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ブラインド

 塾の教室の窓には全てブラインドが取り付けてある。夜の授業だけならそんなものいらないが、土曜や休日には朝から授業をするので、光を調節するためのブラインドはどうしても必要だ。夏には光だけでなく熱も遮断できるので、ブラインドは一日中下ろしておくことになる。それに生徒が外をぼーっと眺めているのを防ぐ役割も担っていて、結構役に立つものである。カーテンだと閉めるか開けるかのどちらかだが、ブラインドは角度を変えることで明るさを変えられるという利点がある。


 しかし、それは埃や汚れを溜め易いという難点にも通じるから、まめに拭き取る必要がある。ほかっておくと汚れがこびりついてしまい、ブラインドの表面がくすんでくる。長年の経験でそんなことは十分理解しているのだが、いざ掃除しようとするとこれがなかなか面倒くさい。一枚一枚雑巾で拭き取っていくのが私のような無精者には億劫で仕方がない。「さあ、きれいにするぞ!」と意気込んで始めたことは何度かあるが、いつも途中で挫折ばかりしてきた。なので、ブラインドはいつもきれいな所と汚れた所がまだら状になっていて、よく見るとかなり見苦しい。それがずっと苦になってはいたが、一気に解決する妙手が思い浮かばないまま今まで来てしまっていた。
 ところが先日、ふと「ブラインドは取り外しが可能ではないか」と、思いついた。取り外して水洗いができれば簡単なことだ、何とかならないものか、そうした思いで改めてブラインドを調べてみたら、巻き上げた上のところにプラスチックの爪のようなものが付けられているのを見つけた。

  

触ってみると、押せるようになっている。ひょっとしたらと思って押してみたら、カチッと音がして支えが動いた。「何だ、そうか!こうすればいいんだ」と、ぐっと押してみたら、支えが爪から外れた。やった!と残りの2つの爪もはずしてみたら、見事ブラインドが取り外せた。「簡単じゃないか!」やっぱり、何でも観察して気がついたことがあったら試してみた方がいい、案外簡単に解決することは多いものだ、と心に戒めた。

 「さあ、洗おう!」と、ブラインドをバスの車庫の横にある水道まで担いでいった。

 

バスの洗車ブラシで一気にゴシゴシ洗ってみたら、汚れは簡単に洗い落とせた。台所のように油などを使ったりしないから、汚れも素直だ。大きなブラインドだが、裏表洗うのにさほど時間はかからなかった。
 後はこれを日に当てて干すのだが、バスのバックミラーに引っ掛けてみたら、うまい具合に干せる。梅雨の合間の晴れた日だったので、日差しも強く、しばらく干して置いたらきれいに乾いた。


それでも一応さっと雑巾で上拭きしてから元のところに設置した。さすがに気持ちいい。今までくすんでいたブラインドの色がはっきりきれいに見える。
 もうすぐ夏休み、一日中ブラインドのお世話にならなけりゃいけない。これで夏休みの準備がひとつ完了したな、と思ったら満足感でうれしくなった。しかし、問題集の準備はまだまだこれから、頑張らなくっちゃ・・・。
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