「久保さんほら、あの喫煙室の壁の色見てごらん」
「え?」
「あの境目のところ。同じ壁紙のはずなのにこっち側は白くて、喫煙室のは茶色いでしょ?」
「...」
「あれと同じ事が久保さんの肺の中で起こってるとしたらどう思う?」
「...あーはいはい。おっしゃるとおり。はまじの言うとおり!」
そう言って久保さんはガラス張りの喫煙室に入っていきました。
余計なお世話。
僕が尊敬するビジネスマン、松岡さんは肺ガンで亡くなりなりました。
松岡さんには、仕事上での窮地を何度も救ってもらいました。
入院した事を聞いてすぐ見舞いに行ったときはピンピンしてたのに、
3ヵ月後に面会謝絶、
半年後にはお葬式でした。
祭壇の遺影を見て、こらえきれずに泣きました。
冒頭に出てきた久保さんは、同僚です。
ヘビースモーカーです。
ひとたび肺ガンと診断されれば泣いて後悔しても遅いのに。
本人が観念するのは自業自得かも知れません。
でも、残された人たちは大きな喪失感を味わいます。
タバコを吸っている方、
自分だけの体じゃない事をもう一度考えてみてください。
自分の寿命は何歳だと思いますか?
それまであと何日ありますか?