平成22年2月7日(日)
節分が過ぎ、立春を迎えました。
暦の上では、春ですが、朝方は特に気温が下がり厳しい寒さで、北海道や東北
北国には、記録的な豪雪が降っているというニュースです。
雪国では,日常生活に支障をきたして大変な被害が出て
ご苦労なさっているようです。
そうした寒さが厳しい中ですが、春の訪れを感じさせてくれる
季節感を代表する物といえば、お雛様です。
玄関ホールや和室に 例年のように お雛様を飾りました。
柳川地方で有名な 長寿を祈る縁起物『さげもん』も飾っています。
さげもんは、福岡県柳川市に伝わる風習。吊るし飾りのひとつです。
女児の生まれた家庭では、その一生の幸せを願い
雛壇は父方の実家から、さげもんは母方の親戚、母、祖母が用意するそうです。
これに類する風習として 静岡県東伊豆町の「雛のつるし飾り」、
毎年迎える健康と長寿を祈り雛祭りのお茶会を、今年も予定しています。
全園児参加です。3月3日を楽しみにしてください。
和服に着替え帯を締めた いつもとは違ったおしとやかな先生方のお点前により、
日頃は活発な男の子も神妙な面持ちで、和の風情にひたり、
きっと 心ゆたかな時間になることでしょう。
様々な体験を通じて、こどもたちは
大きく飛躍するターニングポイントを迎えます。
感性を高めるためには、心にひびく感動的な環境に浸るのも
非常に大事なことです。
今、玄関ホールには、美しい『さげもん』や『てまり』がたくさん飾ってあります。
この『さげもん』は、
いつも慰問や仲良し交流会に年長組がおじゃましている
倫尚会特別養護老人ホーム 『ウェル馬場山』のデイサービスの高齢者の
方々が、丁寧に型紙をあてて、ちり緬の布を切り取り、一針ひとはり
心を込めて縫い合わせて 綿をきっちり詰めて、接ぎ合せて手作りして
プレゼントしていただいたものです。
また、
柳川に先日お出かけした方からの寄贈の伝統工芸品「刺繍の鞠」も
玄関に飾ってあります。
手作りの素晴らしい作品の数々です。
日本の伝統の技の中に、
多くの方々の子どもたちの成長や長命を真心から祈る
そのあたたかい気持ちが伝わってまいります。
どうぞ、園へお越しの節は、お雛様をご覧になり、
その周辺に飾ってある『さげもん』や『刺繍手まり』もゆっくりご覧ください。
一つひとつ色合いや柄が違い、味わいがあり、心ゆたかになります。
最近は、洋風のモダンなつくりのお宅が増えてきて
輸入住宅などでは、全室フローリング、つまり、和室が無いお宅もあるようですが、
時々は 畳の上で、正座して 心を落ち着ける体験も
日本人なら必要ではないでしょうか?
今や ちゃぶ台で食事するお宅も 殆どなくなり、
テーブルで椅子に座るというスタイルのご家庭が殆どになってきました。
畳の上で座ってかしこまって飲食をする経験も
あまり無くなってきたようです。
やはり、四季折々の季節感のある伝統行事を大事にして、
肌で感じる感性をゆたかに育てていきたいものです。