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初夏なの?

 土・日とわが市では、春のお祭りが催されていた。各町内では、朝早くから子供獅子が出て町内を練り歩いた。私の住む町内でも、わが塾の横にある空き地を獅子元にして、子供たちが集まってきた。


 少子化が当たり前のこととなった昨今、各町内で子供たちの数が少なくなり、獅子の後について行く者たちも、子供よりも大人の方が多くなってしまい、子供獅子という名前が不適切に思えるほどだが、いくら少数といえども太鼓を叩きながら獅子の面をかぶったものを先頭に町内を歩く姿は可愛らしい。我が家の子供たちが参加しなくなってもう10年近く経つのか、と思ったら、時の過ぎる速さを恨みたくもなった。
 
 さあ、春真っ盛りの一日をどうやって過ごそうかと思案した。歯痛は残っているものの、もう峠は過ぎた。昨年は妻とサイクリングに出かけて、偶然神輿の一群に出会ったりして、それなりに楽しい一日を過ごした覚えがある。今年も同じように祭りのメイン会場まで出かけて、神輿や様々なイベントを楽しもうかと思ったが、人ごみに出かけるのも何となく億劫に感じて、違う時間の過ごし方はないものかと考えた。適度に暖かく、晴れ渡って気持のいい日だったので、久しぶりにマス釣りに出かけてみたくなった。妻にその旨話したところ、「それもいいかもね」と賛成してくれたので、たぶん暇を持て余しているであろう伯母を誘って出かけることにした。


 桜の時期が終わったばかりなのに、山はもう新緑の季節を迎えているようだ。新しく出た葉によって、まさしく山が「ふくらんだ」ように見える。清々しい空気の中、車を走らせるのは気持ちよかった。こんな日はオープンカーで走ったらさぞや気持がいいだろうな、そんな世迷い言を思ったりしたのもご愛敬か・・。


 マス池場は、子供たちが歓声を上げていた。そんな中、85歳過ぎの伯母に釣竿を持たせて大丈夫かと思ったが、そんなものは杞憂だった。私がエサを付けた竿を渡したところ、すぐに1匹釣り上げた。
「すごい!!」
と私と妻が驚いていると、
「なかなか手ごたえがいいね」
と誇らしげな様子で答えた。妻は伯母の怪気炎に当てられたのか、全然あたりが来ず、エサばかりを食われていた。伯母はすぐに2匹目を釣り上げ、気持ちが乗ってきた様子で、まだまだ釣り足りないそぶりを見せる。その後しばらく経ってやっとの思いで妻が1匹釣った。私は、「こんなもの簡単だ」などと偉そうなことを言いながらもすぐに2匹を釣り上げて面目を保った。伯母はその後4匹連続で、釣り上げる途中で逃がしてしまい、地団太踏んだ。それでも、最後に大きなものを1匹釣って、満足そうな顔をしていた。妻も何とかもう1匹釣りあげて溜飲を下げたが、なかなか面白い時間だった。85歳の伯母の方が妻よりも的確に魚の当たりにできるのはすごいことだと思ったが、それだけ妻の運動神経が鈍い証左でもあるのだろう・・。
 一人一匹ずつ塩焼きにして食べ、残りの4匹はフライにしてもらって食べたが、実においしかった。今までは子供連れでしか来たことがなかったが、大人だけで来ても結構楽しめるんだな、と新しい発見をしたようでうれしかった。

 
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