火星への道

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越すに越されぬ大井川 "Dingo Gap,"

2014-01-30 22:30:16 | MSL

久々にWhat'sNewでCuriosityの状況報告がありました。
下図は、Sol526の昼下がりにMastCamの左カメラ(MastCam-34)で撮影したものです。
正面の砂丘が"Dingo Gap," です。高さが約1mで手前のエッジからCuriosityまで約35mです。 

下図は、横とたての向きの2mのスケールバーが表示されたものです。

現在の位置と走行ルートは、下図のとおりです。
約800m先の "KMS-9."が次のドリルをする候補地となっています。
"KMS-9."は、Curiosityが今まで見ていない地形を見れるので魅力的だそうです。
そのひとつは、同じ方向に平行に並んだ細い筋の地形。もうひとつは、筋のない滑らかな地形です。
これらがなんであるかは、今の時点では分かっていないとのことです。
そういったものを探査し、見ることが大きな魅力であるとscience チームのKatie Stackさんが言ってますね。
*Katie Stack: the California Institute of Technology, Pasadena.
そのため可能であれば、時間節約のために "Dingo Gap,"を乗り越えて進みたいのです。
しかしながら、昨年の後半(2013年第4四半期)に走行スピードを上げたため車輪の損傷が激しくなっているようです。
Curiosityチームは、何とか車輪の損傷を抑えるためルートを慎重に選び、地球上では、逆走行や4輪走行などいろいろ検討しています。
更に2月には、週末や夜間走行を実施する計画だそうです。
(期末に向かって残業なんてどこかの国のお役人みたいな・・・) 

一番の目標は、Sharp山に登って当面の目標地点で調査を実施することです。
そのため、Curiosityチームは、斜面でドリルを使う場合のテストも地球上で実施中です。  

Curiosityは、2012年8月に着陸して以来4,890m走行して来ました。
2014年1月1日からは、264.7m走行しています。 
途中のSol514では、下図の "Harrison" という結晶を含んだ岩をChemCamで調査しました。
レーザーショットでの分析を実施したとのことです。(結果は、でていませんね。)
画像は、RMI(Remote Micro-Imaging) cameraによるものです。
RMIからこの結晶までの距離は、2.3mです。この距離ですとレーザーショットで直径0.4mmの範囲を測定可能です。
この狭い測定領域の結果、岩の組成を詳しく確認できます。
細長い結晶は、長石です。一方、母岩は、輝石主体で玄武岩質火成岩の代表的な特徴を示しています。 
 

Sharp山までは、まだ時間が掛かりそうですね。
楽しみに待ちましょう!

コメント
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