GIZMODOさんで、「火星に巨大な氷床を発見。水量は北米最大スペリオル湖以上かも」という記事が載ってましたので、紹介します。
詳しくは、こちらです。
ネタ元は、「Geophysical Research Letters」です。
記事によりますと、テキサス大学オースティン校の博士課程学生Cassie Stuurmanさんのチームが、NASAのMRO(Mars Reconnaissance Orbiter)搭載の火星の地下探査用レーダー、SHARAD (Shallow Subsurface Radar)のデーターを分析して、ユートピア平原の地下に大量の水の氷を発見したとのことです。
場所は、ユートピア平原の西側の地下1mから10mです。
推定量は、14,300 km³にもなります。
当ブログ2015年5月3日「中緯度に氷河が!しかも、動いている!」でも南北の緯度30°~50°の範囲の地下に大量の水があることが証明されています。
これも、MROのSHARAD のデーターから導き出したものです。(コペンハーゲン大学の研究者です。)
北緯30°~50°というとユートピア平原が含まれています。
いよいよ、水の存在は確かなものになってきましたね。
--------水に関するアレコレ-----------
その1:東京都の2018年12月6日現在の貯水量は、合計で611,192km³ですので、今回発見された氷床は、その2.3%となります。
12月5日の1日の配水量は、4,350km³でしたので、約3.3日分となります。
一見少ないようですが、東京都の人口は、2015年11月時点で、13,646,374人でした。それ以外に大きな工業地帯とビジネス街、娯楽施設を抱えた大都市です。
配水量で単純に比較すると13,646人だったら3,300日分、14人だったら3,300,000日分(約9千年分)の埋蔵量に相当しますね。
東京都での個人の水使用量は、2014年の統計で平均220リットル(約0.22m³)です。
でも、使用内容をよく見ると洗うことに大量の水を使用していることが分かります。
この水は、節約も出来るし、火星でも水の再生システムで再利用することになりますので、10,000人規模の工場や娯楽施設を備えた都市を作ることが可能になるかもしれません。 (水に関して言えば、100万人でも可能かも・・・)
その2:火星の地下の氷の利用法は、既に研究が始まっています。
10月14日発表のJAXAの「第2回 研究提案募集(RFP)結果」の中に「マイクロ波凍結乾燥技術(氷から水をつくる技術)」がありました。
詳しくは、10月24日の化学工業日報とJAXAの記事をご覧ください。
*日刊工業日報からの引用:マイクロ波化学はこのほど、マイクロ波を用い、月や火星で地中の氷から水を作る技術の開発を始めると発表した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究提案募集に対し、東京工業大学と共同提案が採択された。まずは地球上で技術を確立し、将来、月や火星での実証を目指す。
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*ますます、有人火星探査の実現性が高まってきました。
火星の風景が下図のようになることがあるのでしょうか・・・