「チューブ・オーディオ・ラボ」(新潟県)さんから改造していただいた真空管式「2A3シングル」アンプ。出力管は2A3の中でも希少管と言ってもいい「VISSEAUX」(フランス:刻印)だし、放送局仕様の大型出力トランス(タムラ)もポイントである。
日記をめくってみると去る6月30日に我が家に到着しているのでちょうど4か月経ったことになる。
流石に歴戦のプロの手になるものなので「2A3」専用回路の採用など独特のノウハウも相まって「非の打ち所がないアンプ」と言いたいところだが、唯一、物足りないところがあって、それは低音域の伸びがもっと欲しい~。
もちろんアンプの長所も欠点もスピーカー次第のところがあって、両者は持ちつ持たれつの関係にあるが、我が家の場合は低音域が比較的薄めのスピーカーがAXIOM80を筆頭に多いことからその傾向が余計に目立つ。
ドスンとかドカンとかいう鳴らし方にはとうの昔に縁を切ったが、それにしてももっと音の重心を下げたいところだ。
とうとう思い余って製作者のKさんにぶつけてみた。
「例の2A3アンプですがとても鮮度が高くて気に入っているのですが、もっと音の重心を下げる方法がありませんかね。難しいですかね・・・。」
すると「ああ、それなら簡単ですよ。カップリングコンデンサーの値を上げればいいです。ちょっと回路図を調べてみましょう・・・。0.22μF(マイクロファラッド)のコンデンサーを使ってますが、0.47μF程度ならいいと思います。ブランドとしては【ビタミンQ】クラスなら言うことなしですが。」
Kさんは完成したアンプのテスト用として低音域が豊かなタンノイさんのオートグラフを使用されているので、比較的「低音過多を警戒した音づくり」をされているような気がすると、Kさんの名誉のために援護しておこう(笑)。
「ビタミンQなら持ってますよ。たしか、0.22μFを2個持ってたと思います。これをパラってハンダ付けしても構いませんかね?」
次の画像がSPRAGUEのビタミンQ。
「はい、それでも結構です。コンデンサーの極性はありません。アンプの裏ブタを開けると、出力管のソケットのすぐ近くのコンデンサーがそれです。(簡単な作業ですから)わざわざ送り返すほどのこともないでしょう。ご健闘を祈ります。」
トホホ~(笑)。
音質に多大の影響を与えるというウェスタンの配線材を使い、きちんと整理整頓が行き届いた回路なのですぐにお目当ての個所が分かった。
おぼつかない手つきでハンダごてを握ってようやくビタミンQを2個取り付けた。これでカップリングコンデンサーの値が「0.22μF」から「0.44μF」(耐圧400V)になったはずだ。
さあ、いよいよ音出し。低音域の量感が以前より増えることはたしかだが、どのくらいのものかなあ。
ハラハラ、ドキドキ、ワクワクしながら聴いてみると・・。
バッチリだった(笑)。こんなことなら早く相談して手を打つべきだった!
これで晴れて「2A3シングルアンプ」が我が家のエース級に仲間入り~。
このところ恐ろしいほど打つ手打つ手がピタリと当たるのはいったいどうしたことか(笑)。