「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

人生に必要なすべてをミステリーに学ぶ

2024年12月03日 | 読書コーナー

小さい頃からなぜかミステリーが大好きで、江戸川乱歩やコナン・ドイルにはじまって、名作「Yの悲劇」で有名なエラリー・クィーン、あるいは推理作家の登竜門といわれる江戸川乱歩賞受賞作品まで内外の話題作はほとんど読んでいるつもり。

我が読書の原点になるわけだが、もちろん謎解きの面白さに加えて雑学的にもタメになることが多いのも特徴だ。


で、偶然読む機会があって面白いと思ったのが次の本。



  著者は馬場啓一氏。この中の「古今東西”音のエチケット”」が特に印象に残ったので紹介しよう。

さて「マフィアに”おなら”」とかけて何と解く?

ご承知かと思うが欧米では身体から発する音は全てエチケット違反である。おならに限らず、ゲップもダメ、お腹が鳴る音もだめ、ものを飲み込む音でさえもアウト。

これらを我慢するのは日本人にとっては結構苦労するものだが、なにしろ生活上のルールだから彼らとお付き合いをする以上従わなければしようがない。

当然スープを飲む音もダメでバリバリとかバシャバシャと噛む音も絶対ダメなのである。欧米人には民族的歴史や経験の違いがあるのだろうが、彼らは固いフランスパンだって音もなく食べてしまう。

深田祐介氏のエッセイに部下にラーメンを音を立てて食べろと命令するのがある。ところがこの部下が英国人であったから、この命令がとてつもなく大きな意味を持ってくる。

取り澄ました紳士の代名詞である英国紳士に、音を立ててラーメンを食べさせようというのである。さあ、どうなる?

結果は英国人の負けで、彼はどうしてもズルズルと音を立てて食することが出来なかったのである。もちろん、英国人だってラーメンをズルズル食べることは可能である。

しかし、それは英国人である誇りとメンツを失うに等しい、というのがその部下の本音だったのであろう。彼の歯と口には音を立ててものを食するというデータがインプットされておらず、それを行うには民族としての誇りを失う必要があったのである。こうして「エチケット=マナー」には意外と深い意味が込められているのだ。

冗談でよくいわれるのは、もし日本が太平洋戦争に勝っていたら、食後に歯を楊枝でシーハーする作法を世界中の人々が学ばねばならなかっただろうという話で、この逸話はマナーというものには絶対的な基準というものがなく相対的な存在であることを示している。

戦争に強いアングロ・サクソン系のマナーが、幸か不幸か世界の一般的常識となってしまったのでやむなく我々東洋人もこれに右を倣えしなくてはならないのだ。

さて随分と寄り道をしたが「マフィアに”おなら”」への解答である。

リチャード・コンドンの書いた「プリッツイズ・ファミリー」でいつでも好きなときに低音から高音まで自由自在に音を発する”おなら”の名人が登場し、マフィア・ファミリーの余興の人気者になる。

西洋人にとって大切なルールを平気で破る芸をあえて賞賛することで治外法権といえば大げさだが”ムラ”的な存在であるマフィアと”おなら”とが、彼らの中で一本ちゃんとつながっているのが分る。

したがって「マフィアに”おなら”」とは、「ファミリー独自のルール=マナーでお互いに結束を確認し合っている」と解く

これを敷衍すると、よく洋画などで登場人物がヒックをしたりゲップをしているシーンを時折見かけるが、あれはその人物がルールに従わない人間であることを暗示しており、またその場に相手がいる場合にはその人物を軽んじていることを示唆していると受け取れる。

で、そもそも論だが「なぜ身体から発する音はタブーなのか?」

久しぶりに「チャットGPT」の出番です。

身体から発する音がタブーとされる理由は、文化的、社会的な要因が大きく影響しています。具体的には以下の点が考えられます。

1 社会的なマナーと礼儀: 多くの文化において、身体から発する音(例えば、げっぷ、音を立てて食べる、排泄音など)は、公共の場で不快感を与えるとされています。これは、周囲に不快感や不快を与えることを避けるため、個人の礼儀や社会的なマナーとして重視されているからです。

2 他者への配慮: 身体から出る音(特に食事中や会話中)には他者への配慮が求められます。音が大きい、または不快な場合、他の人々に迷惑をかけることになるため、そのような行為を避けることが推奨されるのです。例えば、げっぷやおならなどは、周囲の人々に対して不快感を与えかねないため、できるだけ避けるべきだとされます。

3 「自然なもの」としての捉え方: 身体から出る音は自然な現象であるにもかかわらず、それを公然と聞かせることは、不自然であるとされることがあります。これには、社会的なルールや常識が影響しており、「静かにするべき」という価値観が根底にあるといえます。

 恥の文化: 日本をはじめとする多くの文化では、他人の前で恥をかかないようにすることが重要視されています。身体の音もその一環として、他人に聞かれることが恥ずかしいと考えられることが多いです。特に、プライベートな部分に関わる音(例えば、おならやげっぷ)は、その発生が恥ずかしいとされる傾向があります。

5 清潔さと衛生意識: 排泄音やげっぷなどが公共の場でタブー視されることの一因として、清潔さや衛生に対する意識もあります。身体から発する音が「不衛生」や「不快」と結びつけられ、タブーとされることがあります。

以上のように、身体から発する音がタブーとされる背景には、社会的な規範、他者への配慮、文化的な価値観が大きく影響しています。

ということでした。

話は変わるけど、我が家の近くに「観光名所」として「別府湯煙展望台」があり、バス停終点から徒歩(10分程度)で歩いてくる欧米人がしょっちゅう自宅の前を通っていく。



で、感心なことにきちんと「右側通行」を守っている人たちが大半である、その一方日本人を含めて東南アジア風の人たちとなると「てんでんばらばら」で左側通行もかなり見受ける。

おそらく、欧米人は日頃から「左側通行時の交通事故の責任割合」などに配慮している可能性が高い。

意識の高さ・・、こりゃやっぱり戦争に負けるはずだわいなあ(笑)。


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