やまめの庭つくり

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ビナンカズラ

2015-08-30 | 樹木
鎌倉駅江ノ電側に降りて右手に折れ,ホテルニューカマクラに向かう途中に,常緑の照り葉の植物がわさわさ~と生えています.

低木のような,よく見るとツル植物が覆い被さって2種類いるような,不思議な様子・・・

先日花が咲いていたので調べてみたら,名前がわかりました.



サネカズラ(マツブサ科サネカズラ属)

学名:Kadsura japonica
別名:ビナンカズラ,サナカズラ

常緑ツル性木本.雌雄異株,又は同株.
束ねたツルをたたいてお湯を掛けると髪を洗う粘性物質が取れるそうで昔は整髪料として利用されたり(何故か男性が主に使用したらしい),製紙や絹糸の糊付けとして光沢を出すのに使ったり,漢方薬の五味子の代わりに使うなど,人の生活と深い関わりがある植物だったようです.

down写真がピンボケですみませんase2



ツボミや花の様子だけ見ると,ツリバナ,カラタネオガタマ,ホオノキなどを連想します.
以前は花の構造が似ているのでモクレン科に含まれていたこともあったそうです.



花びらは厚みがあって,小さなユリ根のようです.








芯は,ヤマボウシの実とかも連想します.

この花の芯が真っ赤な美しい実になるようです.



観察するのが楽しみですkirakira2
冬は葉が赤くなることもあるようです.どのくらい赤くなるのかな.

整髪料の材料で美男を作ったかも知れませんが,この植物自体もなかなかの「美男」なのではないでしょうか.





ロックガーデン

2015-08-27 | 鎌倉
今日は誕生日をのんびりゆっくり過ごしました.

人から聞いたところによると,今年の乙女座は大幸運期に入っているそうです.
そんなことを言われるだけで,何か良いこと起こりそうな気がしてきますkirakira2


さて,ここ数日めっきり涼しい日が続いて「秋」ってこんな感じだったな・・・と思い出すことが出来ました.
植物たちも今は花が一番少ない時期ですが,また秋の花が咲き出します.

鎌倉のロックガーデンも植物を植えてから4ヶ月,緑が安定して落ち着いてきました.








オトメギボウシ系の花.
今の時期にも咲くんですね.


たぶんノカンゾウ.一日花で,工事前から生えていたものが,どさくさに紛れて芽を出し,「ここにいるよ」と,自己主張しています.緑とオレンジの対比が,とても美しいです.


タイワンホトトギス.いつのまにかカラムシ達に取り囲まれてひっそりと咲いていました.


崖の途中に咲くノシラン.


大株で存在感がありますね.



植物だけが季節を感じるものではありません.
池の中には・・・


大量のヤゴ達が羽化するために池の中で準備を整えています.



鎌倉のレストラン

2015-08-20 | 造園
さっきまで夜中だというのにベランダでツクツクホウシが鳴いていました.
ゆっくりと夏が終わろうとしているんだなぁ・・・




今日は鎌倉のフレンチレストラン,古我邸のお庭について紹介します.


門を入って緩やかな坂を登ると,レストランに到着します.


ちょうど芝刈りしたばかりで,さっぱりした広場yellow19



建物の左側から裏に,メインの庭園が展開するのですが,ここからは全く庭の存在に気づくことができません.

更に近づくと,ガーデンカフェがあり,小さな池を中心とした野趣溢れる庭園に到着です.

カフェに座って爽やかな海風に吹かれつつ緑に浸るのもいいですし,立つ位置で景色が変わるので,色々な発見をしながら少し歩き回るのも楽しいと思います.

運が良ければギンヤンマやクロアゲハ,小鳥などにも会えたりします.



鬱蒼とした緑・・・色々な種類がギュッと詰まりながら勢力争いを押し広げていますね・・・





4月にオープンしたレストランで,お庭の植栽は3~5月にかけて主に行われましたが,訪れる人々は,何故かずっと以前からこんな感じ・・・・だったような錯覚に陥ってしまうようです.

そして,その自然らしさ故,全くメンテナンスもしていないのにきれいな緑だな~と思う人もいると聞いたことがあります.

でも,こんなに緑があると,日本ではすぐにジャングルになってしまいますね.



例えば鎌倉独特のこの白と茶色の岩肌の崖.

師匠曰く,「この特徴ある地元の景色の面白さを見せなきゃ」ということで,蔓延るシダやドクダミ達を整理して崖の岩肌を露出しました.

崖の中程の高さ,左端にはノシランの大株.
今白い花が咲いていますが,くっきり目立つようになりました.

下の写真は約2ヶ月前.



上下の写真でbefore,afterを比べると,植物がわんさか繁って崖を隠していることがわかります.

たくさんある緑.
植物の生命力や美しさを見せるところと,逆に間引くことで岩や崖等の地形,植物のシルエットを際だたせるところを作ることで,景色に緩急が生まれ,変化が生じて,より庭の魅力が伝わるようになりますね.





樹木の魅力2

2015-08-17 | 樹木
先日,透かし剪定による樹形の美しさについて紹介しましたが,今日は面白い樹形について.



これは樹種としては何の変哲もないオオムラサキツツジなんですが,長い間後ろからカイヅカイブキにのしかかられていたそうで,何とか生き延びられる方向に必死で枝を伸ばして,少しでも陽に当たるために努力し続けた結果の,姿です.

ヒコバエや余分な枝を整理して,オブジェのような存在感を示すようになりました.



夜のライトアップにより,その存在感はますます大きく,個性を主張します.

環境に適合してきた樹木の歴史を感じて彫刻のような特異な形にも敬意を払いたくなります.

その木がどんなふうに生きてきたかを感じて,一緒に時の流れを想像する楽しみも樹木の魅力のひとつですね.

それと・・・・



枝越しに見上げる建物,というのも素敵度数割アップに樹木が貢献していると思います.

もし,樹木が無かったら,この景色がどう見えるのか,想像してみるとかなり違いますね.



樹木の魅力

2015-08-16 | 樹木
最近,樹木関連の仕事が多かったので,久し振りの今日は樹木の形について書こうと思います.

樹木の魅力は色々ありますが,中でも「樹形」は,鑑賞して美しいと感じるためにはとても大切な要素だと思います.

一本の美しさもさることながら,そのように手入れされた樹木が立ち並ぶ景観は,風が通り,見た目にもスッキリとした空間になって,その中に佇むと自然に癒し効果がアップするような気がします.

自然樹形は,それぞれの樹木に特有の,環境や個性を反映したシルエットですが,造園的なメンテナンスを行う場所の樹木はなかなか放任して育てることは出来ません.

よく見かけるのは,公園や街路樹の樹木剪定で,太い枝や幹がブツ切りになっているなどの無惨な状態.

大きくなって欲しくないなら,何故そこに植えてしまったのか・・・

いつも,そのような状態の樹を見るたびに思います.



やまめが訪れたとある場所でも,5年前は枝が混んでいて,モサモサした感じだったろうと思われるケヤキ.

先日久し振りに訪れたら,透かしといって,不要な枝を抜くメンテナンスに変えたそうで,枝の特徴を活かし,とても軽くて涼やかな姿になっていました.


図面でケヤキを描くときの理想的な樹形ですね.

下から見上げると明るくて軽やかな緑のかたまりの間に青空が見えます.
いつまでも上を向いていたいなぁと思わせてくれます.


ちなみに5年前はこんな感じでした.
たぶん,葉があるときには,固い箒を逆さに立てたような感じだったと思います.

枝が混みすぎているのが,上の画像と比較するとよくわかりますね.


こちらはお隣の公園のケヤキ.

同じ樹木とは思えないですね.
ブツ切りにすると,たくさんの枝が同じところから一斉に出てしまうのでモサモサな樹形になっていくんですね.

このような木も剪定のやり方を変えて5年もしたら,きっと見違えるように美しく,元気になるのにな・・・yellow4symbol6