やまめの庭つくり

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枝下ろしの技法

2009-03-17 | 造園
今日も三溪園に行ってきました.

大木の枝下ろし作業が始まっています.

現場を仕切る親方は若い頃,京都で修行を積んだ職人気質の名人.

将来の枝振り,樹の健康まで考えて枝を整理,養生していくそうです.



up10メートルを超える大エノキ.

高所作業車で効率よく枝を伐採していきます.

が,なんとなく中途半端な位置でブツッと切られているような気が・・・alienquestion

施主の担当者の方がそのことについてちょっと聞くと,この親方が説明に来てくれました.

そう,この途中で枝を切り残しておくような状態は,わざと.

樹木は切られた後,どうしても菌が入って腐りやすくなります.

自己治癒能力でキズの周りの樹皮を内側に巻き込んでキズを塞ぐのですが,間に合わないことも.

そこで,腐っても幹芯までいかないように,長めに残しておくのだそうな.

巻きは必ず切り口より内側で行われるので,切り口が多少腐っても問題ないそうです.

そして,自己治癒が完了した樹木はその先の傷んだ部分を自ら朽ちさせてポロッと捨てるのだそう.

近くのマツで例を見せてくれました.



こんなふうに枝を残しておくと,



そのうちキズが塞がって先が落ち,コブ状に.

ちなみに,格好よく幹や枝のギリギリで切ると,

downdown菌が入ってこうなりやすい.

これが幹だと,ウロになって樹木そのものが枯れてしまう原因にyellow12ase2



ただし,この切り方は関東ではあまりしないらしく,

同じ職人同士でも,

「京都ではそんなふうに切るのかい?」

と,笑われたそうです.

京都御所などではみんなこんな切り方をするそうですが.

ちなみに,やまめも学校では幹に近いところできれいに切るように教わったと思うのですが・・・

同級生の皆さん,どうですか?

授業で習った「バーク・リッジ法」という,
外国の画期的な理論,というものもたしか
幹近くで切る方法だったような・・・

やっぱりところや親方変わればやり方変わる,ということで,それぞれの信念に基づいてきっちりやればいいのでしょうか?

ベテランの職人は,どちらにしろ,
伐採した樹木を枯らしたりしないでしょうから.



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