「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「両雄並び立つ」理想的な展開

2024年11月25日 | オーディオ談義

そもそもの始まりは、およそ1か月前にはるばる岡山県からお見えになった「YO」さんのご来訪からだった。

そのときに持参されたのがかの有名な「PM-6A」(ローサー)。



まず、ギター用の薄板に独特の細工が仕掛けられたボックスに驚き、そしてその奏でる音に仰天した。

「このスピーカーを譲ってください」と、思わず叫んだが、とうてい適うはずもなかった。

何とか「AXIOM80」を似たような音にできないものか、それから「薄板バッフル」への挑戦にとりかかった。

それからの悪戦苦闘はもうご存知ですよね~(笑)。



念のために書いておくと、まずは「AXIOM80」(オリジナル)のバッフルを「薄板5.5mm」に変更し、バッフル全体の響きを良くするために「ARU」は底板に取り付けた。

その結果はGOOD! 着実に以前より前進している、と思った。

で、バッフルの板が大量に余っていたので、味をしめて次に取り掛かったのが厚さ4cmの箱で、せめてバッフルだけでもと入れ替えたのがこれ。



だがしかし・・、ワーフェデールの「スーパー10」(口径25cm)も、なかなか良かったが所詮は「AXIOM80」と同列に論じることは無理で、率直に言わせてもらうと「やはりどんなに頑張ってみても普通の音の域を出ないんだよなあ」。

「普通の音」・・、具体的に言葉で表現しろと言われても困るが、長年培ってきた自分なりの感覚としか言いようがない(笑)。

で、このところ良かれ悪しかれ「普通の音」かどうかを判断基準の尺度にしているが、オーディオを50年以上やってきて、今さら「普通の音」で終わるわけにはいかないしねえ・・。

というわけで、「スーパー10」を外して他のユニットを取り付けてみたが、似たりよったりで、悪くはないんだけどいずれも「普通の音」に収まってしまう。

こうなるともう仕方がない、目には目を・・、大切に保管していた「AXIOM80」の「復刻版」を付けてみように思い至った。

別に「オリジナル」(初期版)が控えているので実験用として気楽な気分でとりかかった。一昨日(23日)のことである。



必須とされる「ARU」(背圧調整器)は付けない、その代わり下側から逃がす背圧の隙間を僅か5mm程度にして「タメ」を作るようにした。

比較的簡単に作業が済んでいよいよ「音出し」へ~。さあ、どんな音が出てくれるんだろう‥、まさにオーディオの醍醐味ですね!

そして・・、おお、これは素晴らしい、ARUなんか要らないじゃないか、というのが第一声だった。バッフルだけを薄板にするだけでこんなに効果があるなんて~。

で、オリジナルとの音の違いだが、「コーン紙」が軽いというだけあって羽毛のような軽くて繊細な表現力はさすがにオリジナルの独壇場だが、復刻版にはオリジナルにはない良さがあって、やや暗めの湿り気のあるしっとりとした趣がある。

たとえて言えば、親しい知人の葬儀に出席した後に、しんみりとなって聴ける音だといえよう。むしろ「ネクラ」のブログ主には似合っていそうだね(笑)。

で、この状態でも低音域は十分だと思うが、オーケストラやオペラなどの音楽ソースにはもっと欲しくなるのがホンネ。そこで背後に控える「ウェストミンスター」で、100ヘルツ以下を補強してやる。

大きな箱から出す低音は全体を包み込むような豊かな響きになるので「木に竹を接いだ」ような違和感はまったくしない。

かくして、繊細さと透明感、そしてスケール感の「三位一体」となった響きに、もうこれで「我が家のオーディオは完結だね」との感を深くした(笑)。

最後に、スピーカーと運命共同体のアンプに触れておこう。



「WE300Bシングル」(モノ×2台)で聴いたが、何ら過不足の無い緻密な表現力はさすがだと唸った。整流管を「北国の真空管博士」の助言で「CV378」(英国コッサー:太管)に代えたのも効果ありかな。



「昔は安かったのに今ではオークションで4万円してますよ」「えっ、そんなに・・、2本持ってますのでさっそく入れ替えましょう」

「値段も音の内=値段が高いと音も良くなる」という錯覚人間がここにいる(笑)。

ウットリと聴いているうちに次第に不安を覚えてきた。「万一エースが故障したときの代役をどうしようか」

というわけで、登場したのが「PP5/400シングル」アンプ。



初段管が「3A/109B」(英国STC)、出力管が「PP5/400」(英国エジソンマツダ:初期版)、整流管「WE422A」(ウェスタン(1957年製)、インターステージトランス「A19」(UTC)

知る人ぞ知る「希少品」ばかりである。

こうして自慢たらたらなのも記述者の特権だね~、汗水流して書いてるんだからこれぐらいは許されていいだろう(笑)。

で、肝心の音なんだけど、このアンプは「WE300Bシングル」に比べて「緻密」さはやや劣るけど「色気」の方は上だね、「両者相譲らず」・・、もうウットリと聴き耽った。

こうして、スピーカーは「AXIOM80」のオリジナルと復刻版、真空管アンプは「WE300B」と「PP5/400」と、「両雄が並び立つ理想的な展開」となったのはうれしい限り。

現代野球ではないが、投げてはエースが二人、打ってはホームラン・バッターが二人というのが理想だろう。

これから、安心して音楽の方に専念できるかもねえ~(笑)。

最後に、こういうきっかけを与えてくれた「YO」さんに心から感謝です。「ものごと」の探求には「異文化との接触」が必須だとつくづく感じてます。どうもありがとうございました。



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