先日のブログ「音の重心を下げる方法~その1~」(2017.11.2)では、真空管アンプのキーポイントの一つ「カップリング・コンデンサー」の値を変えることでうまくいった事例を紹介した。
今回は視点を変えてスピーカー側から音の重心を下げてみようと挑戦してみた。
次の画像は木製の植木鉢をウッドホーン代わりにフィリップスのユニットを取り付けたものだが、これは過去のブログでも紹介したとおり。
これをフルレンジで楽しんでいたのだが、ふと思いついて「AXIOM80の低音補強に利用したらどうなんだろう」。
幸い、手元にはムンドルフ(ドイツ)のゼロ抵抗コイル「8.2mh(ミリヘンリー)」がある。
「クロスオーバーネットワーク周波数早見表」を覗いてみると「8.2mh」の場合、およそ160ヘルツ(6db/oct)あたりをハイカットできる計算(8Ωの場合)になる。つまり、160ヘルツ以下の帯域をサブウーファーとして活用しようという魂胆である。
普通、サブウーファーといえば箱に入っており、独特の「こもった音」が何とも嫌らしく感じて興趣を削いでしまうが、今回の場合は裸なのでユニットの特性がモロに発揮されるとあってとても好ましそう。
理屈は抜きにしてやってみなくちゃ分からんというわけでチャレンジしてみた。
くどいようだが「AXIOM80]はフルレンジで鳴らし、フィリップスは160ヘルツ以下(6db/oct)を補強する。
なんなく接続を済ませて、聴いてみると意気込んだほどでもなかった。ほんの少~し量感が増えた程度だ。これなら付けてもつけなくても同じことで、むしろ害にさえなる(笑)。
そこで、フィリップスがダメなら同じ口径30センチのJBL「D123」ならどうだろうと入れ替えてみた。
これはバッチリだった!(笑)
何という自然な響きだろう。サブウーファーを「生かさず殺さず」しながら、しっかりと低音域の量感が増えている。
改めて「AXIOM80」とJBLのユニットは音が馴染みやすいことを再確認した。ただし、こんなことを、言ったり試したりするのはおそらく世界中で自分だけだろうなあ(笑)。