今日は、昨日の天気予報で言われていた通りの猛暑日となりました。こんな状況でも、まだ関東地方に梅雨明け宣言が出されていないのが腑に落ちません。
ところで、先週水曜日の音楽教室でのレッスンに来ている大人の生徒さんがスズキヴァイオリン教本第7巻を終了し、第8巻に進むことになりました。第7巻にはバッハの名曲《ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調》が鎮座在している難関ですが、生徒さんはメゲることなく地道に練習を重ねてくれました。
そんな第7巻の最後を飾るラスボスは
アルカンジェッロ・コレッリ(1653〜1713)作曲の《ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 作品5-1》の中から『アレグロ』です。
コレッリの《ヴァイオリン・ソナタ 作品5》は、1700年にローマで出版されました。この頃はコレッリにとって最も調子が良く脂がのった時期で、特にこの《ヴァイオリン・ソナタ 作品5》は出版されるやヨーロッパ中の宮廷で評判となり、何度も再販や再出版が重ねられるベストセラーとなりました。
この作品5は全12曲で構成されていて、上の『アレグロ』は巻頭を飾る第1番ニ長調の第3楽章です。因みに作品5の巻末である第12番ニ短調は、かの有名な《ラ・フォリア》です。
この『アレグロ』は一見すると16分音符だらけで目がチカチカするのですが、ちょっとした読み方の工夫をすると実にスイスイと進んでいきます。さすがは音楽の母ヘンデルの先達となった作曲家だけあって、イタリアらしい明るさの中にもしっかりとした音楽構成が見て取れます。
鈴木鎮一氏は、何を思って第7巻の巻末にこの明るい曲を収録したのでしょう。もしかしたら、前の曲までひたすら重厚なバッハの音楽が続いたので、最後の最後にヴァイオリンが気持ちよく響く明るいコレッリ作品を持ってこようと思いついたのでしょうか。
そんなわけで、今日はコレッリの《ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.5-1》をお聴きいただきたいと思います。アンドリュー・マンゼのバロックヴァイオリン、リチャード・エガーのチェンバロで、コレッリならではの華やかな世界観をお楽しみください(教本の『アレグロ』の部分は動画の6:15頃です)。