晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
※文章や写真の無断転載は禁止!

【平安あれこれ】 国宝「源氏物語絵巻」<夕霧>での雲居の雁の単袴姿

2015年07月24日 | 平安あれこれ

 私のささやかな日常。雑感。

Twitterでこんなまとめを見かけました。

平安時代の夏の部屋着『単袴姿(ひとえはかま)』が「おっぱい丸見えじゃないか!」と話題に - Togetterまとめ
⇒ http://togetter.com/li/847962


単袴(ひとえはかま)姿は
その名の通り袴をつけ、単を着ただけの姿のこと。
腕や胸のかたちも露わになります。

現代人にはちょっと刺激が強すぎるのかも!?

単袴姿というと、
平安末期に制作された国宝「源氏物語絵巻」<夕霧>で
描かれている雲居の雁を彷彿とされる方も多いと思います。
胸や腕が透けて見えています。



実はこの場面、源氏物語本文には雲居の雁の装束姿について
記されていません。

にも関わらず、

『源氏物語』絵巻において単袴姿で描かれているのはなぜでしょう?


それは、『源氏物語』<常夏>で登場した
”羅(うすもの)の単を着て昼寝している雲居の雁”の
イメージが投影されているようです。

この時、父である内大臣は雲居の雁に対して羅の単を着ただけの姿で
うたた寝はいけないと戒めたのでした。


雲居の雁を援護すると、
父・内大臣の来訪は突然のことでした。

女房たちが来訪を知らせてくれたならば、雲居の雁は
うたた寝から起きて袿を羽織った状態で父を迎えたのでは
ないかとも思います。

また、内大臣の怒りは雲居の雁にだけでなく、
雲居の雁に仕える女房達にも向けられていました。
なぜなら、女房達も昼寝をしていたからです。

羅(うすもの)の単姿でうたた寝するのは
たしなみのある様子とは言えず貴族の姫君として
褒められることではありませんが
父・内大臣の突然の来訪、
女房たちがうかつにも物の背後に寄り臥して昼寝をしている、
という偶然が重なったことにもよるのではないかと思います。


国宝「源氏物語絵巻」<夕霧>において、
すでに夕霧との間に子どもたちもいる女性となった
雲居の雁が、皮肉にも結婚前の出来事だった<常夏>での
単袴姿で描かれている意図は何なのでしょうね。

気になるところです。




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【平安あれこれ】スタバのピーチインピーチフラペチーノに紫式部を想う。 紫式部の幼名は「もも」!?

2015年07月23日 | 平安あれこれ

 私のささやかな日常。

暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
久しぶりの日記です。

先日、スタバでピーチインピーチフラペチーノを
飲んでゆったりひとやすみ。



旬のピーチをたっぷり使ったフラペチーノで
桃が好きな方にはオススメ!!



桃の花というと、『紫式部集』に収められている
紫式部の夫・藤原宣孝が詠んだこの歌を思い出します。

桃といふ名もあるものをときのまに ちる桜には思ひおとさじ

 現代語訳
百(もも)というめでたい名もあるのだから、時の間に散るような桜には思い落すことはしないでおこう。
 <『新訂版 紫式部と和歌の世界』(武蔵野書院)より>


この歌から、
紫式部の幼名は「もも」というのではないかと
提唱されている研究者の先生もいらっしゃいます。


ちなみに・・・
京都市右京区にある
小倉百人一首殿堂 時雨殿で販売中のミニ歌仙人形
「紫式部」は桃かさね<表:淡紅・裏:萌黄>の袿を着ているのでした。


これはおそらく
紫式部の幼名「もも」説を意識して
作成されたのではないかと思われます。


高さ2センチの小さなお人形です。






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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年5月撮影 実物大展示室

2015年07月21日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

四季のかさねの色目に見る平安の美意識 に引き続き、
2008年5月に風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。

実物大展示室では
直衣姿の男君、
唐衣・裳姿<十二単姿>の女房、
衵(あこめ)姿の女童が
展示されていました。

(今まで女童の人形が展示されたことはなかったので驚きました。)



母屋にいる直衣姿の男君。


横から見た男君。




廂にいる女房と女童。



女房は唐衣・裳姿
・・・いわゆる十二単姿です。


後ろから見た女房。




衵姿の女童。
高坏(たかつき)の上には唐菓子が盛られたお皿がありました。


横から見た女童。





 着装体験。

風俗博物館、実物大展示室には
洋服の上から自由に羽織ることができる
装束があります。

 ・男性用・・・狩衣姿(狩衣と指貫)
 ・女性用・・・袿姿(単と袿)



友人とのツーショット。袿姿です。




以上、2008年5月における風俗博物館の展示の様子でした。







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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年5月撮影 四季のかさねの色目

2015年07月20日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

平安朝の年中行事 五月の節 端午節句 に引き続き、
2008年5月に風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。

寝殿西廂では
「四季のかさねの色目に見る平安の美意識」
展示されていました。


 かさね色目・春夏秋冬


冬:雪ノ下かさね

(降り積もった雪の下にも、春待つ紅梅と新芽を思わせる、
生命力溢れるかさね色目)




春:梅かさね

(早春に咲き競う紅梅の様々を表したかさね色目。
着用時期旧暦11月~2月)




夏:菖蒲(しょうぶ)かさね

(端午節句に使用するサトイモ科の菖蒲の「根」と「葉」の
色の対比を表したかさね色目。
緑に色づいた葉先より根に近づくに従い白くなり、根元は
鮮やかな紅梅色となり、白く長い根に繋がる。
かさね色目で、端午の節の菖蒲を特に称賛した、高い香気が
感じられるようなかさね色目である。
着用時期旧暦4月~5月)





秋:紅紅葉(くれないもみじ)かさね

(紅葉してゆく木々の一年の中でも、特に紅(くれない)を
印象深く表したかさね色目)





 唐衣・裳装束を着装した際のかさね色目の見え方


唐衣:葵(あおい)かさね
表着:山吹匂(やまぶきのにおい)かさね

五衣・単→花橘(はなたちばな)かさね

(常緑である橘の木が、春を迎えて色濃く葉が色付き、初夏には
白い花が咲き、やがて朽葉(くちば)色の実を実らすという、
橘の木を一年を通して表したかさね色目。
着用時期旧暦4月~5月)



オリーブ色文字は博物館レジュメより引用。




 実物大展示室へ続きます。







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【京都・風俗博物館~よみがえる源氏物語の世界~】 2008年5月撮影 平安朝の年中行事 端午節句

2015年07月19日 | 京都・風俗博物館
 京都市下京区にある風俗博物館のこと。

女房の局~女房の日常・平安の遊びと菖蒲枕~ に引き続き、
2008年5月に風俗博物館を訪ねて撮影した展示の様子です。

寝殿北廂において
『源氏物語』<蛍>より
「平安の年中行事 五月の節 端午節句」
の場面が展示されていました。


舞台は、六條院夏の御殿(おとど)の西の対に見立てられています。

<博物館レジュメより>
源氏36歳の夏、5月5日の端午の節を迎えた六條院
夏の御殿の西の対には多くの薬玉が届けられていた。
この夏の御殿には、花散里が後見となり、かつての源氏の
思い人であった夕顔の忘れ形見である玉鬘(頭中将と
夕顔の娘)が住まっていたからである。


五月五日には薬玉を贈り合う習慣がありました。




写真右側:薬玉を手にする玉鬘。袿姿。


贈られてきた薬玉。


蛍兵部卿宮から文が届けられました。
文は白い薄様の紙で、五月五日の節に合わせて
菖蒲(しょうぶ)の白い根に結びつけられていました。



薬玉を肘にかけた女童。
正装の汗衫姿


薬玉を母屋の柱に吊るす女房。
唐衣・裳姿。


薬玉を肘にかけた女房。
唐衣・裳姿。




源氏。
直衣出衣(のうしいだしぎぬ)姿。



屋根の軒に葺いた菖蒲(しょうぶ)




 四季のかさねの色目に見る平安の美意識 へ続きます。



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