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骨折の影響

 メジャーリーグは前半戦を終えた。松井は7月になってホームランを打ち始め、やっと調子が上向いてきたかなと思えなくはないが、好調さが長続きしないのが今年なので、まだまだ安心できない。松井秀喜ともあろう選手が・・と思うことばかりの前半戦だったが、それは松井ファンなら誰しも思うことだろう、先週末の毎日新聞に掲載されたテリー伊藤のコラムは刺激的だった。確かに前半戦の松井には大声で「喝!」を入れてやりたいが、どんな結果にでも必ず原因はある。だが、悲しいかな素人の私には松井の不調の原因など分かるはずもない。せいぜい、チャンスに一本打てない結果を見ては、「不動心」なんて本を書くからそれに縛られて人間が小さくなったんだ!、などと悪態をつくのが精一杯だ。それでも、やっぱり不調の原因は知りたい。いろんなものが混ざり合った上での不調であるには決まっているが、何かヒントになるものがあれば後半戦の松井を応援する上で役立つかもしれない。そんな気持ちでいたところ、私が契約している携帯の「ワールドベースボール」というサイトの中で、ヤンキースの地元紙でライターを務めているドン・アモーレという人の「How much wrist injury affect?」というコラムを見つけた。私には大いに参考になったコラムだったので、以下に引用してみる。 

 ジョー・トーリ監督は、決して「失望した」という言葉を使わなかったが、松井秀喜の前半戦を振り返って、「驚いた」という言葉を用いている。「彼のように、常に安定した選手が、苦しんでいる。そのことに驚いている」と。
 過去4年――去年はけがで大半を欠場したが――、トーリ監督にとって松井は、いつでも計算できる戦力だった。そして、わざわざ場を設けて話し合うこともなかった。松井は何をすべきか、どんな準備をすればいいのか、トーリ監督に言われなくても理解していたからだ。
 ところが今季、過去4年の松井とは、どこかが違う。故にトーリ監督も松井と話し合う場をこれまでに増して頻繁に持っている。
 どんな内容か?トーリ監督は、その一部をこう口にした。
「松井は毎打席で引っ張ろうとしているように見える。そのことを話し合った。彼はレフト方向にも打てるはずだからね」
 前半を終えて、松井の成績は打率2割7分4厘、11本塁打、53打点。
 松井の標準からすれば、やはり劣ると見なされても仕方がない。確かに、2週間ほど戦列を離れての数字としては、悪くないかもしれない。もちろん、100打点にも到達するだろう。しかし、それでも、例えば30本塁打には届きそうもない。松井に対して、日本のファンが期待する数字も、そこが最低ラインだろう。
 何が原因なのか?
 一つの仮定として、去年の手首の怪我の影響が考えられる。
 松井自身は、前半のプレーについて、「がっかりしています」と認めた。ただ、それが去年の手首の影響であることは認めてない。
 しかし、パワーヒッターにありがちな傾向だが、手首を骨折してからスイングスピードが落ち、それをカバーするために始動を早め、結果として引っ張りにいってしまうことがある。左打者がレフと方向に打つためには、ギリギリまでボールを引きつけたあとの、爆発的なスイングスピードが必要。だが、そのスピードを松井は失った・・。
 トーリ監督は言う。「その影響はあるだろう。松井はそれを決して認めないだろうがね」
 手首の骨折は完治した。そのことに疑いはなくとも、何かが違う。その違和感と、松井は今、戦っている。

 現在地区首位を走るレッドソックスとは10ゲーム差、ワイルドカード争いでも8.5ゲーム差を付けられ、ポストシーズン進出に危険信号がともっているヤンキースが、奇跡的な快進撃を続け、大逆転を果たすには主砲松井秀喜の鬼神のごとき活躍が不可欠だ。ゴジラではもう間に合わない。松井秀喜が違和感を克服し、ゴジラを越えたスーパーゴジラに果たしてなれるかどうか、後半戦の注目点はそれしかない。
 頑張れ、松井!!
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