「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魅惑の「オーディオ実験」~ホルンの登場~

2018年12月03日 | オーディオ談義

前々回からの続きです。

懇意にさせていただいているメル友さん(東海地方)から「ツィーターの実験結果の搭載はいつですか?」との督促があったので予定を早めて1日早く登載してみた(笑)。

さて「黒子役」という言葉がありますよね。周知のとおり、その意味は「他の人を際立たせるために陰から支える役目
」。

オーディオにおいてその黒子役に該当する機器を思い浮かべるとしたら、それはまず「ネットワーク」に行き着くのではないでしょうか。なんといっても表舞台に登場することがまずない。

たとえば市販のスピーカーを改造もせずにそのまま愛用されている方は日頃から意識の片隅にも存在しないはず。なぜなら箱の中に内蔵されているのでまず目に触れることがないし、それにフルレンジ型ユニットだとまったく無縁の存在になるからだが、スピーカーの自作派あるいは改造派にとってはこのくらい重要な機器もない。

ときにはアンプやSPユニットを変える以上に音が激変するのでゆめゆめおろそかにできない代物で、オーディオの究極の面白さってネットワークにあるのかもしれないと思ったりするほど。

おっと「ネットワークって何?」という方がいるかもしれないが、どうか個々にググってみてくださいな(笑)。

今回のオーディオ実験はその大切なネットワークの聴き比べから始まった。

    

結線中なので見苦しい画像で恐縮だが、上部がクロスオーバー1200ヘルツのネットワーク(テクニクス)で下部がこれまで使ってきたクロスオーバー4000ヘルツのネットワーク(パイオニア)。両機器ともあまり上等な部類に属さないのが残念(笑)。

2ウェイ方式の場合、クロス1200ヘルツと4000ヘルツのどちらがいいかは周辺機器の関係もあるので一概に言えず、取り換えて実際に試聴してみるしかないが音が相当変わるのは間違いない。

ただ、もともとウェストミンスターのフロント・ショート・ホーンはクロス1000ヘルツ用で製作されているので、この場合1200ヘルツが向いていそうなことはおよそ想定できる。

試聴した結果、やはりクロス1200ヘルツの方がすっきり爽やかな印象でこちらのほうがより幅広いミュージックソースに対応できそうだ。

これでメデタシ、メデタシといけば万事丸く納まるのだがそうは問屋が卸すまじ~。

あまりにも「ありきたり」の結果に、ついオーディオの血が騒いでしまった(笑)。

      

ふと、JBLの175「小型蜂の巣ホーン」の代わりに、ホルンを使ってみてはどうかと思い立った。これは5年ほど前に青森県のHさんという老練のマニアさんから譲っていただき大切に倉庫に保管していたもので、ようやく出番が巡ってきたことになる。

学校教材で酷使され廃棄処分になった古い楽器を手に入れられ、オーディオ用に改造されたものである。楽器の延長がスピーカーだとすれば究極の理想的な形状のホーンといえるかもしれない。

肝心のドライバー本体は「175」と類似の諸元を持つテクニクスの「EAS-25HH22」があったのでホーン部分だけ入れ替え、画像でご覧のとおりゴムバンドでぎゅうぎゅうに締め付けた。

胸をワクワクさせながら結線を完了し、ウェストミンスターの上に載っけてみた。このホルンなら「075ツィーター」は不要だと思い最初から外した。次の画像のように見た目もスッキリ。

     

出てきた音を聴いてみると腰を抜かさんばかりに驚いた。こりゃ「いい音」をはるかに通り越して「魅力溢れる音」になっている!

高音域の煌めくような輝き、艶のある響きを何と表現したらいいのだろうか。とりわけ管楽器の表現力といったらもう言葉を失ってしまうほど。イヤ、けっして大げさではなく(笑)。

ただし、「好事魔多し」であまりにも音がストレート過ぎてちょっとヴァイオリンの音色がキツいかなあ・・・。しかも仲間によると「ホーン鳴きが若干ありますよ。」

やはりオーディオは手強い。すんなりいかずに、ひと工夫もふた工夫もいる。

そこで、まず細かい針金を丸めてボール状にしたものをホルンの出口のところに押し込んでみた。これはJBL175ホーンの先端のハチの巣部分と同じ理屈になる。

次に、ホーンを「デッドニング」するために「鉛テープ」を買ってきて、ホーン部分の外側に根気よく張り付けた。やり過ぎても響きが死ぬし、ほんとうに「さじ加減」が難しいがこればかりは実際に耳で判断するしかない。

以上の二つの対策で管楽器の魅力を損なわない範囲でようやくヴァイオリンのキツさが大幅に改善できた気がする(笑)。まずは一段落。

こうして今回はまったく当初に想定したものとは違った結末を迎えたが、こういう「オンリーワン」のオーディオって大好きである。

定評のある機器を並べ立てて「どうです、いい音でしょう。」もいいけれど、自分の性にはあまり合わないなあ~(笑)。

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