「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オークションの不思議な法則

2019年06月21日 | オーディオ談義

「オークションに代理出品していた2件分の落札分のお金をお渡ししたいのでお見えになりませんか、ついでに改造したプリアンプの試聴をしていただくとありがたいです」と、大分市在住のNさんからご連絡があった。

「あっ、そうですか。喜んでお伺いさせていただきます。」

クルマで40分ほどなので、すぐに駆けつけた。

お久しぶりです、お元気でしたか?

Nさんには5年ほど前から我が家で不要になったオーディオ機器のオークションの代理出品をお願いしている。

アンプ・ビルダーだけあって丁寧な説明文の作成をはじめ几帳面な処理に加えて落札された機器のクレームがあったりしてもうまく対応していただくので安心してお任せしている。

これまで依頼した件数は延べ100件ぐらいにはなると思うが、そのうちの大半はオークションで手に入れたものでいわば再出品ということになる。

機器の値段はピンからキリまであるものの、ほとんどまるで法則ともいえる共通事項があることに気が付いた。

たとえば、落札した機器をしばらく試聴させてもらってから「気に入らん」などの理由で再度オークションに出品したとすると落札額は不思議なことに決まっておよそ8割程度に落ち着くのである。

つまり落札したときの価格が仮に1万円だとすると再度出品したときの落札額は8000円ぐらいになって、これから2割程度の手数料を差し引くと当方の懐に入るのは6000円ぐらいになる。

つまり購入額からすると4割程度は目減りするので「楽しみ賃は4割」という法則が概ね成り立つのである。

問題はこれが妥当な値かどうかということだが、「ま、いっか」という微妙な心境である(笑)。

ただし、唯一の例外は「AXIOM80」だった。あれは1年程前だったろうか、3ペアあるうちの1ペアをオークションに出品してもらったところ落札額は28万円だった。

随分昔に購入したときは13万円だったので倍額以上の値上がりで、こればかりはしばらく笑いが止まらなかった(笑)。

「柳の下の2匹目のどじょう」を狙って残る2ペアのうち1ペアも処分したいところだが、「マンション・オーディオ」にはもってこいのユニットなのでこれからも需要は引きも切らないだろうし、しばらく相場の動向を注視してみよう。

ただし、どうか強欲だなんて思わないで欲しい。オーディオ機器には極めて珍しい「千載一遇のチャンス」なのだから(笑)。

さて、次の話題としてNさんが改造されたプリアンプへ移ろう。

   

見るからに、とても手の込んだプリアンプだった。Nさんはレコード派なのでフォノイコライザーが組み込まれている。これでも電源部は別である。

パワーアンプの方は「WE300Bシングル」だが、「アルテックA5」が朗々と鳴ってくれるので「もう何も言うことはありませんね」と感心するばかりだった。

聴かせていただきながらふと脇を見ると、プリアンプが1台遊んでいる!

名器とされる「マランツ7」をモデルに忠実に再現した試作品でNさんがこの4か月ほど愛用されていたものだった。

「使っておられないのなら我が家で試聴させてもらうわけにはいきませんか」「ああ、いいですよ」と話はバタバタと進んで即日我が家に持ち帰った。

   

要所に今では入手困難な「バンブルビー」のコンデンサーが使ってある。整流は周知のとおりオリジナルは「セレン」だが、入手不可能なので「整流管」を使っておられるが、今どきプリアンプに整流管を使うなんて珍しい。

我が家で現在使っているプリアンプは真空管式のクリスキットの「マークⅥカスタム」で大いに気に入っている。このほど電源端子を3P方式に代えてもらい電源ケーブルのPADの「ドミナス」を使いだしてからもうまったくと言っていいほど不満はない。

そういうわけで、「マランツ7もどき」と「マークⅥカスタム」の一騎打ちで興味深く比較試聴した。

まったく甲乙つけ難しというのか、同じような音質なのに驚いたが、後者には低音域に絶妙のトーンコントロールが付いていて「AXIOM80」のときに重宝しているので、その分がちょっと有利かなといったところ。

いずれにしてもプリアンプ次第で音はガラリと変わる。性急に結論を出す必要はないのでいろんな音楽ソースをじっくりと聴かせてもらってから結論を出すことにしよう。

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