共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

えげつない

2013年12月19日 19時15分37秒 | 日記
今日はもう、この話題を避けて通るわけにもいかないでしょう。

今日の午後、猪瀬直樹東京都知事が辞任の意向を示す記者会見を行いました。無遠慮に焚かれるフラッシュとスポットライトの中で各マスコミ記者に吊し上げを食う姿からは、気鋭の作家の面影を感じることはできませんでした。

駅売りの夕刊紙は東スポ以外はどれもトップニュースで扱っていて、左側のオレンジ色の新聞に至っては『やっと辞任』という書かれ様です。

今回の一件に関して、個人的には徹頭徹尾違和感を払拭出来ずにいます。いくら石原都政下での副知事で、それまでの作家としての印税等があるとは言え、国政に撃って出るのに等しい都知事選に出馬するための資金額に、少なからず不安要素はあったでしょう。

そこに国会議員絡みの献金の申し出があれば、『渡りに舟』と喜ぶのはごく自然な話(まあ、それが元々いけなかったのですけどネ…)。ただ、そのお金が、蓋を開けてみたら、たまたま『とっても問題のある団体』からのものだった…という話ですよね。だから、別に猪瀬さん自身が巨額の脱税をやらかしたとかいう話ではないわけですよね。

今回の件はどうも、石原都政下で実現しなかったオリンピック招致と、その陰で《新銀行東京》という前都知事の置き土産的な都政のアキレス腱をどさくさ紛れにケムに巻くという当初の目的を達した都政側が彼を『用済み』と見て、ちょうど頃合いよく今回の献金の件が明るみに出るや、これ幸いと議会や議連等が、今まで散々持ち上げておいた梯子を外した…という御家騒動にしか、残念ながら私には見えません。そうでなければ、事の発覚から今日までの話の流れが余りにもスムーズ過ぎます。

会見の中で猪瀬さんが「私は政治家としてはアマチュアだった」と発言していましたが、この言葉に只ならぬ含蓄を感じたのは私だけではなかったのではないかと思います。第一、今までにも故・青島幸男氏を始めとしたタレントや有名人を都民が知事に選び続けていたのは、プロ政治家の都政に嫌気がさしていた都民が、『政治家のアマチュア』である彼等に全面的に期待を寄せたからなのではないのでしょうか。

今回の件で実質的に一番問題なのは、都政に関わる肝心な話し合いを放り出して、こんな枝葉末節の話に鼻息荒くしゃしゃり出て人を指差しながら糾弾し、さもさも仕事したみたいな面をして踏ん反り返っている一部の都議会議員の方でしょう。

個人的にそんなに猪瀬さんに思い入れがあるわけでもありませんし、100%擁護する気もありませんが、今回のことは、猪瀬さんを辞任に追い込むほどのことではないと思っております。それでも断固追及するというのであれば、他にもっと追及しなければいけない人が沢山いるのではないのでしょうか。例えば、市民感覚では有り得ないくらいのお金をお母様からもらっていながら黙っていた何代か前の総理大臣とか…。
コメント
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