共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

「徒然草」に学ぶ

2015年10月17日 21時40分25秒 | 日記
皆様は大人になってから、中学校や高校で習ったような古典文学を読み返してみたことはあるでしょうか。

私は言うほどではないにしろ、たまに気が向いていろんな古典を読んでみることがあります。去年一昨年あたりはやたらと《古事記》を読んでいましたが、最近では兼好法師の書いた《徒然草》を読み返しています。これは《源氏物語》のようなフィクションではなく今風に言うところのエッセイなので、あまり難しいことを考えず気軽に読むことができます。

ただ、この兼好法師というエッセイストが只者ではありません。和漢の文学に通じ、和歌の撰者でもあった才人らしい機智に富みながらも、そこにチクリど毒が含まれていたりするのです。そういった面ではちょっとイギリス人的なブラックユーモリストと言ってもいいかも知れません。

例えば…


あるお寺の和尚が弟子の一人をつかまえて

「君の顔は『しろうるり』に似ておるのお。よし、今日から君を『しろうるり』と呼ぼう。」

と言ったので、そう言われた弟子が

「お言葉ですが和尚様、その『しろうるり』とは如何なるものでありましょうや?」

と尋ねたそうです。ヘンテコなあだ名を付けられてしまったから、気になったのでしょう。

すると和尚は

「知らん。もしあったら君に似とるじゃろ。」

と言って、さっさと庫裏へ行ってしまったとさ。チャンチャン♪。


…みたいな、なかなかパンチのあるお話が入っていたりもします。


そんな中で個人的に身につまされるのが、第150段にある習い事の習得についての心得という部分です。どう身につまされるかは…動画を御覧になってみて下さい。

兼好法師の説く「徒然草」スゲーー! 現代語訳が感動するレベルだった
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

御利益ないよ…(´~`)

2015年10月16日 22時57分30秒 | 日記
今日は教室の定休日だったので、午前中は目一杯寝ていました。久しぶりに爆睡してスッキリしてから、おもむろに都内まで出かけることにしました。

向かった先は湯島天満宮です。私の生徒に受験生がいるので、勝手に合格祈願に参詣しました。

手水舍で手水を使っていたら、拝殿の前にやたらと騒がしい一団がいました。どうやら何処やらの予備校らしかったのですが、彼等の参拝作法を観察していると、お賽銭は投げるわ、柏手は打たないわ、騒いでばかりでお辞儀ひとつしないわ…まあひどいものでした。

ふと見ると、横に引率者らしきスーツ姿の男性が、腕を組んでニヤニヤしながら彼等を見ていたので、話しかけてみました。

私「あのぉ…あの人たちは受験生ですか?」

男「へ?あ、えぇ」

私「そうですか。でも、余計なお世話だと思いますけど、あんな参拝の仕方では御利益ありませんよ。」

男「へ?そ、そうなんですか?」

私「ええ。信心云々はともかく、せっかく時間を割いて参詣されたのであれば、ちゃんと拝殿の前に書いてあるようになさった方がいいですよ。」

男「あ…はい。(若者達に向かって)お、おい!お前ら!!」

学「はい?」

男「お前ら、そんないい加減なお詣りの仕方じゃダメだそうだぞ。」

学「そうなんすか?」

男「そんなわけで、こちらの方が教えて下さるから、全員やり直せ(と言って私を指差す)」

私「は?!!!(゜ロ゜ノ)ノ」

学「お願いしま~すm(_ _)m」

おいおい!お前さんが教えてやれよっ!(*^)/☆(+。+*)…と突っ込んでやりたいところでしたが、何だかこれだけの人数に言うことを聞かせるのも面白いので、にわかレクチャーしてやることにしました。

手始めに手水を使ったかどうか確認したら、何と全員やっていなかったのです。内心

『おい、そこからかよ(´。`)・・』

と思いましたが、ここが日本文化継承の肝心なところ!と気を取り直して、全員手水舍作法からやり直ししてもらいました。参道の真ん中歩いちゃダメ。お賽銭も投げてよこしちゃダメ。二礼二拍手一礼も徹底させて…こういうことって誰からも教わってこなかったのかしら?と思いながら、親戚のオバチャンのような心境で若人達を見守っていました。

帰りがけに全員からお礼を言われて、照れ臭いやら恥ずかしいやら…とりあえず

「神詣では済ませましたから、後は追い込みに勤しんで下さいね。」

と激励だけして退散しました。やれやれ…┐(-。ー;)┌。

さて、ここが最終目的地ではないので、とっとと移動することにします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モネ展

2015年10月16日 22時57分02秒 | 日記
湯島天満宮から不忍池の縁を歩いて摺鉢山に登り、そのまま東京都美術館に向かいました。いよいよ今日のメインイベントである《モネ展》の会場に到着です。

今回の展覧会は、モネ自身が亡くなるまで手放さずに自宅に置いて、彼の死後次男のミシェルが受け継いでいた150点もの作品群を譲り受けたマルモッタン・モネ美術館所蔵のコレクションの中から、選りすぐりの作品を集めたものです。特に『印象派』の名前の基となった《印象・日の出》が21年ぶりに来日するとあって前評判の高い展覧会でしたので、楽しみにしていました。ただ、期間中展示替えがあって、《印象・日の出》は10月18日迄で展示が終わってしまうため若干焦っていましたが、ギリギリ間に合いました。(〃´o`)=3

モネ展と言いながら、入っていきなりルノワール作の肖像画があったのには面食らいましたが、それはモネと妻のカミーユを描いたものでした。元々モネ自身は自画像を含めてあまり肖像画を多く残してはいませんでしたから、それとは対称的に印象派の画家の中で人物画に特化したルノワールがモネ夫妻の肖像画を残してくれていたことは、有り難いことです。

眼目の《印象・日の出》は、丸々一部屋を一作品で展示するという厚遇ぶりでした。全体に薄暗い展示室の中で、《印象・日の出》の画面にだけ高い位置から照明が当てられ、まるで壁から浮き上がっているかのように見えました。実は21年前に来日した時にも見たのですが、今回の方がはるかにハッキリと見えました。こんなところでもLEDスゴいですね。

この他に面白かったのが、モネが10代の頃に描いたカリカチュア(風刺画)です。当時から天才的と言われていたモネのカリカチュアを見た風景画の先駆的存在ウジェーヌ・ブーダンが、若きモネに戸外で風景を描くことを勧めたことで後の巨匠クロード・モネが誕生するのですが、そのきっかけとなったパンチの効いたカリカチュアが見られたのは貴重でした。

展覧会自体は12月13日まで開催していますが、《印象・日の出》が観られるのは今月18日までですので、御覧になりたい方はお急ぎ下さいませ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もう…?

2015年10月15日 23時44分04秒 | 日記
教室を終えて本厚木まで戻って来たら、何処からともなく

「ソ~ララ~、ソラシ~シララ~、ソ~ララ~…」

という、何ともノスタルジックなメロディが耳をかすめました。『…まさか?』と思いつつ音のする方に行ってみたら…

「ぃ焼~きいも~、石焼~きいも~、焼~きたて~…」

という名調子。そう、紛れもなく『九里四里うまい十三里』でお馴染みの焼き芋屋さんがいたのです!!(゜ロ゜ノ)ノ

ここ最近日が落ちてからの空気がだいぶ冷たくなってきたな…とは思っていたのですが、よもや焼き芋屋が登場するまでになろうとは…。

それにしても、今年は順調に秋が来ているようで嬉しい限りです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ちあきなおみ』という歌手

2015年10月14日 22時06分16秒 | 日記
今日、大人の生徒さんと話をしていた中で、ひょんなことから『ちあきなおみ』の話になりました。その生徒さんはもう還暦も過ぎてだいぶ経つ方ですが、私自身もテレビで見ていた記憶がある世代なので、普通に思い出話に花が咲きました。

子供の頃によくテレビで見ていましたが、いわゆる歌謡曲は勿論のこと演歌からシャンソンまでいろんな歌を歌っていたのをよく覚えていて、幼心に聴いていても『ものすごく歌の上手いひとだな…』と思っていました。また女優さんとしても活躍されていて、井上ひさし原作のNHKドラマ《国語元年》では、字幕が無ければ一言も分からない薩摩おごじょ言葉の可愛らしい奥方を演じていたのを覚えています。彼女が夫君を亡くされて表舞台に現れなくなってから20年以上の月日が経ってしまいましたが、ベスト盤は今でも売れ続けていて、彼女の復帰を望む声は今でも高いそうです。

1972年に日本レコード大賞を取った彼女の代表曲《喝采》は、今でもいろんな歌手にカバーされています。私が1歳の時の曲ですが、そんな昔の曲だなんてことは全く気になりません。昨今は平べったい歌い方の芸能人が多く見受けられますが、こういう語るような歌い手さんの歌を、また聞いてみたいものです。

ネットで調べていたら、ちょっと面白い動画がありました。ちあきなおみと《喝采》の作曲者である中村泰士氏が《喝采》デュエットしているものです。リラックスしたムードで歌っていますが、2番の「暗い待合室…」からのちあきなおみの歌唱には『やはりこの人は違うなぁ…』と思わされます。当時をご存じの方も知らない方も、是非聞いてみて下さい。

「喝采」 ちあきなおみ&中村泰士のデュエット(1989.10 / 6)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビッグなパフェ( ̄□ ̄;)!!

2015年10月13日 23時26分00秒 | 日記
今日は教室として借りている二宮町の生涯学習センターが休館日なので、レッスンはお休みでした。それならばそれなりにいろいろとやることはあったのですが、おやつ時になったので、本厚木駅前にある《BON》という老舗のカフェに立ち寄ってみました。

ここに来た目的はただ一つ…ジャジャ~ン!( ̄□ ̄;)!!そうです、このビッグなフルーツパフェを堪能するためであります!(^q^)!

テーブルからてっぺんまで30U+339Dはあろうかというビッグサイズのパフェには、バナナやキウイ、オレンジ等が飾られ、ウエハースが添えられています。如何にも昭和時代の甘い生クリームがたっぷりのパフェで、気をつけないと胃もたれしてしまいます。でも、私にとってはこれぞ喫茶店メニューの正しいパフェです。

きちんとお腹を空かせて行ったので、美味しく頂戴しました。これと同じようなパフェがあと二種類あるので、いずれまた堪能することにします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

池上本門寺御会式

2015年10月12日 23時40分31秒 | 日記
今日は体育の日でございます。本来の体育の日とは二日もズレていますが、政治的思惑が絡みまくった結果としての祝日でございます。そんな休みを利用して、東京都大田区にある池上本門寺に来ました。昨日から明日にかけて、こちらで《御会式(おえしき)》という法要が行われていて、以前から一度来てみたいと思っていて、今回初めてやって来ました。

御会式とは、日蓮宗の開祖である日蓮上人がここで10月13日に入滅されたのと記念する法要で、都合三日間かけて行われる一大行事です。

実際の今日のクライマックスである『万灯練供養』は18時から始まるのですが、ちょっと早目に出かけてみました。だいぶ早く到着してしまったのですが、どういたしまして境内は既に御覧の人だかりです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大堂

2015年10月12日 23時40分06秒 | 日記
仁王門をくぐった先にあるのが、このお寺の本堂である大堂です。

大堂に向かう参道のど真ん中にデン!と立っている柱には

『南無妙法蓮華経南無高祖日蓮大菩薩第七百卅四遠忌報恩謝徳(なむみょうほうれんげきょうなむこうそにちれんだいぼさつだいななひゃくさんじゅうしおんきほうおんしゃとく)』

と書かれています。

徐々に日が落ちてますます人の多くなってきた境内に、大堂の中で行われている法要の鉦の音が響き渡ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お練り開始

2015年10月12日 23時38分59秒 | 日記
日もとっぷりと暮れた頃、仁王門の向こう側から賑やかな太鼓の音色が響いて来ました。いよいよ万灯練供養の始まりです。

最初に入場してきたのは、地元の子供たちの鼓笛隊でした。その後ろから、各地の日蓮宗の寺院からやって来た僧侶と講中の信徒たちが、団扇太鼓という日蓮宗独特の一枚皮の太鼓を打ち鳴らし、御題目を唱えながら入場して来ました。

最初の方に入ってきたこの一団は特に若い僧侶が多く、打ち鳴らす団扇太鼓の音も一際力強いものでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

纏の先導

2015年10月12日 23時38分41秒 | 日記
各寺院や講の列を先導するのは、町火消しでお馴染みの纏(まとい)です。これは江戸期に町火消しが整備されてから参加するようになったものだとか。

若衆が威勢よく操る纏の向こうから、花宝塔が近づいてきます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花宝塔

2015年10月12日 23時37分51秒 | 日記
団扇太鼓や摺り鉦の賑やかな音色の向こうから、華やかに荘厳された宝塔が入って来ました。これは、日蓮上人がこの地で入滅した時、本門寺の庭の桜が時ならぬ花を満開に咲かせたという、寺の伝承によるものです。

灯りを仕込み花笠を戴いた宝塔が、熱狂的な鳴り物の中を次々と入場してくる様は圧巻です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見せ場

2015年10月12日 23時37分21秒 | 日記
御会式は、各地から参詣に訪れた日蓮講の一行が本門寺大堂に参拝することがメインになっています。しかし、一団体あたり50名前後参加していますから、信徒団体が一編に大堂内に入れるわけではありません。当然、一団体ずつ参拝するため、後のグループはその間外で待たされることになります。

しかし、だからといって彼等はただボケ~っと待っているわけではありません。むしろここが男の見せ場と、盛んに纏を振って沿道の観衆にアピールしてきます。鉦や太鼓も負けじとリズムを早め、いやが上にも祭の雰囲気は高揚していくのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リズム感が大事です…

2015年10月12日 23時37分15秒 | 日記
こちらの一行には団扇太鼓や摺り鉦の他に篠笛まで入って、さながら祭囃子のような賑わいをみせています。

各団体毎にいろんなリズムの叩き方がありますが、基本的には『南無妙法蓮華経』の御題目に合わせて叩いています。その際、各団体とも

『なぁむみょーほ~|れぇえんげぇきょお』

という感じで御題目を唱えているため、若干三拍子なリズムになります。

いろいろと聞いていると、いくつかある鳴り物の中でも、いわゆるバスドラム的な大太鼓と金属音の摺り鉦の担当者のリズム感のいい一行は全体にバランスがとれていて気持ちいいのですが、逆にちょっと覚束無い方が叩いておられると、全体にアンサンブルがバラけてしまいがちで、結構不安になってしまいます。

そういうグループでは、纏振りさんまでが何だかやりにくそうに見えてしまうから不思議なものです。やはり、こういったところでも適材適所というものは大事ですね…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おくんち?

2015年10月12日 23時37分05秒 | 日記
御会式に参加している団体の殆どが花笠宝塔をうやうやしく大堂まで運んで行きますが、中にはこんなユニークな曳き物も登場しました。大きな鯛です。ちゃんとヒレも動きます。

ちょっとサイズは小さいですが、何だか唐津のおくんちみたいにも見えませんか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

粋な纏捌き

2015年10月12日 23時36分38秒 | 日記
各団体の先導をつとめる纏持ちは、ある意味この御会式での花形と言っても過言ではありません。ですからどの纏持ちのお兄さん達も、粋で鯔背な祭装束に身を包んで『どうだ!』と言わんばかりの鮮やかな纏さばきを披露してくれます。

このお兄さんのように背中に回したり、京劇の孫悟空の如く振り回したりと、それぞれにかなりアクロバティックな技を見せてくれました。その度に沿道から盛んに拍手が送られ、纏持ちがそれに応えるという、コール&レスポンスのような熱気が、いつまでも続いていました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする