10月20日のMarsTodayにSyracuse 大学の科学者が地球や火星で水が何時存在したかを決定する為の新しい方法を発見したということが載っていました。
ネタ元は、Syracuse 大学のサイトです。
「Earth and Planetary Science Letters」の10月号(310巻)にSuzanne Baldwin(Syracuse 大学の科学と技術学部の教授)とJoseph Kula(研究者)が共同で発表したそうです。
Syracuse 大学は、ニューヨークのマンハッタンにあります。
ジャロサイト(jarosite)は、鉄の硫酸塩鉱物で酸性の水の存在で形成される岩石です。
酸素、鉄、硫黄、カリウムおよび水の適度な混合が存在する場合、鉱物は生じます。
ジャロサイトの形成には、水が必須ですが、湿潤な環境下では急速に分解する為、ジャロサイトの保存には乾燥しているほうが良いのです。
ジャロサイトを調査することで、火星の水がいつ頃そしてどの期間、存在したかを知ることが出来るというのです。
その鍵は、アルゴンにあるとのことです。
ジャロサイトが一旦形成されたならば、結晶の中でカリウム同位体の崩壊によってアルゴンを蓄積し始めます。
カリウムの崩壊は、既知の割合で生じる放射性のプロセスですので、結晶内に閉じ込められているアルゴンの同位体の測定によって、科学者は、結晶の年代を決定することができる訳です。
研究陣は、ジャロサイトにアルゴンがどの位の期間、閉じ込められているかを実験とコンピューターでのシュミレーションによって調べ、火星の表面温度の範囲で十分に長期間に亘って結晶の中にアルゴンが閉じ込められていることが予測されました。
この結果によって、火星の40億年前のジャロサイトが手に入れば、その中にアルゴンを発見できるし、40億年間の気象条件が記録されていることが期待できるとのことです。
ジャロサイトは、Oppotunityが火星で既に発見しており、2004年にNatureでレポートされていますね。
それによりますと、ジャロサイトは鉄ミョウバン石というもので、地球上のジャロサイトは、地質学的な時間(長期間ということですね)でみれば乾燥環境にしか存在しないとのことです。
その理由は、より湿潤な気候では、ジャロサイトは急速に分解してオキシ水酸化鉄になってしまうとのことですね。
現在、Syracuse 大学の科学者は、5000万年未満前にワイオミングのBig Horn盆地に生じたジャロサイトの詳細な検討を行なっています。この研究で、鉱物はいつ、形成されたか?そして、湿潤な環境が乾燥した環境へどう変化したかを明らかにしようとしてます。
この結果は、当然火星での探査に生かされるでしょう。
下記は、スペインのRio Tintoにあるジャロサイトだそうです。
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1 コメント
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- nature (観無量)
- 2011-10-25 09:23:46
- natureの記事ですが、記事内のリンクだと素直に繋がりません。良くチェックできず申し訳ないです。Google検索などで「ジャロサイト」を検索いただいてそこからnatureの記事にアクセスすると繋がります。または、natureに会員登録していただくしかありません。
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