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3R

 2001年に施行された「循環型社会形成推進基本法」では、循環型社会を作るために一人ひとりの身近な取り組みの方向性が「3つのR(3R)」として、優先順位を付けて示されている。

  ①Reduce (リデュース):ゴミとなるものの量を減らす。
  ②Reuse (リユーズ):使用済みのものをくり返し使う。
  ③Recycle (リサイクル):別のものにつくりかえて再利用する。

最近、時事問題が取り上げられることが多くなってきた私立中入試に備え、小学生にこの「3R」をしっかり覚えるように指導してきた。ところが、先日学年末試験の勉強をしている中学生のノートを見たら、「5R」と書いてあった。「えっ、3Rじゃないの?」と私がたずねると、「学校で5Rを覚えるように言われた」と返事が返って来た。「それじゃあ、3R以外のあとの2つはどんなことだい?」と聞き返したら、
  
   Refuse(リフューズ):過剰包装や容器は断る。
   Repair(リペアー):使えるものは修理して使う。

の2つだと教えてくれた。それは大事なことだと、早速メモったが、なるほどこの2つも循環型社会を作るには不可欠なことだと納得した。
 ある調査によれば、年間約25万トン、一人当たり約300枚のレジ袋が使われているという。確かにコンビニやスーパーに行けば、どんな小さなものを買っても必ずレジ袋に入れてくれる。家に持ち帰ったレジ袋は、ゴミを集めたりするのには便利なものだが、どんどんたまっていき、再利用されず捨てられることが多いのではないだろうか。私の妻は買い物に行くときは専用の買い物袋を持参し、レジ袋を断っている。私もコンビニへ買い物に行った時には、なるべくレジ袋を断るようにしている。そうした行動を「マイバッグ運動」と呼ぶこともあるようだが、私の母親は、八百屋へ行く時に買い物かごを提げて行った。それが当たり前の光景として育ってきた私は、この「マイバッグ運動」がもっと普及して欲しいと思う。
 しかし、もう1つの Repair に関しては、現実の問題とし少々不平を言いたくなってしまう。修理できるものは修理して使い続けるのが一番いいことに異論はない。だが、今は修理代がやたら高い。塾のコピー機は保守契約がしてあるため、消耗品以外は修理に費用がかからない。しかし、印刷機には保守契約というものがないため、1年の保証期間を過ぎてしまうと、修理にかなりの費用がかかってしまう。機械が故障して、電話で技師を呼ぶと、それだけで出張費が1万円かかる。それに部品代などが加算されると、ちょっとした修理でも2、3万円はかかることになる。技術料と言うものが高いのは理解できなくもないが、それにしても頭の痛い制度だ。車の修理にしても、ライトが点かなくなったら電球だけを代えればいいように思うが、今は一体化してしまっているので、全体を丸ごと交換しなければならない。従って、費用がかさむ。簡単に修理と言っても、おいそれと直せない場合もあるので、だましだまし使うことも多くなり、面倒で仕方ない。しかし、循環型社会を築き上げることが急務である現在、そうした多少の不満は我慢しなければならないだろう。

   

ノーベル平和賞受賞者、ワンガリ・マータイさん(ケニア副環境相)が、2005年来日した折に知った「もったいない」という言葉に感動し、3Rの理念がたった一言の中に集約されていると考え、「この言葉を世界に広めたい」と国際語にする運動を進めている。今年2月に再来日したマータイさんが、絵本『もったいないばあさん』(講談社)の作者、真珠まりこさんと対談した記事が毎日新聞に掲載されていた。対談を終えた真珠さんは、マータイさんのことを「本当に笑顔がすてきな方ですね。パワーをもらいました」と語っているが、彼女が世界にまいた「モッタイナイ」の種が、次々と芽を出していくように願うばかりである。
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