じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

松本清張「菊枕 ぬい女略歴」

2018-03-15 19:04:59 | Weblog
☆ 松本清張の短編小説「菊枕」を読んだ。

☆ 才女でありながら中学校の美術教員の妻におさまった、ぬいという女性。彼女は俳句に自らの生きがいを見出す。俳句づくりにのめり込むあまりしだいに家事がおろそかになる。イクメンや主夫などといった言葉のなかった時代である。周囲からの風当たりも強くなるが、彼女は気にも留めない。彼女の関心は自らの作品を評価してもらうこと。それも師と仰ぐ人物に評価してもらうことであった。

☆ 彼女の心理状態を今の心理学や精神分析ならうまく説明できるかもしれない。しかし戦前の話である。小説ではやがて彼女は精神を病むことになる。

☆ この作品にはモデルがあるそうだが、それはそれとして、清張節が読者を引き込む。妖気漂う女性を描いている。
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川端康成「母の初恋」

2018-03-15 16:12:33 | Weblog
☆ 川端康成の短編集「愛する人達」(新潮文庫)から、「母の初恋」を読んだ。

☆ ちょっと人間関係は複雑だけれど、ある家庭の日常を描いた作品。主人公の男はシナリオライター。妻と自分の子ども、それに初恋の女性の子どもと同居している。

☆ 夫のかつてのカノジョの子どもを引き取るなど考えにくいが、この妻はなかなかの人情家で、母に先立たれ身寄りの薄いその子を率先して引き取った。

☆ 6年の歳月を経て、その子も19歳に成長し、嫁に行くことになった。無事に新家庭を築くことになると思われたのだが・・・。

☆ 新婚旅行の旅館の予約がインターネットではなく、葉書や実際に現地に訪れなければならなかった時代。善きにつけ悪しきにつけ、人々のつながりが今よりももっと濃密で、時間がアナログで過ぎていた時代の話。

☆ 「モテる男って何が違うのかな。」と思った。
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「佐川カード」

2018-03-15 10:44:37 | Weblog
☆ 毎日新聞電子版は、「やむなく佐川カード」の見出しを掲げる。来週にも佐川氏の証人喚問が行われるという。

☆ 首相、財務大臣が「適材」と豪語した上級官僚。一転、首を差し出すことになったようだ。官僚、あるいは役所の1セクションの責任にして逃げ切ろうという「政治的配慮」。まさにトカゲの尻尾切り。政治家の責任は「陳謝」で終わりかね。

☆ ところで毎度のことながら証人喚問は期待薄。肝心のところでは「訴追の恐れがあるので・・・」と言葉を濁すのだろうね。あるいは「記憶にございません」の常套句。

☆ 野党の腕の見せ所だけれど、野党としては真相解明よりも、「証人喚問ショー」として盛り上げれば成功か。官僚の一刺しで、思わぬ政治家の名前などが出てくれば儲けものだが。それをやっては天下りの道も絶たれるね。

☆ 有権者ができることは次の選挙でだれを選ぶかということだけ。事の流れをじっくり拝見といきましょう。
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