さんのもの。残る15体は、身元不明か、原告団の親族以外のもので、これらを返還できるかが和解協議の焦点だった。
 原告は訴えで、自分たちはアイヌ民族のコタン(集落)の子孫で「先祖の遺骨の管理権を引き継いでいる」と主張。一方、北大は和解後、「回答を差し控える」(浅野賢二広報課長)とし、返還に至った実情はあいまいなままだ。
 身元不明の遺骨は子孫が特定できないゆえに、将来、別のアイヌ民族から返還を求める声が上がる可能性がある。和解では、こうした恐れに先手を打つ形で「第三者と紛争が生じた場合は『コタンの会』が解決し、北大に一切迷惑をかけない」との条項も盛り込んだ。
 この条項について、北海道アイヌ協会の幹部は「北大は、返還手続きに最善を尽くす責任を放棄している」と憤る。国は、全国計1600体以上のうち身元が分かる23体について返還の指針をまとめたが、身元が分からない遺骨は「今後、検討すべき課題」(文部科学省)とし、議論は先送りされている。
 この幹部は「ほかにも遺骨を返還してほしいと願うアイヌ民族はいる。訴訟をすればいいのかという話になる」とも指摘した。
 一方で、原告の小川さんら日高管内ゆかりのアイヌ民族12人ほどでつくる、遺骨返還の受け皿団体「コタンの会」代表の清水裕二さん(75)は会見で「イチャルパ(供養)のための人手や財源をどのようにしていくか、われわれにとって課題だ」と語った。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0251023.html

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ディカプリオの「レヴェナント」愛がほとばしる!5分超のインタビュー映像公開

2016-04-23 | 先住民族関連
映画.com 2016年4月22日 10:00
[映画.com ニュース]第88回アカデミー賞で監督賞、主演男優賞、撮影賞の3冠に輝いた「レヴェナント 蘇えりし者」(公開中)の特別映像が、公開された。不屈のハンターを演じ、オスカー俳優となったレオナルド・ディカプリオが約5分半にわたって作品の魅力を語っている。
狩猟中に熊に襲われひん死の重傷を負ったヒュー・グラス(ディカプリオ)が、メンバーのジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に殺害された息子の無念を晴らすべく、苛酷な自然環境の中で生き抜こうともがくさまをダイナミックな映像で描く。
ディカプリオは、本作の出演を決めた理由を「アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの作品だからだ」と言い切る。「アレハンドロはとても個性的な監督で、観客が物語の世界に浸れるような映像を撮るんだ。いつも独特なスタイルを守っていて、彼にしか撮れない映像を作る。そんなことができる監督は本当に少ない。今回は壮大な作品で、彼の個性が生きているよ」。
ディカプリオはまた、「監督の相棒」であるエマニュエル・ルベツキ撮影監督の手腕にも言及し「監督たちの目標とする映像がきちんと実現できたと思う。バーチャル・リアリティの世界に入ったように主人公たちの体験を味わえる作品だよ。カメラの動きも素晴らしい。原野を自由自在に動いたかと思うと、登場人物の細かな感情をしっかりと撮る。まるで旅人の視線のように感じると思う。このカメラの目線が、キャラクターの1人のように思えるかもしれないね」とリアリティあふれる画作りの魅力を語っている。
自身が演じたグラスは、アメリカの伝説的な人物だが「民間伝承によって広まった物語だが、彼は実存した人物であり、この事件も本当に起きた。多分監督は、この物語を映像詩のような作品にしたかったんだ。絶望的としかいえない状況で生き延びられたのは、強い精神性のおかげだ。ヒュー・グラスは人間の可能性を証明してみせた」と語る。
さらに、グラスの精神力は、先住民族の妻との間に生まれた息子への愛のたまものだという考えを示し「ヒュー・グラスが息子に教えるのは、存在を悟られないように生きることだ。当時も、人種差別の問題が存在していた。父は子にこう伝えていたんだ。『俺たちはなんとしてでも生き抜いていくぞ』。その精神は、グラスが仲間に見捨てられ、たった1人で原野で生き延びるときにも大いに役立った」と分析している。
(映画.com速報)
http://eiga.com/news/20160422/7/

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自公提出の「ヘイトスピーチ法案」のなかで、明らかに容認できない「適法居住要件」とは何か。

2016-04-23 | アイヌ民族関連
伊藤和子 | 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長 2016年4月22日 9時0分配信
<熊本地震において、被災されたみなさまに心よりお見舞いを申し上げます。>
■ ようやく! 自公ヘイト法案
在日コリアン等のマイノリティに対するヘイトスピーチが深刻な状況にある。
新聞報道によれば、熊本の地震の直後にも悪質なヘイトスピーチが飛び出したとのことで、暗澹たる気持ちになった。
「朝鮮人が井戸に毒」 熊本地震 ネットにあふれるヘイト(2016年4月16日 東京新聞)
「井戸に毒を投げ込んだぞ」。熊本県益城町(ましきまち)で震度7を観測した地震の発生後、短文投稿サイトのツイッターには、関東大震災時の朝鮮人虐殺を思わせる流言飛語があふれ返った。災害時にデマはつきものだが、今回のケースは、在日コリアンらを排斥するヘイトスピーチ(差別扇動表現)にほかならない。ヘイトデモに路上で直接抗議する「カウンター」の市民たちが打ち消しに走ったものの、悪質な投稿は後を絶たない。ヘイト根絶のためには、インターネット対策が急務である。 
ヘイトスピーチの深刻化を受けて、2015年には、民主党、社民党及び無所属の議員から、「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」が提出された。
2015年に同法案は成立しなかったが、今年に入り、 2016年4月8日に、自民・公明両党から「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」(以下「本法案」という。)が参議院に提出され、今通常国会で審議されている。
与党が、ヘイトスピーチの解消が「喫緊の課題」(第1条)だという認識に立って、ヘイトスピーチへの対処を進める法案を提出したことは歓迎したい。
しかし、法案を見ると、どうしても容認できない、許してはならないという点がある。「適法居住要件」である。
■ 「適法居住要件」何が問題か。
自公法案をみると、ヘイトスピーチは以下のように定義されている。
「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉又は財産に危害を加える旨を告知するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。
つまり、適法に居住する者に対するヘイトスピーチだけが、この法案で対応すべき課題だ、というのである。
これはおかしい。ヘイトスピーチ規制の背景にあるのは、日本が批准している国連人種差別撤廃条約に基づく人種差別撤廃委員会が勧告を行ったことにあるが、国連人種差別撤廃委員会は、適法に居住しているか否かの区別なく、すべての人種差別をしてはならない、と言っている。こうした条約の精神からみて、適法居住要件は明らかにそぐわない。
まず、「適法」を要件とすると、在留資格なく日本に滞在している外国人や、あるいは滞在の適法性を争っている外国人(この中には多くの難民申請者も含まれる。)は適用対象外とされ、これらの外国人に対するヘイトスピーチは野放しになってしまう。
これでは適法に居住していなければ、ヘイトスピーチの対象とされても仕方がないと国が言っているようなもの、国が容認しているようなものである。
しかし、人はたとえ在留資格がないからと言って、ヘイトスピーチや憎悪的表現の対象とされてはならないはずだ。在留資格がないから人権侵害をしてもかまわない、このような考えは到底容認できない。
このような定義では、故国から逃れ、日本に救いを求めようとする難民認定申請者の多くがヘイトスピーチの対象者として野放しになる。
いま、シリアをはじめ、世界中で紛争が続く中、難民受け入れ・保護は国際社会が取り組むべき最重要課題のひとつとなっている。
日本で難民申請をする人たちは、難民として認められるまでに「仮滞在許可」を受ける場合もあるものの、こうした許可を受けられず、難民認定も得られず、審査請求をしたり、裁判を提起したりしてようやく難民と認められる人たちも少なくない。こうして最終的には難民と認められる人たちでも、そのプロセスで「不法滞在」という扱いを受けることも少なくないのだ。
日本では、そもそも難民認定率があまりにも低く、大きな問題となっており、多くの難民申請希望者は大変深刻な状況に置かれている。
そこへきて、こうした難民認定を求める人たちに対して、ヘイトスピーチからの保護から除外することでよいのか。
「そうだ、難民しよう」というヘイト書籍が問題になったが、この本に代表されるような難民に対するヘイトスピーチへの対処をせず、迫害を受けて庇護を求める難民申請者を差別し、傷つける言動をすることを私たちの社会は容認していいのだろうか。
難民だけではない、日本には、様々な形で、在留資格がないために苦境に立たされている人がいる。例えば、夫からDVを受けて避難生活を送り、離婚を求める外国人女性も一時的にオーバーステイになってしまうことが多い。在留資格がないからヘイトスピーチの対象となっても仕方がない、というのは明らかにおかしい。
次に、「居住」というのもおかしい。一時的な外国からの旅行者に対するヘイトスピーチは完全に除外されることになるからだ。
例えば、2020年には東京オリンピックが予定されているが、仮にオリンピックに出場するために来日した選手や、観戦に来た観客に対するヘイトスピーチがなされても、「居住」していないから、何らの対策もないというのだ。
これで本当に国際的に開かれたオリンピックを実現できるというのだろうか。
さらに、上記のような法律の定義では、外国にルーツを持つマイノリティはヘイトスピーチから保護されるのに対し、日本にルーツをもつマイノリティへのヘイトスピーチは規制されないことになる。
例えば、日本の先住民族であるアイヌ民族や琉球・沖縄の人々、また被差別といった国内のマイノリティに対してヘイトスピーチをしても適用対象外とされることも大きな問題だ。
人種差別撤廃条約は人種差別を「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づく」(同条約第1条)差別と定義している。これにならって、すべての民族的、世系上のマイノリティを対象とするべきだ。
国がこのような法律をつくるとき、一部のマイノリティだけを保護し、他のマイノリティを保護しない、という施策を決めることは、保護の対象とされなかったマイノリティを一層深刻な立場に置くことになる。あたかも、そうした者は保護に値するものでないと国が言っているに等しい。
それは、新たな差別をもたらすことになる。特にこの法律がヘイトスピーチという深刻な人権侵害に関するものであることを考えるなら、その影響は深刻である。
■実効性に乏しい内容
さらに、本法案は、前文で「不当な差別的言動は許されないことを宣言」しながら、本文では「本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない」(第3条)として、努力義務を定めるにとどまる。
どこにもヘイトスピーチは違法、禁止する、という文言がないのは、様々な場面において、果たして有効にマイノリティを保護しうる法律なのか、という実効性に疑問を呼んでいる。
この点、人種差別撤廃条約は、締約国に対して「すべての適法な方法により、いかなる個人、集団又は団体による人種差別も禁止し、終了させる」義務を課している(2条1項(e)等参照)のであり、実効性のあるヘイトスピーチ抑止のために、「違法」若しくは「禁止」の文言を明確に規定する必要がある。
また、本法案は7条までしかない短い法律で、施策として掲げられているのは相談体制の整備、教育、啓発だけである。
被害救済の具体的措置は明確とは言えず、深刻になっているインターネット上のヘイトスピーチへの対応なども抜けている。
そして現実に役割が求められる地方公共団体の責務が、「努力義務」に過ぎない点も問題である。相談体制の整備、教育の充実、啓発活動等ですら努力義務に過ぎないとされているので、本法案の掲げる施策は実効性に乏しいという懸念がある。
この点、2016年4月に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)では、「国及び地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、障害を理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。」とし、国と地方公共団体に「努力」以上の「実施義務」を課しているので、どうして同様の法律にできないのだろうか。甚だ疑問である。
自公ヘイト法案も、障害者差別解消法にならって、地方自治体に不当な差別的言動の解消に向けて充実した施策の実施を義務付けるべきである。
■ 差別解消への第一歩となるか。
私たちとしては、 今後、与野党の協議を通じて、修正が図られ、実効的なヘイトスピーチ対策の立法が実現することを強く求めたい。
特に、適法居住要件に対しては、これまで述べてきた通り、人権上極めて問題がある規定であり、なんとしても、修正してほしい。
与野党の責任者が、こうした問題提起を真摯に受け止め、修正を進めていかれることを強く期待する。
そして、この法律案が成立しても、これはあくまでも人種差別撤廃法制の最初の一歩に過ぎない。根本的な解決のために、人種差別撤廃委員会が勧告するとおり、ヘイトスピーチ以外の人種差別にも対処する包括的差別禁止法の制定を推進していくことが必要である。

参考:
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウでは、2014年にヘイトスピーチ被害の実態調査を行い、調査報告書を公表、深刻な被害実態を明らかにし、包括的な差別禁止法の制定などの対応を政府に勧告しています。
「在日コリアンに対するヘイト・スピーチ被害実態調査報告書」
この概要に関するヤフー個人記事はこちら。
「ヘイトスピーチはそれを受けた人々にいかに恐怖を与え、心の傷を残すのか。人権団体調査報告書を公表」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20141201-00041110/
・冒頭の写真は、ヒューマンライツ・ナウが行った許さないヘイトスピーチ・フォトアクション・キャンペーン(2014年12月参加者の方々のコラージュ・撮影協力 志葉玲氏)

伊藤和子 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長
1994年に弁護士登録。女性、子どもの権利、えん罪事件など、人権問題に関わって活動。米国留学後の2006年、国境を越えて世界の人権問題に取り組む日本発の国際人権NGO・ヒューマンライツ・ナウを立ち上げ、事務局長として国内外で現在進行形の人権侵害の解決を求めて活動中。同時に、弁護士として、女性をはじめ、権利の実現を求める市民の法的問題の解決のために日々活動している。ミモザの森法律事務所(東京)代表。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20160422-00056778/

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坂本龍一が語る、映画『レヴェナント』の本質 「“自然の視点”こそが本当のテーマ」

2016-04-23 | 先住民族関連
リアルサウンド2016.04.21

 日本を代表する音楽家・坂本龍一が音楽を手掛けた映画『レヴェナント・蘇えりし者』が4月22日より全国公開される。本作は、狩猟中に瀕死の重傷を負い、荒野にひとり取り残されたハンターのヒュー・グラスが、最愛の息子を殺した仲間へ復讐するために大自然を生き抜いていくサバイバル映画。本年度のアカデミー賞では、主演のレオナルド・ディカプリオが悲願の主演男優賞を獲得し、監督のアレハンドロ・G・イニャリトゥが2年連続2度目の監督賞、撮影監督のエマニュエル・ルベツキが3年連続3度目の撮影賞を受賞した。病気療養のため、音楽活動を休止していた坂本にとっては、昨年公開された『母と暮らせば』に並ぶ復帰作となる。「自然」や「孤独」をテーマにした本作に、療養中だった坂本はどう向き合い、音を作り上げていったのか。制作過程の状況や、映画音楽についての考え方について話を聞いた。
「負の感情が“強い生命力”に繋がるというのはなかなか面白い」
ーー本作からは「自然と人間の戦い」、あるいは「先住民族と開拓者の戦い」「人間の生命の神秘性」など、様々なテーマを感じることができます。音楽を手がける際にどんなことを意識したのか教えてください。
坂本龍一(以下、坂本):僕は初めてこの作品を見たときから主役は「自然」だと思っていました。壮大な自然の中に、人間の復讐という非常に小さなドラマがある。劇中でヒュー・グラス(ディカプリオ)は、瀕死の重傷を負いながらも、何百キロも旅をしてフィッツジェラルド(トム・ハーディ)に復讐を成し遂げますが、最後は虚しい感情にとらわれて終わってしまう。ヨーロッパやアメリカのいくつかの評論家から、この作品は復讐を目的としたシンプルなストーリーと評されているように、復讐もドラマの核のひとつだとは思います。しかし、それよりももっと大きい、人間を掌の上で見ているような「自然の視点」こそが本当のテーマだと僕は感じていたので、音楽に関しても特にそこを意識しています。
ーー療養中に今回のオファーがあったということですが、主人公ヒュー・グラスの懸命に生きようとする姿勢に対して、なにか思うところはありましたか?
坂本:依頼を受けた時は、まだ体調が半分くらいしか回復していない時期だったので、体調を回復させることと、この映画を完成させることを並行して行う必要がありました。やはり、それはすごくきつかったです。映画についていえば、僕自身は療養中にあまりそう感じなかったものの、負の感情が“強い生命力”に繋がるというのはなかなか面白い。トム・ハーディーが演じていたフィッツジェラルドも、一見悪党に見えるが実はそうではない。彼は彼なりに、過酷な自然の中でプラグマティックに生きようとしているだけで。そういう部分が、本作を単純な善悪の戦いではなく、もう少し複雑なテーマにしているのだと思います。
ーー音楽を制作する際にイニャリトゥ監督とはどんなやりとりを?
坂本:本来であれば、クリント・イーストウッドやチャールズ・チャップリンみたいに、必要としている映画音楽を自分で作れてしまうのが一番良いでしょう。ただ、それが困難なため僕らに依頼するわけで、僕らの役目は彼らが作ろうとしているものを、できる限り忠実に実現してあげることだと思っています。ですから、彼が何を望んでいるのか、やりとりの中から反応を見ながら想像していく必要がありました。イニャリトゥからは最初の段階で全体の方向性は聞いていたのですが、音楽を口で表現するのはどこの国でも難しく、彼自身も音で表現することはできないので、そこに翻訳作業が発生します。イニャリトゥの要望に近い既成の音楽を聴いてみたり、彼が提案してくる音楽に対して僕がこういう方がいいのではないか、と意見を交換し合うこともありました。しかし、人の気持ちは当然理解し難いものなので、何度も言葉を交わし、実際に音を聞かせ、密にやりとりを重ねていきました。
ーー電子音と楽器の生音をあわせて使っているのが印象的でした。
坂本:普通の楽器の音と電子音を融合させてほしい、というのは監督からの強い要望でした。それに、音と音の“間”を積極的に表現として取り入れたり、音楽とも言えないような最小限の音の動きを作っていくことも、最初から最後まで一貫していますね。広大な雪原の中にぽつんと取り残された時の孤独感や無力感、緊張感なども音楽のテーマになっていました。おそらく実際に広い雪原の中に身を置くと、無音が周囲を包み、自分の息や心臓の鼓動だけが聞こえてくるような状況になると思います。そんな音の空間が劇中でも作られていたので、音楽もそれに寄り添うような形にしていきました。ディカプリオの荒い息づかいや風のざわめきを映画音楽の一部として扱い、その中で最小限の音楽がゆったりとした間を持って切れ切れに聞こえるくらいのものをつくりたい、というのが監督と私がやりたかったことです。もしここに情緒的でメロディアスな音楽が付いていても合わなかったでしょうね。
ーーポップスと映画音楽では、作る際にどんな違いがありますか。
坂本:目的が違うのでそれぞれ大きく異なりますが、強いて言うのであればポップスは制限がある中で作っていますよね。たとえば、時間は長くて5分程度でまとめてあったり、大体の曲にはメロディと歌が付いていたり、なんとなく決まった形式があります。僕が過去に手掛けた曲のように、器楽曲でもポップスのように売れることも稀にありますが、今のところノイズだけの音楽などがポップスとして成立することは難しい。一方、映画音楽は映画ありきなので幅広い可能性があります。ジャンルに関係なく、古今東西の音楽を使うことが可能な上、ノイズだけやほぼ無音ということもあり得ますし、こうしなければならない、というルールが一切ありません。そう考えると、はるかにポップスの方がルールに縛られているな、と随分前から感じていました。ただ、実際の音作りでは、同じリズムマシンやプラグインを使っていくので、似通っているところはずいぶん多いと思います。
「僕らの予想を越えた楽しみ方をしてくれるのも面白い」
ーー作曲は、ある程度完成した映像を観てから始めたのでしょうか?
坂本:本当は完成した映像を観て作るのが理想的ですが、今回は作品がどんどん変化していく中で作曲しました。コンピューターのOSにたとえると、バージョン0から始まって、最終的には8.5くらいまでいったのですが、その間に新しい場面が付け加えられたり、順番が入れ替わったり、場面が消えたりするわけです。仮に作り終えた音楽だったとしても、映像にあわせて再度調整する必要があるので、その調整と新たに生み出す作業を同時に行っていました。調整に手間をかけていたら、新しい音楽を作るための時間がなくなってしまうこともあって……よくあることですが、今回も大変な作業でしたね。
ーー最後に、坂本さん自身の映画の楽しみ方やコツを教えてください。
坂本:映画の楽しみ方は自由なものであって、どんな楽しみ方をしてもらっても良いと思います。こうした方が良いということは言えないし、むしろ僕も教えてもらいたいですね(笑)。たとえば、ずっと目をつむって観ても良いし、ずっと耳を塞いで観ても良い。僕らの予想を越えた楽しみ方をしてくれるのも面白いと思います。ただ、スクリーンに映っているものだけが映画ではなく、映っていないところに何百人ものスタッフがいて、ありとあらゆる技術が使われている。もしカメラに興味があるのであれば、映像のつながりやカメラの動きを観察したり、物語に興味があれば脚本の書き方を考えてもいい。そのほかにも、音や演技などに着目するのもいいでしょう。それを統括するのが監督で、すべてを理解しながら、アイデアを出しながらリードしていく。ものすごい知識と総合的な能力が求められる役割なので、そこを考えながら見るのも楽しいのでは。僕も『シェルタリング・スカイ』という映画の音楽を作っていた時、ふとカメラの動きを追いかけるようになって、そこから映画がまったく別のものに見えるようになった。寄りや引きのカットひとつにしても、そこには映像監督と監督による独特の決断があって、どのタイミングにどのくらいの時間をかけて、どのアングルから撮っていくのか、すべての動きに意思が込められていて偶然はない。そこには実に深い哲学を感じることができるから、映画を読み解くのは奥深いものだと僕は思います。
映画「レヴェナント:蘇えりし者」坂本龍一 音楽版予告
https://youtu.be/Pqdq-k5Zg90
(取材・文=泉夏音)
■公開映像
『レヴェナント:蘇えりし者』
4月22日(金)TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディほか
(c)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/revenant/
http://realsound.jp/movie/2016/04/post-1505.html

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大型連休前に企業や団体職員などが清掃奉仕 白老ポロト地区

2016-04-23 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 (2016年 4/22)
 白老町のポロト地区で20日、春の清掃活動(白老観光協会主催)が行われ、町内の企業や団体職員など約50人が参加した。大型連休を控え、美しい自然を観光客に楽しんでもらおうと毎年実施している。参加者は春らしい景色を楽しみながら散策路などに落ちているごみを拾い集めた。
 清掃活動には町職員やアイヌ民族博物館、胆振東部森林管理署などの職員が参加。観光協会の高橋次郎会長は冒頭あいさつで「本格的な観光シーズンが始まる。より一層ポロト地区をきれいにして昨年以上に多くの人を迎えたい」などと述べた。
 参加者はグループごとに分かれて1周約6キロの湖畔周辺の散策路を念入りに清掃。今年は例年よりもごみの量が少なく、「今年はきれいな春ですね」と話す人もいた。また、林の中を分け入ったり湖の水際まで活動する人もいるなど、約1時間にわたり環境美化に努めた。
http://www.tomamin.co.jp/20160437710

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新井満さんが「イランカラプテキャンペーン」応援ソング制作

2016-04-23 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 (2016年 4/22)

知事にCDを寄贈する(左から)新井氏と秋辺氏
 渡島管内七飯町に住む作詞作曲家新井満(まん)氏が、アイヌ民族でユーカラ劇脚本・演出家の秋辺日出男氏(釧路市阿寒町)と共同で「イランカラプテキャンペーン」応援ソングを制作、21日、その楽曲が入ったCDを知事に寄贈した。音源使用権も道に無償提供され、道は応援ソングを通し、アイヌ語で「こんにちわ」の意味を持つイランカラプテのあいさつを広く普及させていく予定だ。
 応援ソングは「イランカラプテ~君に逢えてよかった」のタイトルが付き、新井氏と秋辺氏が作詞、新井氏が作曲と歌を担当した。1~3番の構成で壮大な北海道をイメージするような、全体的にゆったりとした曲の流れになっており、「完成までに3年かかった」(新井氏)という労作だ。
 贈呈したCDには、式典などのBGMに使えるオーケストラの演奏やカラオケバージョンも収録されている。知事は「耳にすっと入ってくるメロディー」と絶賛。「いろいろな場面で大切に活用していきたい」と感謝の言葉を述べた。
 新井氏は、ロングセラーになっている「千の風になって」の作曲者で、同曲で日本レコード大賞作曲賞を受賞。作家としても活躍し、「尋ね人の時間」で芥川賞を受賞している。
 3年前に初めて耳にしたイランカラプテの言葉に、「単に『こんにちわ』という意味にとどまらず、『もしできるなら、あなたの心にそっと触れさせて』という奥ゆかしく控えめな言葉。そんな言葉があると知り、感動した」と作曲の経緯を語り、「一度聞いただけで子どもからお年寄りまで覚えられるメロディー。『千の風になって』と同じように幅広い人たちから支持が得られれば」と話した。
 秋辺さんも「きれいな曲。イランカラプテの語呂はリズムにはまりずらく、『プ』の発音が難しい。そこを本当にうまくはめていただいた」と楽曲の出来上がりを高く評価した。
 イランカラプテキャンペーンは、道アイヌ協会や道経産局など産学官組織が北海道のおもてなしの言葉として普及させ、アイヌ文化に関心を高めてもらおう、と2013年度から取り組んでいる。道アイヌ政策推進室は今後、寄贈されたCDを無料貸し出しする。問い合わせは電話011(204)5185。
 楽曲「イランカラプテ」の歌詞は次の通り。
遠い町から はるばると
よく来てくれたね 旅人よ
ここは 森と湖の大地
鳥は歌い 風は大空を吹きわたる
イランカラプテ イランカラプテ
君に逢えてよかった
今日はいい日だ
遠い国から はるばると
よく来てくれたね 旅人よ
ここは 雪とぬくもりの大地
いのちの河は ゆったりと流れる
イランカラプテ イランカラプテ
君に逢えてよかった
今日はいい日だ
http://www.tomamin.co.jp/20160437689

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文化部長、台湾原住民文化「紋面」の保有者を訪問 慰問金贈呈

2016-04-21 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾 2016/04/20 14:25

苗栗県政府提供
(苗栗 20日 中央社)洪孟啓・文化部長は19日、台湾原住民(先住民)タイヤル族の集落がある中部・苗栗県泰安郷を訪れ、同県に2名しかいないタイヤル族伝統の「紋面」保有者と対面した。洪部長は、紋面は台湾原住民の優れた美徳と美しさの象徴だと称賛し、文化保護への取り組みについて語った。
紋面とは、顔に施した刺青。かつてのタイヤル族やセデック族、タロコ族にとって最も重要な文化表象とされ、民族の識別や成年の証、勇ましさや才能の表彰など重要な意味合いを持っていた。だが、日本統治時代にこの風習は禁止され、紋面保有者は現在では台湾全土で6人しか残っていない。地域別では苗栗県2人、花蓮県4人。
この日洪部長が訪問したのは、同郷大興村に住む簡玉英さんと梅園村在住の柯菊蘭さん。2人には慰問金が贈呈された。
文化部文化資産局は苗栗県、花蓮県と共同で今年から紋面文化保護の取り組みを開始。保有者の口述記録や撮影を行い、今年11月には保有者6人の物語を紹介する書籍を出版する。
(管瑞平/編集:名切千絵)
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201604200007.aspx

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平和モニュメント除幕式 豪州フリーマントル市贈る

2016-04-21 | 先住民族関連
読売新聞 2016年04月20日
 長崎市の平和公園で18日、豪州フリーマントル市から寄贈された平和モニュメントの除幕式が行われた。同国では1950~60年代、核実験が繰り返された歴史があり、両市の関係者が核兵器廃絶に向けて取り組んでいくことを誓い合った。
 フリーマントル市は、長崎市と同じく平和首長会議に加盟。昨年の被爆70年に合わせて市民から要望があり、モニュメント寄贈を決めた。豪州では、英国による核実験で先住民族アボリジニが居住地を追われるなどの被害を受けた。
 タイトルは「生命の木 平和の贈り物」。豪州の彫刻家でアボリジニでもあるジョン・ターピー氏とスティーブン・ハリソン氏が制作した。核実験後の風景を引き裂かれた木で表現し、先端には独特の形をした現地の皿を配置している。
 式には、両市の関係者や被爆者団体代表ら計約40人が出席し、長崎原爆とともに熊本地震の犠牲者の冥福を祈って黙とう。フリーマントル市のジョシュ・ウィルソン副市長は「モニュメントは、戦争がひどい損失を生み出し、害を及ぼすことを忘れていないことの証しだ」とあいさつした。
 同公園に海外から贈られた平和モニュメントは、2006年にニュージーランドから贈られた作品に続いて16基目となる。
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20160419-OYTNT50072.html

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「グリモア~私立グリモワール魔法学園~」久保ユリカさん演じる「浦白七撫」が登場!

2016-04-21 | アイヌ民族関連
Gamer-2016年4月20日 17:35

久保さん出演のWEB限定CMも公開

アプリボットは、iOS/Android用アプリ「グリモア~私立グリモワール魔法学園~」において、本日4月20日に新キャラクター「浦白七撫(うらじろなな)」を実装、あわせてWEB限定CMを公開した。
新たな新入生として、声優・久保ユリカさんがキャラクターボイスを担当する「浦白七撫(うらじろなな)」が登場。浦白七撫は東北守備軍特殊魔法隊という、日本国軍の特殊部隊に所属していたアイヌの少女で、少し天然なところも見られる女の子だ。
また、浦白七撫の登場を記念し、久保さんが出演するWEB限定CMもYouTubeにて公開。本CMでは久保さんが学園生に“デレ”たり、グリモア世界に魅入り“ハッ”と驚くなど、本作のプレイヤーなら一度は体験したことのある経験が描かれている。久保さんのくるくると変わる表情や、かわらしい驚きの声に注目だ。
また、期間中にゲームにログインした人全員に「R 浦白七撫」がプレゼントされるほか、抽選で1名に久保さんの直筆サイン色紙が贈られるキャンペーンも開催されている。

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道新幹線開業後初のGW 関連旅行商品が人気

2016-04-21 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 (2016年 4/20)
 ゴールデンウィーク(GW)が近づく中、旅行や観光業界の動きが活発化している。今年は平日の2日間を休めば、29日から5月8日まで最大10連休に。北海道新幹線開業後初のGWとあって、苫小牧市内の旅行会社も新幹線利用のパック商品の売り込みに力を入れ、予約も好調だ。胆振や日高の観光地も、集客に向けたさまざまなイベントをアピールしている。
 JR北海道旅行センター苫小牧支店は3月26日開業の北海道新幹線を利用した旅行パックを用意。「一度は乗ってみたいという人が増えており特に中高年層からの予約、問い合わせが多い」と斉藤雅人支店長は手応えを話す。GWは東北、道南で桜の季節を迎えるため、青森などを新幹線で訪ねる「桜の旅パック」が売れ行きを伸ばしているという。
 近畿日本ツーリスト苫小牧支店では、2泊3日程度の商品が好調。定番の東京ディズニーランドや、映画テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)が特に人気だ。一方、海外旅行は、「ヨーロッパ方面はテロ事件が相次いだ影響からか振るわず、台湾など日本から近い国を選ぶ人が多い」と言う。
 日本旅行苫小牧支店でも、函館方面や東北といった近場の1泊2日程度のパックが売れている。北海道新幹線利用の商品に関心を寄せる客も多いが、「新幹線駅の函館北斗駅へのアクセスを考え、まだ様子見のお客さんも。夏休みや秋の行楽期に向けて商品の動きが活発になるのでは」とみている。
 苫小牧をはじめ胆振日高の観光施設や行楽地も、GWの行楽期に合わせたイベントを企画し、集客を期待する。
 苫小牧市美沢の観光施設ノーザンホースパークは、スタッフによるサラブレットガイドなどを企画。5月3~5日は特別企画のポニー、サラブレッドショーも行う。同パークは「今年のGWは最大10連休になり、北海道新幹線の開業もあって道内でゆっくりと過ごす観光客も多いのでは」と推測し、同施設への入り込みを期待。市内植苗の道の駅ウトナイ湖も「科学の鉄人サイエンスショー」(5月1日)などGWイベントを用意し、来場を呼び掛けている。
 行楽客にアイヌ民族の文化を知ってもらおうと、白老町のアイヌ民族博物館は、伝統儀式を紹介する「春のコタンノミ~集落の祈り」(30日)など10事業を予定。登別市の登別マリンパークニクスでもペンギンパレードやイルカ、アシカショーなどのイベントを展開する。
 今年の桜前線の到来は例年より早く、道央や道南ではGW中に満開を迎えそう。桜の名所として知られる新ひだか町静内の二十間道路桜並木は、平年より5日ほど早い5月1日ごろに開花する見込み。第53回しずない桜まつり(5月1~8日)の準備を進める実行委員会は「GW中に満開となりそう。多くの人に見てほしい」。
 札幌管区気象台の1カ月予報によると、GW期間中に当たる30日~5月13日の道内の天気は、太平洋側で晴れの日が多く、日本海側やオホーツク海は数日の周期で変わる見込み。気温は全道的に平年より高いと予想している。
http://www.tomamin.co.jp/20160437615

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