共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

哀悼

2013年12月03日 15時46分50秒 | 日記
今日は投稿をどうしようかと思ったのですが、いろいろと考えてやはり新規投稿をアップすることにしました。

先日、茨城県の高校時代に所属していたオーケストラ部で一緒だったコントラバスの同期生の友人から、久しぶりに電話がありました。御無沙汰の挨拶もそこそこに彼から切り出された内容は、衝撃的なものでした。高校当時、同じオーケストラ部でバストロンボーンを吹いていた同期生の友人が、交通事故で他界したというのです。

あまりに突然の訃報に、にわかに話を理解することが出来ずにいたのですが、NHKの茨城版ニュース動画にも出ているからと教えられて恐る恐る見たニュースの中には、確かにその友人の名前がありました。

早朝に車で出勤途上に、彼の運転する車がセンターラインを越えて反対車線にはみ出し、対向車と正面衝突したということでした。幸いに…と言っては不謹慎かも知れませんが、対向車に乗っていらした方2名は、怪我をされたものの命には別条はなかったそうです。伝聞では友人に目立った外傷はなかったということですので、もしかしたら衝突のショックでシートベルトに内臓を強く圧迫されたのではないか…ということでした。

一番多感な高校3年間、毎日の朝練・昼練・放課後練、練習が終わってからのゲームセンター、その頃一世を風靡していたビリヤード、ボーリング、遊んだ後のラーメン、夏休み中の4泊5日の合宿、そして、彼だけでなく多くの仲間や先輩後輩と一致団結して毎年文化の日に臨んだ定期演奏会…一体何から思い出していいのか分からないくらいの抱えきれない思い出が頭の中を駆け巡り、その頃のことが思い起こされると今でも涙が止まりません。

その後、地元にいる後輩から、今日の18時から通夜、明日の13時から告別式が水戸市内で執り行われることになったというメールがありました。

高校3年間苦楽を共にした友人の最期を見送ってあげたい、出来るなら今すぐにでも飛んで行きたい…でもそんな気持ちとは裏腹に、神奈川に住まい仕事を抱える身に、茨城はあまりに遠いところになってしまいました。先に連絡をくれた友人も「無理しなくても大丈夫だよ」と気遣ってくれたので、せめてもお線香を添えた弔電をお送りして、私なりの野辺送りとさせて頂きました。

ただ、そうは言っても、やはり自分なりに何か出来ないかと思い、もし自分が死んだ時に流してもらおうと思っているガブリエル・フォーレの≪レクイエム≫の動画をブログに載せました。このフィリップ・ヘレヴェッヘによる演奏は、通常演奏される大型オーケストラ版ではなく、初演時の小さな編成のオーケストラのバージョンです。後に書かれた大オーケストラ版よりも静謐な響きで、故人の安らかな冥福を祈るのに相応しいと思っている演奏です。

冬の夜のひと時、もし出来ましたら40分弱お時間を頂戴して、共に故人の冥福を御祈念頂けましたら幸いです。

Faure・ - Requiem op. 48 - Herreweghe
コメント (2)
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