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10ゲーム差

 日本時間で19日に行われたヤンキース対メッツの交流戦(通称サブウェイシリーズ)で、松井秀喜が2ランHRを放ったものの、チームは競り負けてとうとう首位レッドソックスとのゲーム差は10ゲームになってしまった。162試合中の40試合を消化しただけなので、それほど心配する必要はないかもしれないが、10ゲーム差というのは重い事実だ。これくらいのゲーム差をひっくり返した例などいくらでもあるのだろうが、暗雲垂れ込めたヤンキースのチーム状況を考えてみると明るい展望など開けないような気がする。というよりも、今年のレッドソックスのチームバランスが素晴らしくてとても追いつけないのじゃないか、というのが私の本心である。
 ちょっと計算してみた。19日の時点での両チームの勝敗は次のようである。
   レッドソックス 28勝12敗 勝率.700
   ヤンキース   18勝22敗 勝率.450
レッドソックスの現状を見るにこれから急に勢いが失速するとは考えられない。したがって、このままの調子でシーズンを乗り切ると仮定すると、162×0.7≒114勝を上げることになる。となると、ヤンキースがこれから114-18=96勝しなければ追いつけない。すなわち、残り122試合を96勝26敗(勝率.786)で乗り切らなければならないのだ。もっと簡単に言えば、5試合を4勝1敗ペースで行くこと、先発ローテーション5人のピッチャーが4人勝って1人負けることを繰り返すこと、言い換えれば、先発ローテーションの5人それぞれが4連勝して1敗するということをシーズン終了まで繰り返さなければならないということになる。厳しい・・。(あくまで単純化しての話だが)
 そもそもヤンキースがこんな窮地に陥ったのは、4月にケガで離脱する先発投手が相次ぎ、投手陣ががたがたになったことに端を発している。さらに松井をはじめ野手にもケガ人が多かったが、A.ロッドの驚異的な活躍で何とか凌いできた。ところが、5月になって投手陣がケガから復帰してやっと駒がそろい始めたら、今度は打撃陣が軒並み不調に陥ってしまった。チームの調子が上がらないときは、こうした投打のバランスが崩れているときなのだが、その典型的なケースが今のヤンキースだ。6月になればクレメンスが投手陣に加わり、チーム全体にいい影響を与えるかもしれないが、神がかり的な活躍には?が付く。
 ここ何試合かは松井の打撃結果がチームの勝敗と連動しているようで、松井の責任は日に日に重くなっている。松井が自らの夢を実現させるには、これからも獅子奮迅の活躍が必要なのは言うまでもない。だが、レッドソックスの壁は大きくて頑丈そうだ。ちょっとやそっとじゃ崩れないような気がする。ファンとしてはやきもきする試合が続くだろう。しかし、松井の夢はワールドチャンピオンだ。それは私の夢でもある。夢の実現のためには何もレギュラーシーズンでレッドソックスに勝つ必要はない。たとえ、レッドソックスの後塵を拝したとしても、アメリカンリーグ各地区の2位チームの中で最高勝率をあげれば、ワイルドカードでポストシーズンに進出することはできる。搦め手から攻めて行ってもいいのだ。レッドソックスとのゲーム差がこれほど開いてしまうと、ワイルドカード争いにも注目しながら観戦していった方が気楽ではないか、そう思い付いて各地区の成績を調べてみた。
 (中地区)
   インディアンス  25勝14敗 勝率.641
   タイガース    25勝16敗 勝率.610 
 (西地区)
   エンゼルス    25勝18敗 勝率.581
   アスレチックス  21勝20敗 勝率.512
現時点では、2位で最高勝率を上げているのはタイガースということになる。そこでタイガースとのゲーム差を計算してみると、6.5ゲーム差である。これでも結構厳しい数字であるが、まだ何とかなるという希望がわいてくる数字だ。
 ヤンキースファンは誰もまだまだ地区優勝をあきらめていないだろう。私とてひょっとしたら大逆転してくれるのではないか、と思っている。だが、心に余裕を持って観戦するためには、こうしたことも頭の片隅においていたほうがいいと自分に言い聞かせている。
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