火星への道

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良い目標が良い結果をだす!

2010-05-09 07:42:31 | NASA
5月7日付けの日経新聞の電子版に「火星有人探査の狙いは?」と題して中冨信夫氏(宇宙工学アナリスト)へのインタビュー記事が載っていました。

詳しくは、下記にて
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A9C93819696E1E2E2E1948DE2E4E2E7E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E0E5E2E3E0E2E3E2E1EAE4E2

中冨氏の発言のポイント
①アメリカの宇宙政策について
「火星という要素を入れることで宇宙政策の活性化を狙っている」
②財政事情との関係で
「火星有人探査のスケジュール調整で対応可能」
「とてつもない構想で国内の総力を結集してすさまじいエネルギーを出す」
③中国への対抗意識は
「十分にある」
④日本について
「政府間協力より、企業買収などの可能性がある」
「日本も独自の有人宇宙船開発の態勢ををとる必要がある」
⑤火星探査について
「1990年代前半までにNASAが検討していたプランなどが参考」
「課題が多いが、それに挑むことがイノベーションに繋がる」

以下、私見を述べます。
①②については、同感です。アポロのときも、あの計画によって多くの人が宇宙そして科学への関心を高めたと思います。
アポロで得た成果は、結局焦げ付かないフライパンだけと言う酷評もありますが、多くの人に感動を与えた、そしてその後の科学の進歩にも貢献したことは、間違いないことだと思います。
ハッブルの修理についても多くの科学者と一般の人たちの支持があったため修理が実施されたことは、記憶に新しいと思います。

詳しくは、下記にて
http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/hubble_space_telescope.html

③については、なぜ日経さんが特に中国に限って質問しているのか?その意図のほうに興味がありますね。
オバマさんが4月17日にわざわざNASAの Kennedy Space Center(Florida)まで行って、強調したのはアメリカのリーダーシップを強める決意だったと思います。
現在、火星を目指しているのは、中国だけではなくヨーロッパ、ロシアも同様です。
特に、ロシア主導でヨーロッパ、中国が参加して5月末から「MARS500」という火星有人探査のシュミレーション実験が開始されます。
④の日本の産業構造が脅かされると言うことは、かなりありそうなことです。一部では、「日本民族は農耕民族で、冒険など向いていない」という民族論を語る人もいるのはどうかと思います。
日本が世界に貢献しなければ、世界はどうなるのだ!というくらい日本民族の力を信じて欲しいものです。
⑤の火星有人探査計画が「1990年代前半までにNASAが検討していたプランなどが参考」ということですが、マーズ・セミ=ダイレクト計画拡大版のことをさしているのでしょうかね?
1989年7月20日ジョージ・ブッシュ大統領が(今回のオバマさんと同じように、決意を示す効果を狙って)国立航空宇宙博物館正面入り口で「宇宙ステーション建設、月への回帰、そして火星有人ミッション」を盛り込んだ宇宙探査構想を発表したのを受けてNASAが最初に「月と火星の人類探査に関する90日研究レポート」(概算費用4,500億ドル)を発表しましたが、余りの高額な予算のため結果としては、有人探査に対する障害となってしまいました。それを打破する為にマーズ・ダイレクト案(火星協会のズブリン会長案を取り入れた)がNASA内で検討され、いろいろな折衷案としてマーズ・セミ=ダイレクト計画拡大版が纏まった時、ニューズウィークの1994年7月の表紙を「有人火星ミッションはいかが?、テクノロジーはもうお待ちかね。お値段は500億ドル」と紹介されたそうです。
「月と火星の人類探査に関する90日研究レポート=Report of the 90-day Study on Human Exploration of the Moon and Mars」
「マーズ・セミ=ダイレクト計画拡大版=Expanded version of the Mars Semi-Direct plan」
2004年1月に息子のジョージ・ブッシュが示した「コンステレーション計画」も火星有人探査に関しては、似たような計画ですが、月基地建設が余計でした。
今回、オバマさんによって無駄な月基地建設が否定されたことでマーズ・ダイレクトになったということですね。
4月24日の当ブログで紹介しましたように、ズブリン会長は、より安価で早く火星有人探査が実施できると主張してます。

火星に行く努力をすれば、月にはより簡単に行けるようになるということに共感します。
何はともあれ、火星有人探査が現実味を帯びていくのは期待できます。日本も乗り遅れないよう頑張りましょう。
コメント
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