毎日いろんなことで頭を悩ましながらも、明日のために頑張ろうと自分を励ましています。
疲れるけど、頑張ろう!
発想の転換(2)
中3生の女の子が私に質問してきた。
「先生、学校の授業で出された問題が分からないんですけど・・」
「おお、見せてみろ。」
夜、A・B・C・Dの3人が吊り橋を渡ろうとしています。でも、夜道なので、渡るときには懐中電灯を使う必要がありますが、懐中電灯は1個しかありません。また吊り橋を同時に渡れるのは2人までで、吊り橋を渡るのにかかる時間はそれぞれ、A=10分、B=5分、C=2分、D=1分だそうです。このとき最短時間で4人全員が渡りきるためには、どういう順番で渡ったらいいでしょうか、答えなさい。
「クイズか・・。こんなの簡単じゃん、まずAとDが一緒に渡って、Dだけ戻ってくる。次にBとDが一緒に渡って、Dだけ戻ってくる。最後にCとDが一緒に渡れば、合計10分+1分+5分+1分+2分=19分かかったことになる。どうだい!!」
などと意気込んで答えたが、結果はあえなく不合格・・。
「最短時間は17分だって教えてもらったんですけど、どういう順番で渡ったらいいのか分からなくて・・。明日答えるように指名されてるんで、教えてください」
「ふ~ん、17分か・・・。ちょっと待ってくれよ、考えてみる」
それからしばらくあーでもないこーでもないと考えてみたが、17分という渡り方が思いつかない。
「途中まで行って、1人をそこに待たしておくとかはダメだよな・・」
「懐中電灯がなければ暗くて渡れないよな、やっぱり・・」
などなど、半ばいちゃもんをつけるようなことも言ったりしたが、どうにも答えが出てこない。う~~~ん、困った・・。
結局、時間内に答えを思いつくことが出来なかったが、生徒の困った顔を見たら、このままにはしておけない。それに質問に答えられないのは塾長としての沽券に関わる。また後でじっくり考えて答えが分かったら電話かメールすると約束した。
だが、正直余り自信はなかった。こうした問題は直感で分からないと正解を導き出すことはなかなか難しい。
「出来なかったら申し訳ないな・・」
と思いながら次の授業の間も、ずっと頭の片隅で考え続けていた。
しかし、やっぱり思いつかない・・。でも、待てよ、こうした場合の打開策は案外簡単に見つかことも経験上分かっている。そのために必要なことは・・、
そうだ、発想の転換だ!!
私はずっと一番時間のかかるAを最初に渡らせるべきだと考え、Aとの組み合わせを色々なパターンで考えていたが、それでは二進も三進も行かなくなってしまった。ならば、思い切ってここは最初にAを渡らせずに、所要時間の短いCとDの二人を渡らせてみたらどうだろう・・・。
すると・・・。
できた!!確かに17分で渡れる!!!何度も確かめてすぐに生徒の携帯に電話してみた。
「できたよ! いい?、今から説明するよ」
まずCとDが一緒に渡って、Dだけ戻ってくる。これで2+1=3分。次にAとBが一緒に渡って、二人の代わりにCが戻ってくる。これで10+2=12分。最後にCとDが一緒に渡れば、全部の合計3分+12分+2分=17分で渡れる!!
「本当だ!!17分だ、すごい!!」
電話の向こうで生徒が大喜びしている。
「ありがとうございます」
「なになに、答えが出てよかったよ。じゃあ、おやすみ」
正攻法だけでなく、時には搦め手から攻めるのも必要なことだなあ・・。