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ひげそり(2)

 3月27日の記事で、どんなひげそりを使ってもうまく髭がそれないと、不満をダラダラ
書いたが、実はあれは私がきちんとひげそりを使っていなかったせいだというのが最近分かった。と言ったところで、T字型の安全カミソリなどどう使ったって大きな違いはない。問題は、私がシェービングクリームなど何もつけず、時には水さえ顔につけることなく、まったくそのままひげそりを肌にあてていたことだったようだ。そのためひげそりの能力を十分引き出せていなかったのだ・・。
 妻が私の顔を見るたびに、
「髭を剃れ」
と口うるさく言うので、その度に
「分かってるけど、なかなかうまく剃れないんだよな・・」
と言い訳していたが、2・3日前に妻が
「石鹸かクリームみたいなものを付けたらうまく剃れるんじゃないの?」
と言い出した。そう言えば、今までそんなものを使ったことがなかった。試しに付けてみようかと思ったが、石鹸では何となく心もとない。浴室の洗面台を探してみたら、息子の使っている「GATSBY SHAVING FOAM」と書いてあるものが見つかった。いつからこんなものを使っていたのだろう、と少しばかり感心したが、私の感覚がずれているだけで、こうしたものを使って髭を剃るのが、世間的には当たり前のことなのかもしれない。少し反省しながら早速試してみた。
 入れ物を軽く振って、頭のボタンを押すとムース状の細かな白い泡が出てきた。思わず出しすぎてしまったが、両手で伸ばして顎や鼻の下にペタペタくっつけた。確かにすべすべして、「いい感じだな」と思った。すぐにひげそり(もう1・2回使ってかなり剃れなくなってしまったもの)を手にして、顎から剃ってみた。
 すっと剃れた。気持ちがいい。すぐに剃り跡を確かめたら、かなりきれいに剃れている。力をまるで込めていなかったし、剃り跡も痛くない。「ほお!!」と感心してどんどん剃ってみた。本当に滑らかに剃れる。剃るたびに泡がひげそりと一体化していくので、剃り具合が良く分かっていい。顎を剃り終えて一旦顔を洗ってみた。鏡で見る限り、剃り残しはないようだ。いい!!
 鼻の下も剃ってみた。私は鼻の穴のすぐ下に小さな黒子があって、それを間違ってひげそりで切ってしまったりすると、しばらく血が止まらずに難儀をする。今までそうした失敗を何度も繰り返してきたため、鼻の下の髭を剃るときは慎重になる。いくらクリームをつけて滑らかになっているとは言え、何も考えずにひげそりをあてたら、まずいことになるかもしれない。「慎重に剃らねば」と少しばかり気構えたが、そんな心配など無用だった、するっと剃れてしまった、すごい!!。
 一通り剃り終えてから、容器に書いてある効能書きを読んでみた。
 ・クリーミーな泡が肌に密着、ヒゲを根元から柔らげしっかり深剃り
 ・スムース成分が肌とカミソリの摩擦を減らし、刃すべりをよくする
 ・カミツレエキス(保湿成分)配合
   ヒゲ剃り後の肌荒れ・カサつきを防ぎ、すこやかに保つ
 ・クーリング成分配合でスッキリ爽快な使用感
と書いてあった。こうした効能書きを読む場合、普段なら話半分くらいに受け取るようにようにしているが、実際に使ってみて、まさに書いてある通りの使い心地だったのから、「このシェービングフォームは実に優れものだ」と感心した。これで400円。もっと早く知っていたら、あれこれ悩まずに済んだものを・・。
 
 まったく私のやることはこんなことばかりだ。世の中に不便があれば、それを解消するために多くの人が考える。多くの人が考えれば何らかの解決策は出てくるものだ。私がひげそりに感じた不便さなど、今までに多くの人が感じて、それを解消しようと努力してきた結果が、このシェービングフォームというものになったのだ。脈々と受け継がれてきた人間の英知の歴史を垣間見たようで、少々厳粛な思いもしてくるが、ただ自分の愚かさを糊塗しようとしているだけかもしれない・・。
 
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