「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「選択肢を増やす」 → 「質の向上」

2024年11月10日 | オーディオ談義

我が家だけの現象かもしれないが大好きな音楽に聴き惚れていると、もしかしてこのシステムがどこか故障したらどうしようと、不安というか脅迫観念に苛まれることがままある。

大切なものを失いたくない気持ちは誰にでもあると思うが、所詮は機器の組み合わせの羅列だから故障して当然という気持ちもある。

たとえば、我が家の例を述べてみると「テレビ」(You Tube) → 「DAC」 → 「プリアンプ」 → 「パワーアンプ」 → 「スピーカー」といった流れだが、このうち一つでも不調を来すと途端に「好きな音」が失われてしまう。

とりわけ、消耗品の真空管を使っている「プリアンプ」と「パワ―アンプ」はいずれは(真空管の)交換という憂き目が確実に待っている。

そして、真空管以外でも故障した時の不安を少しでも打ち消すために「スペア」の確保に常時余念がないところ。

DACが4台、プリアンプが4台、パワーアンプが10台、スピーカーが6系統、そして小物の真空管の予備は数知れず・・、いや、けっして自慢するつもりはないです、それだけ「心配性」ということを分かってもらうために列挙しただけ~。

そして、これだけスペアがあるといろいろと組み合わせて楽しみたくなるのも必然の成り行きですよね(笑)。

選択肢が増えれば増えるほど質が向上するのが世の習い・・、
大学受験、就職先、伴侶の選択・・、そして「オーディオしかり」と枚挙に暇がない。



シンプルな2ウェイで楽しんでいたこのシステムだが、この「ドライバー」(コーラル)が故障したら困るなあ~という懸念が発端だった。

そこで、用心のために前もって違う組み合わせを準備しておこう・・、というわけで急きょ編成したのがこのシステム。



半日がかりの作業だったが、これはこれで優るとも劣らない音になったと思う。

例の薄板バッフル(5.5mm)騒動で、あえなく追放の憂き目に遭った「25cmウーファー」の出番が再度やってきたのがミソ~。

国産のデンオン製だが、さすがに「アルニコ・マグネット」の持ち主だけあって海外製にいっさい引けを取らない印象を受けた。

一言でいえばスッキリ、爽やかな音がする。オークションで格安で仕入れたユニットだけど、こういう「掘り出し物」
があるからオークションは止められない。

で、周波数の分担割合は次の通り。

「100ヘルツ以下」 → ウェストミンスター

「100~5000ヘルツ」 → 「25cmウーファー」

「5000ヘルツ以上」 → 「075ツィーター」(JBL)

これら3つのユニットを2台のプリアンプと3台のパワーアンプで駆動する。

ユニットの配置を「縦一文字」へ、そして「25cmウーファー」を耳の位置に持ってきたのがポイントだが、周波数レンジの広い理想的なフルレンジを聴いているような印象を受けるのはブログ主の贔屓目かなあ~(笑)。

各ユニットの振動版の位置にも腐心したが、まあこんなところでしょうよ。

ちなみに、100ヘルツの波長は音速が344m/秒だから、3.4m、1000ヘルツのときは34cm、1万ヘルツのときは3.4cm・・、で5000ヘルツのときは約7cmだから双方の隣接するユニットの振動版の位置がこの距離内に収まっていれば大過なし~、間違ってたらゴメンね(笑)。

で、「音楽ソース」は例によって「You Tube」だが、いきなり画面に提示してきたのがモーツァルトの「ヴィオリン協奏曲・1番~5番」。



ヴァイオリニストは「クリストフ・バラティ」・・、はじめて聴く演奏家である。

耳を澄ましてみると、う~ん、これはいい・・、ブログ主の琴線に触れてきましたぞ~(笑)。

急いで、ネットで調べてみると録音は2015年で、何と9年前の演奏だった。こういう演奏を知らなかったとは一生の不覚・・、同時に、ヨーロッパ音楽界の人材の豊富さと奥の深さを思い知らされる。

当年取って45歳だから技巧、音楽性とも脂の乗り切った年齢であり、使用しているヴァイオリンは1703年製の「ストラディヴァリ」、若年の頃に「パガニーニ国際コンクール」で優勝と、経歴にも非の打ち所がない。

ちなみに、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲の手持ちのCDは次の通り。

「グリュミオー」「オークレール」「クライスラー」「ハイフェッツ」「オイストラフ」「レーピン」「ムター」「シュタインバッハ」

この中でいちばん世評が高いのは「グリュミオー」で、とりわけ第5番の「第二楽章」は「霊妙な美しさを湛えている」との評判。

しかし、ブログ主がいちばん好きなのは「第4番」でモーツァルト特有の「澄み切った秋の青空のような透明感」と「涙が追い付かない悲しみ」が横溢している。

そして「バラティ」の演奏は、上記のいずれの大家にも優るとも劣らずで安心して聴けます。気が向いた方はぜひご一聴をお薦めします~。



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