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陳情書

 コンサート事務局御中
 
 例年なら今の時期、チケットが何枚確保できただとか、席が悪いから誰かと交換できないかな、などと私の妻はSMAPのライブコンサートに向けての準備に余念がない頃です。このブログの過去の記事をふり返ってみると、ここ2年間は7月の終わりにライブの初日が行われています。それなのに、今年はもう7月になったというのにコンサートについての情報がほとんど漏れ聞こえてこない、と毎日妻は嘆いております。いったいどうしたことなのでしょう。今年はもうSMAPのライブは開催されないのでしょうか、お答え願います。
 確かにSMAPのメンバー5人がそれぞれ過密なスケジュールで毎日忙しく動き回っているのは私でさえも知っております。特にリーダーの中居くんが「私は貝になりたい」という映画の撮影のためにスケジュール調整がきかないのかもしれないと妻は推測しております。剛くんは、「山のあなた~徳市の恋~」という映画を撮っているそうですし、さらにスマヲタにさえ知られていない数々の予定が山積しているのも容易に想像できます。しかし、しかしですよ、日本中に星の数ほど存在するSMAPの熱烈なファンにとって、毎年恒例の夏のコンサートが開かれないなら、それは由々しき問題です。当然あるべきものがないことに対する彼女らの虚無感は、例えば、大晦日に紅白歌合戦が放送されない、または、プロ野球のオールスター戦が中止になる時に多くの日本国民が味わう虚無感に匹敵する、いや、それ以上のものであるかもしれません。ひょっとすると、小さな暴動が日本各地で勃発する心配さえないとは言えません。恐ろしいことです・・。
 現に我が家でもそうした兆候が仄見えだしました。今年から息子が東京に暮らすようになり、京都にいる娘と合わせて、長年妻が夢見てきた東西両拠点を掌中に収めることができ、宿泊費を気にすることなく今まで以上に各地のコンサートに日参できる態勢が整いました。自宅を合わせれば、日本の三大都市圏を網羅でき、「準備は整った、さあはじけるぞ!」とばかりに妻が意気込むのも無理からぬことだと思います。それなのに彼女の胸中を逆なでするようにコンサート事務局から「無しの礫」の状態が今日まで続いていては、いくら呑気な妻でもしびれを切らしてしまいます。最近言動が刺々しくなってきたのを感じます。「まったく、コンサートの通知が早く来てくれなきゃオレが困るよ。ストレス解消で当たられる身にもなって欲しいな」などと私が愚痴をこぼすことも多くなってきました。「そんなことはない、いつもと同じだよ」と妻は応えますが、私が肌で感じている彼女の苛立ちは日に日に募ってきています。そろそろ危険水域ではないかと思います。何とかしてください。
 もしもこのままコンサートが開かれないままだと、次に妻が出陣する予定が9月の藤原竜也の「ヴェニスの商人」まで何もないことになってしまいます。それまではあまりに長いですし、観劇では自己を解放し、日頃の憂さを晴らす助けにはなりにくいでしょう。毎年夏のコンサートで思い切りはじけることで、彼女の生活はバランスを保っているような気さえします。本当にこのまま開催されないと・・・、まさに事態は焦眉の急です。
 ぜひぜひ、何としてでも、万障繰り合わせて、たとえ秋風が吹き始める頃からでもコンサートを開催するよう、切に切にお願いいたします。日本全国に私と同じ思いでいる男性諸氏もかなりの数おられることでしょうから、私一個人の陳情としてではなく、多くのSMAPファンをパートナーに持つ数多の男たちの総意であることをお汲み上げ下さいまして、善処されることを心よりお願い申し上げます。

                           塾長

                    
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