「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

クラシックでもジャズでも何でもござれの万能サウンド

2021年10月29日 | オーディオ談義

前々回のブログ「PL100のベストアンプを求めて」の続きです。

ひとくちにスピーカーとアンプの相性テストといっても、とても奥の深い世界だといつも思う。もしかしてオーディオの醍醐味とは「ここにあるのではないか」と考えることもしばしば。

所詮は「スピーカーの持ち味をアンプでもっていかに引き出すか」に尽きるわけだが、お互いに持ちつ持たれつの関係にありダメSPやダメ・アンプがお互いの欠点を補い合って見事に生き返ったりするケースがあるので、うかつに単独で能力を決めつけられない面白さがある。

たとえば、我が家のように「陽気でおしゃべりの奥さん」と「陰気で口数の少ない旦那」で丁度マッチングするみたいなものかな(笑)。

我が家には現用中の真空管アンプが9台あるが、「そんなに沢山持っていても仕方がないでしょう」という向きがほとんどだが、不遜な物言いになるがこれまで自宅でも他家でも「完璧なアンプ」に接したことはなかった。

もちろん、軽く80点以上のサウンドを出している方がほとんどだが、「違うアンプで鳴らすともっとSPの良さが引き出せそうだな」という思いをどうしても捨てきれなかったケースがほとんど(笑)。

我が家のアンプ群でも「帯に短し、たすきに長し」ばかりなのでSPとの相性探しには選択肢の数が多ければ多いほど当たる確率が多くなるだろうとの思いで持っているに過ぎない。

そこで、いよいよ本題に移ろう。

今回は当初から低出力の理由で4台のアンプが脱落し、残り5台のアンプによる相性テストになった。



焦点は「PL100」の良さ、つまり2800ヘルツ以上を受け持つ「リボンツィーター」の良さをアンプがいかに引き出せるかに尽きるといっていい。

低音域の方は「サブ・ウーファー」で何とかカバー出来るはずだと踏んでいた。

今回のテストで、わざわざ来ていただいたオーディオ仲間のYさんが部屋に入られるなり開口一番「PL100はクラシックはとてもいいんですけどジャズはどうなんですかね?」との疑問を呈された。

小型SPに伴う当然の疑問だろう。

そこで、「初めからサブウーファーをウェストミンスター(改)にしてみましょうかね」と応じた。

おそらく日本で一番贅沢なサブウーファーである(笑)。

ムンドルフの無抵抗コイル「8mh+6mh」でハイカットしているので100ヘルツ以下(-6db/oct)を受け持つことになる。

この組み合わせで「豊饒なサウンド」になること間違いなし(笑)。

最初に登場させたのは「WE300B」シングルだったが、如何せん相手の「PL100」が「負荷4Ω、能率88db」と厳しい環境なので、少々パワー不足の感がする。肝心の「リボン・ツィーター」がときどきやや歪み気味になるのである。

想像外の事態にちょっと慌てた(笑)。

プリアンプを代えてみましょうと、急遽ゲインの高い「安井式」のプリアンプに繋ぎ変えたところ、ようやく症状が収まった。

結局、プリアンプまでセットで考えないと、この気難し屋の「PL100」には太刀打ちできないことが判明した。

次のアンプは一番高出力を誇る「EL34」プッシュプルだったが元気はいいものの「プレゼンスの微妙な表現」となると「アウト」で、このアンプはサブウーファーしか使えないことが分かりあえなく脱落。

次に、「6098=6AR6」、「2A3」、「PX25」と順次取り換えていった。

そして、これら3者とも「WE300B」に負けず劣らずで見事に合格してホッと一息。

とりわけ最後に登場した「PX25」シングルだが出力管の出自は英国であり、小型SPの「PL100」も同じ英国である。

やはり「お国柄」というのがオーディオの世界にも確実にあって、英国の製品はクラシック向きだし、アメリカの製品はジャズ向きである。

そこで実は「PX25」シングルに一番期待していたのだが、当初はややパワー不足のショボい音だったので、慌てて初段管を「LS7」(GEC)から「AC/HL」(英国マツダ:初期版)に取り換えたところ見違えるほど元気のいいサウンドへ変身。

「PL100」の特殊な環境には「AC/HL」が合っていそうだ。

ちなみにそれぞれの「μ(ミュー)=増幅率」は前者が10前後で、後者は30前後と3倍近く違う。ピンは同じ形態なので切り替えスイッチで変更できるようになっている。



結局、当分の間「PL100」を「PX25」シングルで、サブウーファーを「EL34」プッシュプルで鳴らすことにしてようやく一段落。

これで、「クラシックでもジャズでも何でもござれ」の万能サウンドになった。

いっさい後顧の憂いもなく、今年は一段と「素敵な秋」になりそうだなあ(笑)。


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