4日(土)の早朝、パソコンを開いてみたところ過去記事「ユダヤ教徒が豚肉を食べない理由」のアクセス数が異常な伸びを示していた。
「エッ、どうして?」と不審に思っていたところ、5日のネット記事を見ていてようやく原因らしきものに行き当たった。トランプ大統領の娘「イバンカ」さんが、今回の訪日にあたって「ユダヤ教徒のため豚肉を食べない」との記事があったのだ。
思い当たるのはこれだけなので、時事問題がすぐにブログの関連記事に反映したのかと、いささか驚いた。
もちろん光栄の至りですが~(笑)。
閑話休題
さて、「我が家のオーディオの根幹をなしている」といっても過言ではない真空管だが、どうしても手に入れたい球も少なくなってきて、この頃は「もうこの辺で真空管漁りは打ち止めにしようかなあ」という思いを拭いきれないでいる。
というのは、どんなにいい球だと思っても、聴き慣れてくると所詮は「五十歩百歩」みたいなところがあって、どうもお値段ほどの違いはなさそうだ(笑)。
端的な例が出力管の雄とされる「300B」だ。
我が家には「300Bシングル」アンプが2台あって1号機(モノ×2台)と、2号機(ステレオアンプ:銅板シャーシ)とがある。
たとえば1号機でオリジナルのWE300B(1951年製)とエレハモ(ロシア)の300Bとを差し替えて聴き比べてみると、中高音域の美しさはどうかするとエレハモの方が上回るほどなのだ。
システム環境にもよるが「ツボ」にはまりさえすれば安物の真空管だって存在価値が十分あるというわけで、お値段からすると両者の開きは月とスッポンだから何だか馬鹿らしくなってしまった。
したがって、先日「北国の真空管博士」から「とても珍しい球が手に入りましたよ。この球は〇〇さんが使用されているPX25アンプの前段管に使用できます。<12A系>の一番古い球になります。お気に入りのトリタン・フィラメントですからぜひお奨めしたいと思いますがいかがですか。」とお誘いがあったときも、一つ返事とまではいかず「しばらく考えさせてくれませんか。」
すると「いつでも結構ですよ。〇〇さんのために保管しておきますから。」
沈思黙考すること1日間(笑)。
あの古典管の「泰山北斗」の博士がそこまで仰るのならと、「購入しますので送付お願いします。」
ほどなく到着して小包を開けてみた。白箱には「GSX-112」と記載してある。
ウ~ン、これは・・と、思わず息を呑んだ!
この独特の形状を見ただけで身震いし、「お前にこんな貴重な球を持つ資格があるのか」と問い詰められるような気がした。
仮にの話だが、100万円が相場の「WE300B」(刻印)が手に入ったとしても、何らこだわりなく使用することができるが、こういう100年近くにもなる超希少管ともなると幾重にもなる先人の努力と熱意が込められているような気がしておいそれと使えなくなる。
すぐに博士に連絡を入れた。
「一目見ただけで惚れ込みました。凄い球ですね。こんな貴重な球をとても使うわけにはいきませんよ。当分の間、見るだけにしておきます。それにしてもアメリカはヨーロッパのような戦火の地を免れたので今でもこういう貴重な球が残っているんですねえ・・。」
「ハイ、ご満足していただいて良かったです。1920年代の球ですが、実は71系にもこういう球があるんですよ・・。この球は特性もそろっていますし、接続部分のハンダを入れ替えてますので安心して使用できます。トリタン・フィラメントですから情報量も抜きん出ていると思いますよ。」
この球が来てからおよそ1週間、毎日のように「矯(た)めつ眺(すが)めつ」弄り回している。真空管には「見るだけで楽しめる」効用があることを初めて発見した(笑)。
まだまだ自分が知らない真空管の奥深さを垣間見せてもらった博士に改めて感謝である。
この球をもし使うときが来るとしたら、5年後か、あるいは10年後になるのか、「余命半年」と宣告されたときぐらいかなあ・・・。
そのときはPX25の親分筋に当たる出力管「PP5/400」(英国マツダ)と組み合わせてみようか、肝心のスピーカーはそのころはいったいどうなっているんだろう・・・、と夢は果てしなく広がる。
俳聖「芭蕉」の辞世の句とされているのは「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る」だが、転じて自分の場合は「オーディオに病んで 夢は枯野を かけ廻る」と、させてもらおう(笑)。