やまめの庭つくり

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小田原城の緑

2010-10-31 | 造園
今日,TBS「噂の!東京マガジン」で,多くの時間を割いて「300本の樹木伐採~小田原城~秋の陣~」というコーナーをやっていました.

やまめも小田原城については全く知らないといっていいくらいの知識レベルでしたが,小田原在住のねこまたさんの縁で小田原城について少しだけ勉強し,小田原城址公園の樹木伐採について考え,見学する機会を得ました.

10月初旬のことです.


小田原城というと新幹線から見える天守閣しか知らなかったのですが,現状は市民の憩いの公園となっているという事で,今までも学校があったり,動物園があったり,イベントが開かれたり,野球場だったこともある,つまり市民生活にしっかり根を張って親しまれている場所になっている経緯があります.

一方,史跡としての小田原城もかなり価値の高いものであり,室町時代の1495年に北條早雲が奪取してから上杉,武田と関東の支配を争い,豊臣の侵攻に備えてどんどん土塁を拡大し,城だけでなく町そのものを取り込む事で他に類を見ない難攻不落の城になったという事です.

この土塁の跡地・地形も町の中であちこち見かけられ,立派な樹木がその後生えているところもありました.

近世の城閣構造になったのは江戸時代になってからで,江戸城の西の守りを任されていた時代もありますが,謀反の疑いで一部徳川に破壊されたり,地震や噴火の災害に遭ったり,明治時代には廃城となって解体,売却されたものもあったりと長い間に色々な事がありました.

こうして歴史の変遷を見てみると,一概に一足飛びに江戸時代に戻るべきとは思えません.

だって確かに,歴史的な建造物ですが,その時の状況やニーズによってすでに大幅に変わってきているという「歴史」があるわけですから.

番組で樹木伐採推進派の方が言うには,お城は本来見せるために造られたんだから邪魔な樹木は切るべきだという事で,更に樹木なんて鳥のフンから生えてきたものだから価値なんてない,また植えればいいとの発言をされていました.

また,史跡は非常に貴重なもので,後世に伝えていかなければならないから現在使用している人たちは我慢してでも史跡の保存を優先するべき,ということも.

テレビだから,極端に編集されてしまったのかもしれませんが・・・

一方,学識者の先生は歴史的建造物と樹木が一体となって素晴らしく,風情のある景観を作っているので両方をうまく活かす事が大切というようなコメントがありました.

そう,樹木も歴史のひとつですからね.

やまめとしては,実際に小田原城を見てきた感想ですが,やはり歴史建造物には時間の重みを感じさせてくれる空間を演出するためにも大きな樹木を大切にした方がいいと思いました.

そもそも昭和30年代に立てられたコンクリート製のレプリカ天守閣なので,樹木より新しいわけですし.

ただ,一切伐採するべきではない,という強硬な意見ではありません.

樹木は適正に管理して枝下ろしもきちんとやってこその美しい景観が維持できるのです.

そう,ねこまたさんがブログで何度も訴えている造園的な目で景色を見る,樹木を美しく維持する,そんなことが出来てこそ,市民や観光客の人たちが喜び,史跡の素晴らしさも伝えられるのでは・・・

テレビではマツを幹の半分くらいからパツッと伐ってしまった映像が流れていましたが,痛々しいと,みんな思ったのではないでしょうか・

これからどんな風に市と市民の間で話し合いが行われていくのかはわかりませんが,じっくり考えて緑の中のお城になったらいいなぁと個人的には思います.



小田原城に行った時に一番いいなぁと思った景色は天守閣の東側,現駐車場横の土塁の上に生えているクスの大木が織りなす光景です.


天守閣に向かう橋の上から見ると,前方に小山があるような景色です.

これがすぐ後ろにある公園の外のビルなどを隠し,別世界の景色を守っているわけです.



実際に言ってみるとクスの大木が連なっています.

もと野球場だった観客席のコンクリートをクスの根が侵食.

ものともせず大木になりました.



down真ん中に人がいるのがわかりますか?






日本でなかなか見られない「絵」になる光景だと思いませんか?

ちなみにこれらのクス達もすべて伐採対象になっているそうです.

もったいない・・,あまりにも,もったいないと思いますyellow7symbol5





花束

2010-10-30 | フラワーアレンジメント
懲りずにアレンジメントのお稽古に行っています.

今月から新しいシーズンに入り,三年目に突入です.


月一回のたくさんのお花に囲まれた,楽しく幸せな時間ですheart


今月はシーズン初回という事で,初心者の人も入っている事から,基本のスパイラルブーケですが,色を少しずつグルーピングしたモザイクブーケで,表面は非の打ちどころのないドーム状,が目標です.



upドーム状の曲線がビシッと見えるローラン先生のお手本.



upやまめの作品.上から見て円になっている事と,隣り合う色の組み合わせが美しく見えるように・・・が目標.

先生曰く,ベストとは言えないけど,悪くない.という,何とも微妙なコメント.

今回はやや残念でしたで賞,という感じかな.



横から見たラインも甘いですものねyellow13

downローラン先生の作品.色の使い方が計算されていて洗練された印象です.

なかなかそのイメージに近づけないです...




先月も使用した新しい?花材.

ライステリア.



何となくクズとかが生えていそうなところに自生していそうな植物です.

秋の初めに白っぽい花が咲き,今は実になっているようです.

何科のどんな性質の植物なのか?

調べたけれどわかりませんでした.新しい品種でしょうか??hamquestion




水元公園2

2010-10-30 | 樹木
水元公園で珍しい樹木を見ました.

ひとつはサイカチ.

名前は聞いた事があるのですが,実物は見た事あったかなぁ・・・・

ということで,写真撮りました.



幹に手裏剣が刺さっているかのようなトゲ・・・yellow25ase

絶対木登りできませんね.



サイカチ

ジャケツイバラ科(マメ科)サイカチ属

学名:Gleditsia japonica

日本の固有種です.

こんなに人を寄せ付けないような姿をしていますが,昔から材は建築,家具に使われ,トゲはなんと腫れ物やリウマチに効果があるとされたようです.



大きなマメのような果実はサポニンを含んでいるので,昔は石けんの変わりに用いられたそうですが,石けんが普及してからもアルカリに弱い絹の洗濯に使用されたとか.

ものすごく有用な樹木ですね.

このマメのような果実は非常に堅いので,キズがつかないと決して発芽しないそうです.

自然はうまく出来ているもので,ちゃんと発芽のチャンスが出来るようになっています.

サイカチにつくサイカチマメゾウムシが果実に産卵し,幼虫が果皮を食い破って中に入る頃,雨が降れば発芽,マメゾウムシは溺れ死に,雨が降らなければマメゾウムシが果実を食べてしまうため発芽出来ないというシステムです.

一か八か,虫が勝つかサイカチに運があるか・・・

密かに闘っている感じがします.



有用植物のサイカチとは反対に,「役立たず」説まであるちょっと不名誉な樹木はゴンズイdown



ゴンズイ

ミツバウツギ科ゴンズイ属

学名:Euscaphis japonica

葉は厚みのある複葉で,なんとなくソヨゴっぽいですが,落葉です.

名前の由来は,材がもろくて役に立たない事から同じように役に立たない有毒の魚の名前である「ゴンズイ」が付けられたという説と,熊野権現の守札をつける杖に使う事から「ゴンズイ(権現杖のなまり?)」という説があります.

ちょうど今はマユミのような赤い実がたくさんなっていてきれいだと思うのですが,両方とも庭には植えない樹木・・・かな?alien

片方は見た目痛々しいし,片方は「役立たず」的な名前だし・・・





水元公園1

2010-10-28 | 庭園見学
今週は仕事の関係で葛飾区にある水元公園に2回行ってきました.

初日は下見だったので,82ヘクタールの公園内を隅から隅まで歩き回ってきました.

水元公園,やまめは初耳だったのですが,東京都葛飾区にある都内で唯一の水郷の景観を楽しめる都立公園なんです.

葛飾区=こち亀の両さん,というイメージしかありませんでしたが,その葛飾駅のとなり,金町駅からバスで7分,徒歩7分で細長い公園の中央入口に到着です.

ちなみに金町駅は寅さんで有名な柴又帝釈天が近くにあります.



下の地図が公園の地形ですが,鳥のくちばしのような水色の部分,この先端近くにバス停があります.



ヘラブナ釣りのおじさん達がずらっと並んで楽しんでいる姿が遠くに見えてきます.
それを横目に,公園へ.



大きな水色部分は小合溜(こあいだめ)という溜め池で,1729年に徳川吉宗の指示で江戸を水害から守るために作られた遊水池&灌漑用水の源水地です.

公園の周りには桜土手があり,公園用地は元々は河川敷だったそうです.



静かに水をたたえた小合溜.対岸の公園は何と埼玉県のみさと公園です.



広々した景色にとても開放感を感じます.

ラクウショウ,メタセコイヤ,ハンノキ,アキニレ,ポプラ,シャリンバイ,トベラ,シイの仲間達,タブなど,水辺に強い樹木がたくさん植えられています.


江戸の人たちの自然との戦いの歴史が今は都民の憩いの場になっているわけですね.



水を公園内に引き込んで,湿地帯や小川があちこちにあり,中にはこんな土手のような懐かしい道も.

こんな土の道を歩いたのは久しぶりな気がして子供の頃を思い出しましたkirakira2



この道の左右はこんな感じ.

夜は怖くて歩けませんね・・・nose4ase



西側にずーーーっと歩いていくと大きな芝生の広場に出ます.

木陰から見る日の当たる場所ってしあわせを感じます.




景色だけでなく,野鳥もたくさん観察できるようです.

この日見た鳥たち.



コサギ.足の先が黄色いのが特徴です.



アオサギ.



カルガモ.その他マガモや名前のわからないカモの仲間,たくさん.



シラサギ.


他にもセキレイなどの小鳥たち.

鳥の名前がわかったらより楽しい事間違いなしです.



ガーデンショー見学

2010-10-24 | 庭園見学
昨日,丸の内仲通りガーデニングショー(10/22~31)と,日比谷公園ガーデニングショー2010(10/23~31)を見学してきました.

今年の丸の内のテーマは「文化×コミュニケーション~会話を楽しむ街角~」です.

お天気も良く,最初の週末という事で,そこそこ多くの人が見学しながら気になったガーデンの前で足を止めて写真を撮ったりしていました.

やまめはお仕事一緒のKさんと,11時からのガーデンツアーなるものに参加するため,テーマガーデン前で待ち合わせ.

でも,このガーデンツアー,おばさま達の「声が何にも聞こえないんですけどっanger」「マイク使って下さいっyellow6」というクレームの嵐.

ぞろぞろ歩いても写真もろくに撮れなくなりそうだったので,急遽パスして勝手に回る事にしました.




今年のテーマガーデンはチェルシーで3度ゴールドメダルを受賞した石原和幸氏.

作品は,やっぱりコケでした.



樹木の種類は色々使っていましたが,小さな苗などは壁面のコケの間にだまし絵のように入っているので,あっ,こんなところにも・・・・と気づいたりして面白いです.

下草は秋を意識したラインナップでシンプルに.やはりコケの雰囲気を壊さないように気をつけているんでしょうね.



壁はコケだけでなく芝も使っていましたが,窓に実生苗やマツの盆栽など隠し絵のように植え込まれています.



この石原氏の作品を意識したのかしなかったのか,コケが印象的な作品もいくつか見られました.


downコケソファー.バブリーな雰囲気です.



そんな作品を見比べると,コケは張り方が大切だなぁと感じました.

べたっと置いてあるようなものは風合いもなく,美しさが感じられません.

かといって,モコモコ過ぎるのも妙に生き物的で不気味なんですけど・・yellow7symbol6

down芝生のベンチ.最初,すわれないじゃん!と思ったのですが,よく考えたら芝の上にすわりますよね.



down母校の後輩達の作品.

今年はとてもシンプルだなぁ.後ろの車が白っぽくて,余計あっさり見えてしまいました.

現代風枯山水風・・・?かな.

(社)日本造園組合連合会理事長賞獲得,おめでとうkirakira2

細かいところで工夫して頑張っている姿を想像しました.

お疲れ様でした~






downこちらも高級な植物をたくさん使っている作品.

今年は結構ゴージャスな作品が目につきました.





downこちらは着物柄のような植栽.

うわ~っっっ,派手!!!yellow25

外国の人にはウケるのでしょうか・・・・





日比谷ガーデニングショーの方は,コンテナガーデング部門,ハンギングバスケット部門,ガーデン部門,ライフスタイルガーデン部門の4つに別れていました.

コンテナとハンギングでは,RHSJコンテナガーデニング協会の会員さんもたくさん出品されていました.

表現の仕方は本当に色々ですね.

ハンギングは技術差が大きく出るような気がしますが,コンテナの方が小道具的なものも使えるせいか表現の幅が広いような気がしました.

そんな中,印象的だったのは先日ホンモノを見たばかりのせいか,多肉で作ったこれdown





ガーデン部門では何となく突飛なものが少なくて良かったのですが,金賞の作品だけ紹介します.

中央の人工的な輝きの黒石と左端の石積がやまめ的には苦手でした.

何となく目の錯覚でめまいがしそうだったので・・・nose4ase2