火星への道

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読んでます!宇宙進出の人間ドラマ

2012-01-07 23:05:09 | 火星協会


みずもとさんが風虎通信からソユーズの本を出されましたので紹介します。
ソユーズの1967年から2011年までの44年間に亘る飛行記録をまとめたものです。
現在も読んでいる最中ですが、面白いのです。お勧めです。

昨年の12月30日コミケへ出かけて入手しました。
この本を下敷きにしてソユーズの記録映画かアニメの面白いものが出来ると思いますよ。
どなたかスポンサーになって欲しいものです。

資料として貴重な記録でもあり、しかしながら単なる記録ではなく色々な人間ドラマが垣間見られます。
とにかく多くの人が宇宙へ行って、それぞれが人間味のある行動をしていることが伝わって来ます。
運の良い人、運の悪い人がいます。

2人か3人で行く訳ですが、人間関係が微妙に出ているケースが多くありました。
宇宙滞在中、必要以外口をきかなかったクルーや帰還が遅れることに意気消沈して管制部との交信を絶ってしまったり、コンビを組む上司を思いがけない手段で代えさせたりと人間関係の面白さが感じられます。
TBSの秋山さんも登場します。ソビエトのジャーナリストに先んじて宇宙へ行ったとのこと。
ガチャピンも・・・
宇宙長期滞在記録保持者のワレリ・ポリャコフさんも登場します。
通算宇宙滞在記録は、現在ではセルゲイ・クリカリョフさんの803日9時間39分だそうです。

軌道上からの小型衛星の放出も早くから行われていたことを知りました。
軌道上での実験も色々行われており、日本のうずらが持ち込まれています。
数々の船外活動が果敢に実施されており、実験や修理等でかなり経験を積んでいます。
後半は、経済情勢の影響もあり、特にメンテナンスや修理等ミールの維持に時間が取られている様子が描かれています。
ミールに大きな被害は無かったものの流星群の洗礼も受けていますね。
2000年には、ミールが廃棄されISSが中心となります。

打上の精度は高く失敗はほとんど無かったですね。あわやという事態はありましたが、緊急脱出装置でクルーは難を逃れました。
ドッキングの不調が結構多い印象です。でも、失敗しても帰還できる配慮がされているのいることに感心しました。
ドッキング事故もあり、船内火災もありましたが、悲惨な事故にはならず勇敢に切り抜けています。
着陸は、軟着陸とは言えず、かなりハードランディングなので一寸何かあると文字通りハードランディングとなって重症を負うケースもありました。
初期には、死亡事故もありましたが、全体としては安定して運用されていますね。
ESA(特にフランス)とロシアの良好な関係は、早い時期からの連携から来ていることも理解されました。
日頃のお付き合いが大切ですね。

ソ連-ロシアという国家が人類の宇宙への進出のために悪戦苦闘している様子に心打たれました。
犠牲者を出す不幸な事故もありましたが、全体としてコロリョフ以来の人命尊重の精神に貫かれ、そして人間への理解と愛情が感じられます。
もちろん軍事の側面や冷戦を背景に政治的なプロパガンダ的要素もありましたが、必然的に有人宇宙開発は世界平和に繋がるのではないでしょうか?
そう期待してます!
コメント (2)
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