現役時代に部の次長と課長という、セクションとしては中途半端で間接的だが、上司と部下の関係だった先輩のKさん。
大分市にお住まいで趣味が「オーディオと釣り」ということで、自分とピッタリなので何かと話が合い、有形無形にお世話になった方。
アンプがマッキンのたしか602〔出力600W)、アキュフェーズのA60、スピーカーがJBLのパラゴンとB&Wといった超ど級の機器をそろえておられ、自分なんかがとても足下にも及ばないようなハイエンドのオーディオ・マニアである。
もちろん、当時の上下関係がオーディオにも如実に反映していて、直接にはおっしゃらないが「君の音は・・・」といった感じでそれ程評価されていない印象をいつも受けていた。
事実そうなのだからこればかりは仕方がない。もちろんオーディオに掛ける情熱とプライドも相当な方である。
それがどういう風の吹き回しなのか、つい4日ほど前にそのKさんからご連絡があった。
我が家にお見えになってからもう7年くらい経つだろうか、随分とお久しぶり。
「近年、レコードに熱中していてねえ。オルトフォンのSPUマイスターなどカートリッジの周辺機器にも相当投資をしたんだけど肝心のソフトが手に入りにくくて・・・。」
「国内プレスは音質が悪くてまったく聴けないのでもっぱら輸入盤を漁っているんだけど、メチャ高くて常識ハズレの世界。1枚が数万円もするのもあるし、聴きたい演奏が簡単に聴けないというのが何といっても困ってしまうよ。」
「そこで再びCDに戻ろうかと迷っているんだ。以前、エソテリックのCDトランスポートを購入してアキュフェーズのDAコンバーターにつないで聴いているけど、どうもイマイチ。そこで○○さん(自分のこと)が持ってるワディアのDAコンバーター(27ixVer3.0)につないで音質を確認したいんだけど試聴させてもらえるかな。」
「ええ、結構ですよ。ケーブルを挿し替えるだけですから簡単に接続できます。いつでもお越しください」
よ~し、チャンス到来。期するところあり!
Kさんは自分がSPユニットの名器「アキシオム80」を3年ほど前から使い出したのをまだご存じない。
蝶ダンパーによるエッジレスという独特のツクリのため音声信号に対する反応と収束がとにかく速い。
断言してもいいが近代のどんな(コーン紙の)SPを持ってきても繊細さの表現においてこのユニットの右に出るものはない。
音はどういうSPを使うかでおおかた決まる。聴く人すべてが絶賛するこの絶妙の音で名誉挽回の絶好のチャンス。
「もはや昔日の自分とは違いますぞ!」
”てぐすね”をひいてお待ちもうしあげる中、日程調整の結果実際にお見えになったのが28日〔日)の午後。
ランドクルーザーの後部座席に20kg近くあるエソテリックのCDトランスポート「P70VU」を積み込んで14時前後にご到着。
二人で抱えてやっと20畳(6m×7m)ほどのオーディオルームに運び込んだ。
その後、東京の業者と懇意なKさんからつぶさに最新のオーディオ界の情報をいただくことになるが、長くなりそうなので続きは次回ということで~。