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慣用句

 中1の夏期講習用の国語のテキストに、次の問題が載っていた。

(問)次の慣用句の(  )にあてはまる言葉を下から選んで答えなさい。
 1.(  )で風を切る。
 2.(  )によりをかける。
 3.手(  )にかける。
 4.歯の(  )もあわない。
 5.足もとから(  )が立つ。 
 6.木で(  )をくくる。
ア.塩  イ.肩  ウ.鼻  エ.腕  オ.根  カ.鳥

選択問題であるため、だいたいの生徒が正解を答えていたが、一人の生徒が私に質問した。
「慣用句の意味がよく分からないので、全部教えてください」
当然の質問なので、私自身の言葉で1つ1つ説明することにした。

1の「肩で風を切る」というのは、「威張っている様子」を表している。今風の言葉を使えば、「チョーシこいてる」ってことになるかな。
2の「腕によりをかける」は、「自分の持っている最高の技を使って最高のものを作り上げること」という意味だ。
3の「手塩にかける」というのは、「一生懸命愛情を注いで子供や弟子などを育てること」を表している。
4の「歯の根もあわない」は、「怖くてガタガタ震えている様子」のこと。もっと簡単に言えば、「めちゃくちゃ恐ろしいものを見たときにビビッて歯がカチカチ鳴っている様子」
5の「足もとから鳥が立つ」というのは、君が野原を歩いていた時に、そこにいた鳥たちが君に気づいて慌てて飛んで逃げる様子を思い浮かべるといい。びっくりするだろ、そんな時は。要するに「意外なことが起こって驚くこと」を表しているんだ。

と、ここまで説明してきて5の意味が本当に正しいかどうか少し不安になった。何となくは分かっているつもりでも、いざ正確な意味を教えてくれと言われると、自分がどれだけいい加減な覚え方をしていたかが分かる。これはちょっとまずいぞ、と思っていたら、6の「木で鼻をくくる」の説明では、もう完全にしどろもどろになってしまった。

木で鼻なんかくくれないだろ、そんな様子を表した言葉で、「なんだかとぼけたような、相手の思いをはぐらかすような・・・う~ん・・的外れな様子・・」を表すと思うんだけど、違うかなあ・・、怪しいなあ・・、ちょっと待っててよ。

などと言いながら、教室に置いてある「三省堂国語辞典」で全ての慣用句の意味を調べてみた。

1.いばって得意そうなようす
2.ふだんよりも、一段とうでまえをあらわそうとする
3.自分が最初からめんどうを見てせわをする
4.寒さやおそろしさのため、歯がかちかち音を立てるほど体がふるえる
5.思いがけないことが、とつぜんおこるようす
6.そっけない態度をとる

1~5までの意味は大きく間違ってはいなかったのでホッとした。しかし、6の意味はかなりの的外れだ。もちろん生徒には辞書を見せながら訂正しておいたが、少々冷や汗ものだった。しかし、私の間違った思い込みを生徒に押し付けておいて知らん振りをしてはならないので、間違いがあれば速やかに訂正しなければならない。自分では分かっているつもりの言葉や事柄であっても、「?」と思う箇所が少しでもあったら、その都度確かめておくことが大事だと痛感した。
 こういった思い込みはきっと他にもたくさんありそうだ。注意しなければならない、反省!!
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