共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

秋に寂しきもの

2015年10月27日 23時10分11秒 | 日記
二宮町の生涯学習センターに着いたら、町の文化祭の一環としてロビーに菊の花が飾られていました。三本立てや福助造り、盆栽等の力作が並べられていましたが、どれも立派なものでした。

私も小学6年生の時に、学校で三本立てを育てたことがありました。ひとりひとりにランダムに苗を渡されて育てるのですが、どんな花が咲くのかは実際に花が開くまで分からないという、だいぶスリリングなものでした。私は個人的に写真にあるような管咲きのものを期待していたのですが、実際に開いた花はヒマワリみたいな一文字咲きでガッカリしたことを覚えています。

ところで今日、高校生の生徒が一人、国内最高学府を受験するための本格的準備に入るため教室を退会しました。逆に言うと、よくこんな間際までレッスンを続けてくれたなと思うのですが…。

彼が入会してきた時はまだ幼稚園児で、クリッとした目をキラキラさせながら8分の1サイズのヴァイオリンを楽しげに弾いていたのを覚えています。それから、彼が私立の学校に電車で通うようになってからも、私が楽器店と揉めに揉めてケツまくって独立した時もずっとついて来てくれました。そんなこともあって、特に思い入れの強い生徒の一人でした。

そんな彼もどんどん成長していき、ふと気づけば高校生にまでなっていました。半ズボンの似合う可愛らしい男の子は、いつしか私と殆ど変わらないくらいにまで大きくなって、いっちょまえに髭まで生えてきていました。

講師の仕事を始めて間もない頃から、居るのが当たり前の生徒でした。そんな彼が巣立っていくという現実に、改めて感慨無量になりました。せめても自分の出来ることとして、湯島天満宮の学業守を渡して健闘を祈りました。

笑顔で送り出したものの、帰りのバスの中で、来週からどんなに待っていても彼が来ることは無いのか…と思って、ちょっと泣けてきました。やはり、生徒の卒業は寂しいものですね。
コメント
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