
金沢の観光スポットレポート その790(No.1178)
◇西茶屋資料館と島田清次郎 ①
〇西茶屋資料館
建物は、吉米楼(よしよねろう)跡地に当時の造りを再現したものである。
「吉米楼」は大正時代に、島田清次郎の小説「地上」の舞台となった場所で、1996年4月にオープンした。2階建て構造の日本家屋で、1階は島田清次郎に関するものを中心に、2階には金屏風や漆塗りの装飾品、扇子や三味線にし茶屋街当時の貴重な品などが展示されている。金沢市観光ボランティアガイドまいどさんが在中する。
入館料は無料。
■写真は全景

〇島田清次郎
大正8年(1919)年現白山市美川出身で、吉米楼からの町小学校に通う。通称・島清は長編小説「地上」を新潮社から出版し、20歳で作家デビュー。極貧の文学青年はまたたくまに大ベストセラー作家へと成長し、「地上」シリーズ四部作は累計50万部という驚異的な売上を記録した。
天才の名をほしいままにした島清は勢いに乗って洋行、アメリカからロンドン、パリ、ベルリンを訪れ、詩人エドウィン・マーカム、作家ジョン・ゴールズワージー、俳優の早川雪州らと面会している。
全国で講演活動を行っては英雄的な理想主義、革命思想を賞揚し、テレビ・ラジオのない時代において十代の少年少女たち憧れのカリスマとして君臨した。 が、現代の目で見て島清のユニークな点と見なされるのは、その作品ではなく、尊大な言動と傲慢さが服を着て歩いているような生活態度、つまりキャラクターであった。昭和5年(1930)4月29日に肺結核で死去。享年31歳。




■写真は1F島田清次郎資料コーナー

■写真は金沢の三文豪と地元、縁故作家

■写真は金沢を舞台にした文学作品


■写真は庭
(つづく)