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向日葵

 父が、近所からもらった向日葵の種を塾舎の横にあるプランターに植えて、水遣りをしてきた。なかなか大きくならなかったが、8月の初めに薄い黄色の花が1本咲いた。肥料をやらないからこんなに弱々しいのかな、と思っていたら、次々とつぼみが膨らみだした。それじゃあ、去年の朝顔に倣って今年は向日葵の観察日記を付けてみようかと、気付いたら写真に収めるようにしてきた。

7日  8日

大きく膨らんだつぼみに気づいて写真を撮り始めたのが8日、驚くことに翌9日には一気に花が咲いていた。徐々に咲くのかと思っていたのに、なかなか潔い。斜め左下の何枚かの花弁がすぼんだままなのはご愛嬌かもしれない。

9日  10日

どういう種類の向日葵なのか知らないが、直径は10cmちょっとと小ぶりである。花弁もすべて黄色ではなく、元から5分の4ほどが茶色っぽく、その先が黄色と変わった色合いである。向日葵といえば
  「向日葵は金の油を身にあびて
       ゆらりと高し日のちひささよ」  前田夕暮
というイメージが強いが、いささか控えめな形をした花である。

11日  12日

だんだんと中央部に種ができてくるのがわかって面白かった。外側から真ん中へ向かっていく様子は、さながら中央志向の昨今の世相を象徴しているかのようだった。

15日  16日

塾の夏休み中は写真をとり忘れていたが、中央部はみな種でいっぱいになったようだ。15日あたりからの40度近くまで上がった気温と猛烈な日差しのせいか、徐々に花の元気がなくなっていくように感じられた。

17日  18日

17日にしおれ始め、18日には一気に枯れたようになってしまった。咲き始めたら早かったが、枯れ始めても早かった。それでも10日近くは私の目を楽しませてくれた。種を採って来年もまた咲かせたいと思うが、今年の記念に与謝野晶子の次の歌を記しておこう。

   「髪に挿せばかくやくと射る夏の日や 
       王者の花のこがねひぐるま」
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