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自分の言葉で

 草剛が釈放された後の謝罪会見は、巷間言われているように、彼が「本当にいい奴だな」と思わせるに足るものだった。酔っ払うと元気になるのは私も同じだから、何も偉そうなことは言えないが、自分の犯してしまった過ちを酒のせいにはせず、「自分の弱さ」だと正面から受け止めようとしている姿勢は、誰が見ても好感が持てたことだろう。妻はもう半泣き状態で、「もうおバカなのは十分わかったから、早く復帰させてやってよ」と捨て鉢な感想も言っていたが、「ひょっとしたら映画の公開前に復帰できるかもしれない」と、秋に公開予定の映画が無事予定通り公開される可能性を示唆した。私にはそんな専門的なことは分からないが、会見でまっすぐ前を見ながら、質問の一つ一つに自分の言葉で答えようとしていた彼の姿を見れば、一日も早く復帰して、今まで以上に私たちを楽しませてくれよ、と声を掛けたくなった人は多いだろうと思った。
 
 しかし、この草の会見以上に私の心を打ったのは、土曜11時から放送された「スマ・ステーション」の冒頭で、司会者の香取慎吾が草の事件に関して謝罪を述べたことである。その日は妻が大阪に藤原竜也・小栗旬の舞台「ムサシ」を見に行って家にいなかったため、生番組で香取が謝罪したのを私が知ったのはネットのニュースを通じてだった。すぐにYouTubeにアップされていた動画を見たが、その真摯で率直な彼の一語一語が私の心の奥底に重く響いた。以下にすべての言葉を写してみる。

 「みなさんこんばんは。SMAPの香取慎吾です。
SMAPのメンバーである草剛が、草剛がみなさんに多大なるご迷惑をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。
草剛が、今回してしまったことは、社会人として、社会人として、大人として、絶対に許されることではありません。
草剛は、ぼくにとって、SMAPのメンバーでもあり、一番の親友でもあります。
(15秒あまり絶句)
少しだけですが、昨日の夜、電話で話すことができました。深く、深く、彼は反省していました。その言葉を、ぼくは信じたいと思います。本当に今は…本当に…みなさんに…本当に…みなさんが許していただけるのならば、SMAPに…SMAPに…SMAPに一日でも早く、つよぽんが戻ってくることを…戻ってくることを願っています。
本当に申し訳ございませんでした」

深々と頭を下げる香取はまるで自分が罪を犯したように見えるほどだった。こみ上げてくるものを抑えるために何度も口ごもりながらも、自分の言葉をかみ締めるようにして、謝罪の言葉を視聴者一人一人に訴えかけるようにして語った彼の姿に、思わず目頭が熱くなってしまった。
 「慎吾にとって剛は自分なんだなあ」
30過ぎた男が愚かな友人のために心から頭を下げる、普通そんな場面はなかなかないかもしれないが、そんな状況に陥っても何の迷いもなく友人と心を一つにできる、そうした彼らのつながりの強さを改めて見せられたようで、SMAPというグループがここまで大きくなった原動力を見たように思った。
 「すごいぞ、SMAP!!」
たとえ拙い言葉しか使えなくても、自分の言葉で自分の思いを伝えようとする切なる心さえあれば、相手にその思いは伝わるものだ。謝罪ばやりの昨今ではあるが、通り一遍の言葉の羅列しか聞いたことがなかった私には、この香取の謝罪には本当に感動した。 
 
 京都から帰宅した妻と録画してあった慎吾の言葉を改めて聞いたが、この番組をきっと見ていたはずの草はどれだけ勇気づけられたことだろう。妻は当然の如く号泣していたが、「きっと慎吾が剛を気遣ってくれるから、剛は大丈夫だよ・・」と呻くように言っていた。
 草剛、私は君が本当に素晴らしい仲間、ファンを持っていることが心から羨ましい。二度とバカな真似をしないよう大いに反省して、一日も早く元気な姿を見せてくれよ、待ってるぞ!!




 いつ削除されるかもしれないけど、一応・・。

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