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法事

 日曜日に母方の伯父の七回忌の法要が営まれた。朝10時に寺に集合して住職のお経を拝聴し、焼香をしたら一時間近くかかった。いくら扇風機の回る本堂といっても暑さは厳しく、座っていただけなのに汗びっしょりになってしまった。「まったく人間は死ぬ季節ってものを考えなきゃ、皆に迷惑をかけるよな」と境内に出てから参列していた弟に愚痴ってみたが、真夏の葬儀や法事はできることなら遠慮したい。
こんな気持ちになるのも5年も前に亡くなった伯父の法事だからだろう。5年も経てばいくら親しかった人でもいないことに慣れてしまう。「故人を偲んで」などという雰囲気があまり感じられなかったのは、その後に向かった料理屋での食事の席がただの宴会になってしまったのからも分かる。「去るものは日々に疎しかぁ」などと衒学的なことも時間が経った今だから言えるだけで、その場では「この世の無常」など全く考えもしなかった。クーラーのきいた室内に入ってほっとした瞬間に、無性に喉が渇いてきて一刻も早くビールを飲みたい、それしか思っていなかった。亡くなった伯父には世話になるばかりで何もお返しが出来なかった私だから、こんな日くらいはもっと殊勝な態度でいなければならないのに、酔っ払うためだけに法事に参列したようで申し訳ない気がしないでもない。

  

  

 

 出された料理を写真に収めてみたが、改めて見るとやはり器が凝っている。陶器の街だけあって、器が安っぽい店は料理もおいしくないような気がしてしまう。その点、この店は目でも料理を楽しませてくれる。だが、私はこの中で最初の一品しか食べていない。半熟たまごをオクラ・えび・うにであしらった冷スープはとてもおいしかったが、後はすべて隣に座っていた中学生に食べてもらった。私はこういう席では料理をほとんど食べない。食べたくないわけではないが、ついついビールを飲むことに一生懸命になってしまい、食事を取ることを忘れてしまう。さらに酔いが回ってくると、気持ちがハイテンションになって暴走を始め、いろんな席に移ってはいろんな人と愚にもつかない話で盛り上がって、もう食事どころではなくなる。いつでもそんな調子なので、私の分の料理はほぼ手付かずのまま残ってしまう。それではもったいないと思うので、いつも隣の席に座る人に私の分まで食べてくれるよう、予め頼んでおく。昨日は運良く元気盛りの中学生が隣にいたので、食べるように言っておいたら、2人分をぺロッと平らげたそうだ、さすがだ!
 この料理屋は私の子供たちが大好きな店で、とくに娘は「いもまんじゅう」(写真上段の中央)が大好物で、行く度に二つは食べる。まんじゅうと言っても中は肉が詰まっている中華まんのようなものなので、私は食べたことはないが、娘に言わせると絶品なのだそうだ。私も好きな店なので、どんな料理が食べられるか楽しみにしていたが、やはりビールを飲んでしまうと、どうにも食べられなかった。今思えば実に残念だ。
 久しぶりで顔を見た親戚も多く、みな元気そうで何よりっだった。しかし、さすがに昼前から飲んでしまうと、あっという間に一日が終わってしまった。せっかくの休みを浪費してしまった気もするが、楽しかったからよしとしておこう。でも、ちょっと飲みすぎてしまったようで、さすがに月曜の朝はしんどかった・・・。
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