エントリーが、かなり遅くなり作品の公開もとっくに終わっているようですが、
今月初め、やっと「蝉しぐれ」を観てきました。
観ようとした動機ですが、
去年、NHK金曜時代劇で放映されていまして、ごっついハマってしまいまして、「藤沢周平ええなぁ。」と思っていました。その後、2回ほどあった再放送も見逃さず観てしまうほどのハマりようでした。まぁ、ストーリー的に僕としてはハマってしまう要素がかなりあったので、仕方ないですね。
そのときの配役が、内野聖陽さんと水野真紀さん。
お二人ともハマリ役だなぁ、と思っていました。
で、今回のこの映画。
公開される、という話を聞いたときから、観よう、と決めていまして楽しみだったわけですが、配役が、市川染五郎さんと木村佳乃さん、と聞いて、正直、ちょっと「どうかな???」と思ってしまいました。染五郎さんでは、ちょっと迫力が…(失礼)。
しかし、実際、映画を観てみて、
この2人、けっこう後半からしか出てこなかったんです。特に、木村さんなんか…。
そんな感じなので、それぞれの若い頃を演じる、石田卓也さんと佐津川愛美さんで、かなりのところまでひっぱってます。
それと基本的に、たった2時間ほどの映画で、藤沢周平の原作「蝉しぐれ」のすべてを見せることなんて、そもそも初めから不可能わけで、それを言えば、45分ほど×7回の金曜時代劇のほうが、まだみせることができるわけですから、比べれば、そりゃ、金曜時代劇。ということになるわけです。
(秘剣村雨も、布施鶴之助も出てこなかった。)
ただ、僕はそれでも、この映画を観て無駄だとは思いませんでした。
それは、この映画にもこの映画なりのメッセージがあったからです。
そのメッセージというのは、僕なりの解釈ですが、場面の随所に出てくる壮大なる自然の描写(このあたりは、文四郎とふくの愛の壮大さもかけている?)、そして、特に欅御殿での殺陣のシーンでの、原作とは少し違うところ。
「この屋敷にあるだけの刀を集めてください。」(だったけ?)
次々と折れる刀をかえてゆく文四郎と逸平。
飛び散る血飛沫。
原作よりも、人間の斬りあいを激しく描き、逆に命の尊さを表現しているのでは?
そうして、原作にもある、
「無益に、人が死にましたぞ」に、つなげるところ。
どうですか?
かなりこのシーンの(原作との)違いは印象に残っていますし、監督・脚本(脚本はこの映画と金曜時代劇も)の黒土さんも気合いを入れたシーンのように感じますし、メッセージをこめているように僕は思います。
実は、まだ僕は原作を完全には読みきっていないのですが、それでも、藤沢文学の良さは十分、この映画でわかるように思いますし、また、これを映像で表現しようと思った黒土さんのお気持ちもわかるように思います。
もし、この作品に少しでも興味をもたれたなら、原作も読むことを強くおすすめします。
藤沢周平の世界のすごさをさらに理解できるでしょう。
映画「蝉しぐれ」公式サイト。
サントラ
「闇の歯車」などの重暗~い作品も個人的には大好きであります。
あと、後継者、とまでは言いませんが、乙川優三郎さんもオススメです~
でも、なんとか観れてよかったと思っています。
まぁ、僕は、本読みがあまり好きではないので、「蝉しぐれ」どまりなんでしょうけど、この作品に出会えて、良かった。と思えるほど、好きな作品であり、同時に藤沢周平のすごさもよくわかりました。
あぁーっ、かんどう。。。(気分は、文四郎)
>乙川優三郎さん
チェックしておきます。
私は、ドラマも原作もまだ見てないのですが、映画はとても素敵でした。二時間という短い中からも、十分メッセージが伝わってきました。原作や、ドラマに比べ、監督の発信する思いはかなりしぼられていて、そこに重きをおいていたのだと私も思います。原作かドラマを先に見ている人の中には、批判の声の方が多く、それもまた仕方ないことなのでしょうが、悲しく思ったりもしていました。だからコメントを読ませていただき、とても嬉しかったです。
映像がとてもきれいですよね☆音楽が映画のよさをよりいっそう引き立てているとも思います。
原作もドラマも近いうちに必ず味わいたいと思っています☆
いやぁ、ありがとうございます。
確かに批判する人は出てくるかな?とは思っていました。
黒土さんはもちろん原作に対して敬意を持って製作していると思いますが、基本的にこのような時、(芸術)作品としては観る側は「別物」として扱う部分も必要で、そこのところを飛ばしてしまうと、それは、簡単に批判になってしまうんだろうな、という気がします。
ドラマのほうは、かなり人気だったこともあり、もしかしたら、今後、また再放送する機会もあるのではないか?と思ってしまいます。
なので、たまにNHKのサイトをチェックされることをおすすめします。
あとは、レンタルビデオ屋さんでしょうか?
DVDは、買うとちょっと高いでしょうし…。
それにしても、コメント、ありがとうございました。