夕立

　先週の記録的な猛暑も、夕立さえ来てくれればそれほど辛くなかったかもしれない。普通の夏なら、いくら暑くても夕立さえやって来れば、さーっと熱気が失せて涼しくなるものだ。それなのに先週は一滴の雨も降らなかったため、日中の熱気が逃げようもなく、いつまでも温度が下がらず、寝るときにもクーラーをかけなけりゃとても寝付けられないなんてことになった。一晩中クーラーをつけっぱなしにしておいたなんてことは今まで一度もなかったが、さすがに先週はどうしようもなく、ずっとクーラーの世話になってしまった。おかげで睡眠時間は足りたのだが、なんとなく体が重い。汗をかきながら、「暑い、暑い・・」と呻きながら寝ていたほうが体は楽なような気がする。でも、「睡眠時間か、体調か」という二者択一になったら、やはり睡眠時間のほうをとってしまうのは夏休みの繁忙期だから仕方ない。
　しかし、昨日やっと待望久しい夕立がやってきた。日中の暑さは、山間部に行って森林浴めいたものをしてしのいで来た。

　　
インフルエンザが心配される馬も１頭見かけて、マイナスイオンで心身ともに浄化されたような気もしながら３時過ぎに家に戻ってきたら、徐々に黒雲が空を覆い始めた。ずいぶん忘れていた雷の音が遠くのほうで聞こえだしたので、やっと夕立がやってくるのか、とわくわくしながら待っていたら、期待に違わず強烈な夕立がやってきた。思わず携帯で動画を撮った。

夕立１　　　夕立２

６時過ぎまで雷鳴が天で轟いていたが、やはりその後の空気はかなりすがすがしいものになった。
　「これだよ、これ！」
本当に待ちに待った夕立だった。どういう加減で夕立がやってこなかったのか分からないが、暑いだけの夏ではあまりにも風情がなさ過ぎる。多めの打ち水を撒いた後のような庭を眺めながら、「今日も暑かったね」などと話し合えるためには、やはり夕立がなくてはならない。今年になって初めて昔ながらの夏の一日をすごしたような気がして、嬉しかった。


夕立の去った後の夕暮れの空もまたいい。