じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

松本清張「或る『小倉日記』伝」

2018-03-14 23:22:09 | Weblog
☆ 松本清張作「或る『小倉日記』伝」を読んだ。松本清張、芥川賞受賞作だ。

☆ 森鴎外が九州・小倉勤務時代に記していたという「小倉日記」は遺失していた。この「小倉日記」を発見しようと、一人の青年が調査を開始する。今ならインターネットなどが活用できるが、彼が調査を始めたのは戦前。調べると言えば足で証人が語るのを蒐集するより手段がなかった。

☆ 読み進めると、この青年と共に謎を追っているように感じてくる。「点と線」や「砂の器」など、下積みの刑事が足で証拠を集めていく姿が描かれているが、それに通じるものがある。

☆ 歴史に名を残さないような一青年に着目したところは、苦労を経験してきた松本清張ならではの視点だろうか。

☆ 小説の形式をとっているが、ノンフィクションの迫力がある。
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「博士と彼女のセオリー」を観た

2018-03-14 16:43:21 | Weblog
☆ 映画「博士と彼女セオリー」(2014年)を観た。美しい映画だった。

☆ 天才物理学者、スティーヴン・ホーキング博士と彼の家族、彼の友人たちの物語だった。

☆ 才能に恵まれながら、一方で筋肉の病気を患い、車いすの生活を余儀なくされる。やがて気管切開により言葉も失うが、研究への情熱は衰えることなく、その著書は世界的なベストセラーとなる。

☆ そんな天才学者も家庭では一人の夫であり、一人の父親であった。

☆ 彼の研究テーマは「時間」。万物を説明するエレガントな方程式を書き上げることだった。どうやらこの課題は後世の天才に残されたようだ。

☆ ホーキング博士、今日3月14日、ケンブリッジの自宅で亡くなったという。余命2年と宣告されながら、76歳の寿命を生き切った。映画終盤の質疑応答の場面、そのメッセージに心が熱くなる。

☆ こんな日にこの映画を見ると感涙ひとしおだ。


☆ ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインはこの作品でアカデミー賞の主演男優賞を受賞した。素晴らしい演技だった。
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