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センバツ決勝戦

 WBCに熱中している間に、大相撲が始まり、センバツも始まっていた。WBCで日本が優勝して、その余韻に浸っている間に、大相撲は白鵬の全勝優勝を飾り、フィギュアでは浅田真央が4位に終わった。甲子園では気づいたら、ベスト8が決まっていた。しかし、地元中京大中京が準々決勝で破れた瞬間に、膨らみかけた興味も一気にしぼんでしまった。もうこれじゃあ、メジャーの開幕まで待つしかないな、と思いかけていた矢先、岩手の花巻東の快進撃を知った。宮沢賢治の生まれた花巻のエース・菊池は、左腕から繰り出す快速球と鋭いスライダーで、奪三振も多く、無失点記録も続けていた。私は星飛雄馬のファンであるから、球の速い左投手は大好きである。サウスポーから繰り出す左バッターの外角にずばりと決まるストレートには胸がすく。果たして菊池というピッチャーがそんな私の好みにぴったりはまる投手かどうか、一度見てみたいと思っていたが、なかなかじっくり見るチャンスがなかった。だから、決勝戦まで勝ち進んだのを知った時は、何とか時間をやりくりして見たいものだと思っていた。
 だが、決勝での対戦相手、長崎の清峰にもすごいピッチャーがいた。こちらは右腕の今村投手。本格派で球速も140kmを超え、彼のスライダーもすごいらしい。それぞれ左右の抜きん出た投手を擁した両チームの準決勝までの戦績と、両投手の投球内容を簡単に比べた資料を見つけたので、下に貼ってみる。


両投手とも防御率が1点未満というのはすごい。これだけ見れば、決勝戦は手に汗握る投手戦になるものと誰もが思うが、高校野球はそんな予想を立てても、えてしてどちらかの投手が崩れ、一方的な試合になってしまうことがよくある。だが、そんな心配はこの二人の投手にはまるで必要なかった。私は、やっておかねばならないことが色々あって、やっとTVの前に座ったのは7回表の清峰の攻撃からだった。得点は0-0、見事な投手戦だ。だが、私が見始めたのが何かのきっかけでもあるかのように、試合が動き始める。2アウトから四球で出たランナーを長打で返して、とうとう清峰に先取点が入った。私はその瞬間、電話がかかってきたものだから、せっかくの場面を見落としてしまって悔しかった。その後は花巻東が粘りを見せる。8回裏には1アウト1・2塁と絶好のチャンスで、三盗を図るもアウト!!チャンスを生かせない。9回も2アウトからランナー1・2塁と攻め立てたが、代打がレフトフライに終わり、あえなく試合終了。清峰が春夏通じて長崎県勢初の優勝校となった。おめでとう!!


 この写真は今村のもとに清峰ナインが集まって来た、優勝の瞬間を写したものだが、右端に2塁ランナーとなっていた菊池が肩を落としてベンチに下がる姿が写されている。勝負では必ず勝者と敗者に分かれてしまうが、負けて学ぶこともたくさんあるはずだ。ホームプレートを挟んで試合後の挨拶をした後、お互いに歩み寄った菊池と今村が、肩を抱き合いながら、何か言葉を交わしていた姿がTVに映し出された。お互いの健闘を称えあったのか、夏にまた戦おうと誓ったのか、この二人の姿にはジ~ンときた。試合中は、闘志を表に出す菊池と、常に表情を変えず冷静な様子だった今村と、好対照な二人であったが、これからも互いを好敵手とみなして更なる精進を積み重ねていってもらいたい。決勝戦を見ていて、この二人が近い将来日本の野球界の左右のエースとなるような予感がした・・。

 やはり高校野球は面白い。決勝戦の攻防は近来まれに見るほどの好ゲームだったと思う。早くも夏の大会が楽しみになってきた。もう一度、このチームで決勝戦を戦わせてやりたい!! 
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