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 桃を一箱頂いた。今が旬だけあって、蓋を開けたら芳香が鼻をくすぐる。この香りだけで桃の甘さが体中に広がる気がする。思わず一つ取り出して食べてみた。私の掌一抱えほどある大きな桃だ。まるで生まれたての赤ちゃんのお尻のようにプリプリしている。触った感じは固くはなく、かと言って熟れきってもいない。まさに食べ頃だ。

 

 皮を剥くと、ツルッと一気に剥ける。我慢できずにかぶりついてみた。甘い果汁で口中がいっぱいになる。おいしい。桃はタネが大きくて芯の辺りはおいしくないが、上手にかじれば甘いところだけを満喫できる・・。思えば、桃を食べるなんて久しぶりだ。果物は何でも好きで、あればすぐに食べてしまうほどだが、桃はしばらく食べたことがなかった。だから、余計においしいのかもしれない。あっという間に1個食べてしまった。
 子供の頃は桃の缶詰をよく食べた。パイナップルも生のパイナップルなど滅多に食べたことはなかったが、缶詰のパイナップルはよく食べた。どうしてあんなに缶詰があったのだろう。今は生の果物が十分出回っているからわざわざ缶詰を買う必要がないのかもしれない。保冷技術も格段に進歩しただろうし、いつでも新鮮な果物が街に溢れている。なんて便利で贅沢な世の中なのだろう。

 贅沢といえば、先日買って食べた「白桃のロールケーキ」はまさしく贅沢な味わいだった。一本1050円と値段はリーズナブルだが、食べると心が満たされる、そんな逸品だった。


この店では、月ごとに限定ケーキが売り出されている。6月に行った時にこの「白桃ロールケーキ」を予告した紙をもらってきて、あまりにおいしそうなので7月になったら必ず買いに行こうと決めていた。その期待に違わず、本当においしかった。その紙には次のように書いてある、

「これからが旬の山形特産の白桃のみずみずしい果肉をふわふわのスポンジででやさしく巻きました。スポンジ生地のマーブル模様はフランスボワーズピューレを使った天然の赤で表現しました。また低脂肪の生クリームを使うことであっさりした口あたりに仕上げました。もちろんカロリーも控えめです」

これほど詞書をそのまま実物化したケーキを食べたことはない。あまりにおいしかったので、思わず写真を撮るのを忘れてしまった。「何はともあれ、写真に収めよ」というブロガー心得第一条を忘れていたのは、少々恥ずかしい。
 でも、おいしい物を食べる時は無口になって食べることに夢中にならなくちゃ嘘だよね。
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