昨日は朝起きた時から腰に鈍痛が走っていた。おかしいなあ、無理なストレッチをした覚えはないし、どうも思い当たる節がない。
午後になってようやく、ああ、あれかな~。
重たいアンプをよっこらしょと台の上に載せたり、降ろしたりしたことが原因らしい。
どうやらあまりの(オーディオの)やりたい放題に対して天罰が下ったようだ(笑)。
歳を取ると重たいアンプは鬼門ですね、該当する方々はどうかご注意なさってください。
閑話休題。
つい先日のこと、「実はお願いがあるんですが・・」と、改まった口調でオーディオ仲間から連絡があった。仮にYさんとしておこう。
「エッ、何でしょうか?」と、思わず身構えると「オークションに出品されている電源コードを落札していただきたいのですが」 「ああ、そんなことならお安い御用ですよ」と、まずはひと安心(笑)。
対象の物品はといえば「中古美品 苦労人志向 3.0mm銀単線電源ケーブル 1.5m」
「苦労人志向」というブランド名が実に面白い。我が「オーディオ道」と重なるところがある(笑)。
いかにも「電源ケーブルお宅」のYさんが欲しくなりそうな代物だとオークションの画像を見てニッコリ。
出品価格は5万円だったが無競争で無事落札。所定の手続きを無事終えて関東から3日後には我が家に到着。
「ケーブルが我が家に到着しましたよ~」と連絡すると、「あっ、今からすぐにお伺いします」
平日なのに職場を抜け出して大丈夫ですかと、心配したくなるところだが、なにしろ「理事長」さんなので上司の許可を得なくていい「ご身分」である(笑)。
小荷物を未開封のまま代金と交換して取引が無事終了。
「苦労人志向」ってそんなブランドがあったんですねとお訊ねすると、「その道ではとても有名ですよ。評判が良かったのですが今では製作されていないみたいで希少品になってます。」
そして、目ざとく室内の変化に気付かれた。
「あれっ、また新しいアンプが来てる!」。
「ふっ、ふっ、ふ(笑)、新しく購入したと言いたいところですが実はお借りしたものですよ。」
「5分間でいいのでちょっと聴かせていただけませんか」「ハイ、もちろん」
「スケールが大きくてなかなかの低音が出てますね。ぜひ、今度の土曜日にじっくり聴かせてください」
そして問題の土曜日がやってきた。楽しいことはすぐにやって来ますねえ(笑)。定刻通り13時30分にご到着。
二人して「6098」アンプの「シングル」と「差動型プッシュプル」2台についてじっくりと向き合った。まさに食うか食われるかの一騎打ちである(笑)。
ちなみにYさんはテスト試聴の際には絶対にこのスピーカーじゃないとダメと仰るほどの大の「AXIOM80」ファンである。
この上なく繊細かつデリケートなので、アンプの性能をこのくらい克明に露わにできるスピーカーはないそうだ。
音楽鑑賞用ばかりではなくオーディオ機器の「テスト」用として活躍してくれるので大いに重宝している「AXIOM80」。
これで「ワーグナー」がうまく鳴ってくれれば言うことなしだが、こればかりは無い物ねだりというものだろう(笑)。
クラシックからジャズ、そして「石川さゆり」(ステレオサウンド版)までいろんなCDを聴いた結果、次のような感想を洩らされた。
「差動型PPの方が元気がありますね。音が太いです。その一方、シングルの方は何だか朝食を食べる前のような線の細い音ですね。」
ここで黙って引き下がっては男が廃る(笑)。
フルートの名手として鋭い耳の持ち主であるYさんだが必ずしも自分と音の好みが一致しているわけではない。
どちらかといえばストレートな「生に近い音」がお好きだが、自分はといえば、奥ゆかしさの中に「いぶし銀」のような鈍い光の情熱を秘めた音が好き。
人はこれを「ブリティッシュ・サウンド」と呼ぶ。
そこで、Yさん向きのサウンドとして「シングル」アンプの前段管をやや控えめの「ECC35」からより元気のいい「CV569」に代えたところガラリと変わった。
「明らかにメリハリがつきましたね!これなら互角です。」と、Yさん。
このシングルアンプは前段管次第で音が千変万化するが、それだけ高度なレベルとテンションであらゆる機能が保たれているに違いない。
したがって前段管の数だけアンプを所有している気分になれるのでとてもお得ですよ~(笑)。
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