やまめの庭つくり

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変化朝顔の茎

2010-08-30 | 植物
今日は変化朝顔の茎の「芸」について紹介したいと思います.

まず,柳などの茎でも見られる「石化」または「帯化」と呼ばれる現象.

仕立て方によって,かなり印象の違うものになります.

これは,途中の葉をすべて取ってしまって,バラで言うとスタンド仕立てといった感じですね.





実際,石化したものは茎が普通の朝顔より固くてツル仕立てにはしにくいそうです.

それでも,少しずつ巻き付けていくと,downこのようになります.



茎にグラデーションが入っているから,リボンのように途中でねじれているのがわかりやすいですね.




この作品は「まさきもの」といって,タネが採れるので,来年蒔くと茶系の血筋が発現してくれるのではないかと期待されていました.

ちなみにこの鉢は説明役を買ってくれた伊藤氏の作品です.


そして,朝顔といったらツルが上に伸びたり,絡まっていく姿を想像するのですが,上っていく性質をなくしてしまって,下垂する朝顔たちもいましたyellow12





それから,縮む性質というものが発現するとツルではなく,茎がギューーーッとなって木立のようになることから,「渦木立」という種類downもあります.



ギューーーッという性質がやや弱まったらdownツル仕立てにする事が出来ますが,茎は太く,固くなっています.



やっぱりギューーーッとなることで一定面積あたりの細胞数が増えて太くなっているものなのでしょうか??






変化朝顔の花その1

2010-08-29 | 植物
今日は変化朝顔の花について紹介したいと思います.

色々な形や色があるのですが,その中で一番気になった花型について.



up3つの花が連なって咲いています.

ちょっと藤の花のような雰囲気.



ひとつだとこんな感じ.

生き物が集まっているように見えませんか.

一体どんな構造をしているのやら・・・

ちなみにこの花弁の形と咲き方は「風鈴咲き」というそうです.



朝顔はもちろん,合弁花.

どんなに花型が変化しても,萼の根元を見るとひとつの花であることがわかりますね.



ツボミはこれからたくさんの稚魚が生まれる卵のような状態です.



downこちらは花びらの形は同じですが,垂れ下がるのではなく,上に盛り上がるように咲くということで,トリカブト型と言われています.



台咲き(down中央のデベソ状の形)の上に雄しべなどが花弁化して,中央から押し上げるように咲いた結果,花びらが盛り上がるように見えるのだそうです.





この風鈴咲きの花びらを一枚いただくことができましたhamkirakira


花びらの先端は袋のような感じですね.

細い管の先の方が萼側になります.





花びらを切って中を見てみると・・・



雄しべが花弁化していることがよくわかる構造ですね.




ちなみに,この風鈴咲きの花は大きいものは,日本の乗馬で用いられるあぶみの形に似ていることから「あぶみ」と言われるそうです.

この花型は「縮緬」と「龍田」という系統をかけることで生まれるそうで,龍田とはモミジ,つまり花びらが分裂する遺伝子を持った親の系統です.



奥深し,変化朝顔

2010-08-28 | 植物
昨日,日比谷公園のテニスコート脇の常設陳列場で開催されている変化朝顔展示会に行ってきました.



主催は変化朝顔研究会


展示は7時半から午前中の開催という,朝顔時間です.

明日29日まで開催されています(無料!),お時間のある方は是非行ってみて下さい.




一番初めに会場の外から中を覗いた感想を正直に述べますと・・・・

陳列場,なんていう会場のネーミングがダサイと思っていたら,本当にプラ鉢(もちろん,他の鉢もありましたが)に,朝顔用のツルを誘導する支柱をたてたものがコンクリートの上に直置きで並んでいて,何だか淋しい感じでした.

平日のせいか,7時半からやっているのに人もまばらで,肝心の鉢物は遠目に見ると全部水切れして枯れかかっているように見えます.

そう,変化朝顔を初めて見る,何の知識もなかったやまめにとって(たぶん,世の中の朝顔に興味のない素人さんにとって),このくらいの感想しか出てこない地味な雰囲気でした.

もちろん,立派なものは右手の壇にしっかり展示羅列してありましたので,少しホッとしながら最初はそればかり見ていました.

一通り見終わると,さっきの水切れしているのかな?と思った直置きの鉢たちのところへ.



そこで変化朝顔研究会のメンバー兼ブリーダーの伊藤氏に説明していただけることに.

そしてすぐに,そこにおいてあった朝顔たち,10時だからしおれかかっているとか,暑いから枯れかかっているとか,とんでもない誤解をしていたことがわかりました.

色々な説明を聞いていくうちに,江戸時代から続く変化朝顔の「芸」と,作り続けている人たちの熱意に魅せられてしまい,帰る頃には「本当に来て良かったねkirakira2kirakira2!!!」,なんて大満足,大感激状態になったのでした.

あまりにもショボイ第一印象を抱いたことに申し訳なさを感じつつ,この奥深さと面白さをもっともっとみんなに伝えられればいいのになぁ~と思いました.


そこで素人のにわか勉強ながら伊藤氏から聞いた内容と展示会の様子を数回に分けてご紹介します!


まず,この写真を見て下さい.




変化朝顔の苗です.

まるっこい葉っぱと朝顔らしからぬ細い葉っぱのもの.

みんな同じ親から生まれた子供達だそうです.

変化朝顔はほとんどのものがタネをつけないので,変化(「芸」)を隠し持っている「親」の品種を掛け合わせてタネをとり,メンデルの法則に則った遺伝子の発現により出てきた特徴ある苗を育てるとのことでした.

こんな似ても似つかないものが兄弟とは・・・yellow25symbol5symbol5

朝顔の苗に見えませんね~yellow12


この葉の形状は「ヤナギ」というそうです.




全体の印象がふわふわしているけれど,ちょっとナデシコに似ているなぁ・・・



更に成長するとこんな感じで茎が少し伸びて葉の外側にも花がついてくるらしいです.

まだモワモワした葉に埋もれてムラサキのナデシコ咲きの花が咲いていますね.

(落ちた花びらがひっかかっているんじゃありません.

れっきとした花が咲いているんです.)

そして,この葉は,しおれて丸まっているんじゃありません.




龍が玉を握っている前足の形にちなんで「握り爪龍葉(にぎりつめりょうば)」という,なんとも格好いい命名がなされている葉の「芸」だそうです.



upこれも「握り爪龍葉」.  なるほど~yellow16



変化朝顔は,葉や花の形,遺伝子の発現した形質によって名を付けられているようです.

また,その形質を見ると,どの系統の親の「血」が入っているのかベテランの人が見ればわかるみたいです.

龍葉にも種類があって,玉を握るような「順手」の「握り爪龍葉」のような丸まり方ではなく,「逆手」で「龍が水を掬うような」,という意味の「掬水龍葉(きくすいりょうば)」,




さらに丸まり方が弱いものは「飛龍葉」と言われるようです.




一鉢の朝顔に「龍」の姿を見ているんですね.

江戸の粋を感じます.




・・・さらに,先ほどの兄弟の中でも変わり種.

双葉の次に出てきたもの全てが成長点のかたまりとなっている苗.

down双葉は中央のかたまりの両側に細く飛び出ている葉です.



癌状奇形というもので,「林風」と「笹」という系統を掛け合わせると必ず一定の割合で出現するのだそうです.

そうか,すべて成長点のかたまりというのは「=癌」ということ・・・yellow7



この苗は,このまま終わってしまう場合もあれば,ここから花が咲くこともあるとか.

出来れば花を咲かせて終わってほしいものです.


この1トレーのことだけで相当盛り上がったのですが,変化朝顔の花や茎についても,まだまだ面白いお話がkirakira2



明日も続きます.




クダマキモドキ2

2010-08-26 | ガーデニング
昆虫の話で盛り上がって?恐縮です.

クダマキモドキの卵をバラのトゲで突いたらプチッと硬いものにささるような音がしたといったら,

「卵なのにそんなに硬いとは・・・」

「それはもしやサナギなのでは????alien

という,ご意見をいただき,さらに調べました.

といっても,バッタの仲間なので,当然サナギになどならないと思われたのですが・・・


結論から言うと,あれは硬くても卵みたいです.

しかも,やまめは茎から取り出しませんでしたが,本当はアレが2列に並んで埋まっていたようです.

全身緑色の成虫だったことから,サトクダマキモドキという種類で,果樹以外にも,ツバキ,キンモクセイ,バラなどに産卵するそうです.

あの茎の内部の材が外に出ているキズは成虫が産卵するときに予め茎にキズをつけて中に産卵スペースを作ったということのようです.

何で削ったのかはquestionですね.

やまめの予想では産卵管ではないかと思いますが・・

そして,サトクダマキモドキの成虫期は8-11月,ということで,まさしく孵化直前だったのでしょう.

気の毒ですが,孵化しなくて良かった.





クダマキモドキ

2010-08-25 | ガーデニング
21日のブログ,「みたことないもの」というお題でバラに何者かが産卵していたという話と写真を載せたのですが,jardinさんより,チュウレンジハバチではないかとのコメントをいただき,調べました.

チュウレンジハバチにしてはかなり大きく,硬いし,今まで見てきた産卵痕より格段にごつく,長く茎にキズがついているので,何か別のものでは・・・・


と,思って調べてみると,クダマキモドキ(バッタ目キリギリス科ツユムシ亜科)という昆虫の名前が出てきました.

初めて聞く名前ですが,コイツ,いましたyellow25symbol5!!

2~3日前に数回,庭でブットレアやコデマリの枝にくっついているのを目撃していたんです.

そのときは,もう秋の虫が見られるようになったんだなぁ~yellow18

とか,

緑色一色できれいな虫だなぁ・・・kirakira

などと,のんきに考えたりしたんですが.


もそっくりな写真をネットで発見!


クダマキとは,クツワムシのことだそうで,確かに外見はクツワムシにそっくりです.

が,秋の鳴く虫の中でガチャガチャと形容されたり,大きくうるさい鳴き声と表現されるクツワムシとは異なり,小さな声でチッチッと鳴くそうです.

しかも,鳴く虫の中で唯一メスも鳴くとか.

また,クツワムシは草原で生活し,雑食らしいのですが,クダマキモドキは樹上で生活,草食派らしい.

そして,だいたい寄生する植物はカキ,ナシ,モモなど果樹のようです.

これって,やまめの家の道路向かいにあるお家の庭に全部揃ってるじゃないの~~ase2ase2ase2

つまり,お向かいからやってきて,何故かバラに産卵してしまったということなのでしょう・・・

バラ,キンモクセイにも産卵例はあるようですが.

大きな被害を生じるものではないらしいですが,このクダマキモドキ,体長5センチはゆうにあり,こんなに大きな虫が狭い庭に大量発生したら,やっぱり大問題です.

ほかにも生み付けられていないかチェックしなければ・・・yellow22